5章 安全と衛生の知識
1. 調理場における労働安全衛生
調理場では、常に火(熱いもの)や刃物などを取扱います。
また、大きな調理機器や重たいものを持ち上げる可能性もあります。
そのため、決められた作業方法(ルール)や注意事項を守らないと、大きなけがや事故につながる危険性があります。
・けが・事故の例 💥
| けが・事故 |
原因 |
|---|---|
| 指を切る | よそ見をしながら包丁で野菜を切っていた |
| 手を火傷 | 鍋が思ったより重く、熱いスープが手にかかった |
| 足を火傷 | あわてていて、熱い揚げ油を足にこぼした |
| 足を捻挫 | 濡れている床を走ってころんだ |
| 指を切断 | 電源を入れたまま機器を洗浄し、誤って作動させた |
| 火災 | ガスレンジの火をつけっぱなしにして調理場を離れた |
・安全な作業の徹底 🦺
「大丈夫だろう」という油断や憶測が大きな事故に繋がるため、ルールの省略はしない。
急いでいる時や慣れた作業でも、常に基本に忠実に安全確認を徹底する。
・ユニフォームの正しい着用 🧑🍳
危険から身を守るため、体格に合ったものを正しく着用する。
自己判断で違う服を着たり、かかとを踏んで履いたりしない。
調理場での作業は、常に危険と隣り合わせです。
「慣れ」による油断が事故に繋がります。
常に安全を意識し、ルールを守ることが自分自身と同僚の安全を守ります。
2.ものの運び方とドライキッチン
・重たい荷物の持ち上げ方📦
重い物を持つと腰に負担がかかります。無理な持ち方は避けましょう。
目安として自分の体重の35~40%以上の物は2人で運ぶか、分けて運び、液体は容器の8分目程度にとどめます。
① 荷物の近くにかがみ、しっかりと荷物を持つ。
② 背中をまっすぐにする。
③ 足を伸ばしながら、徐々に持ち上げる。
・台車・ワゴンの取扱い🛒
重いものを台車などで移動する際は、引かずに押して使います(後ろの障害物に気づきにくいため)。
ただし、坂道や段差では引いて慎重に動かし、荷物は高く積みすぎないようにします(落下防止)。
・ドライキッチン🧽
調理場の床を常に乾いた状態に保つことです。
床が濡れていると滑って転ぶ危険があり、細菌やカビも繁殖しやすくなります(食中毒の原因)。
ドライキッチンは作業者の安全と衛生環境の向上に貢献します。
3. 調理機器・調理器具の取扱い
・スライサー⚙️
取扱いを間違えると大事故に繋がります。
事前に教育・訓練を受けた人が使いましょう。
| 主な注意事項 | |
|---|---|
| 使用時 | ・作業中は機器から離れない。 ・離れる際は必ず電源オフ、プラグを抜く。 ・作動中は絶対に手を入れない。 |
| 洗浄時 | ・必ず電源オフ、プラグを抜く。 ・刃の回転が完全に停止してから作業。 ・安全装置があれば使用し、刃を取外して洗浄。 |
・包丁 🔪
包丁を持って移動する際は「包丁が通ります」など周囲に声をかける。
使用後は必ず洗浄し、専用保管庫に入れる(放置は危険)。
・その他の道具🧰
決められた作業手順・方法に従い使用する。
取扱説明書がある場合は必ず読んでから使用する。
4. 食器と洗剤の取扱い
・食器🍽️
高く積み上げすぎない(転倒の危険)。
材質の異なる食器は別々に洗う(破損防止)。
欠けやひびのある食器は使用せず、割れた場合、破片の確認ができない食器は使用しない。
・洗剤・殺菌剤🧴
適切な濃度で使用し、手荒れや効果不足を防ぐ。
アルコールスプレーは水分を拭き取ってから使用する。
火のそばでアルコールスプレーを使用しない(引火の危険)。
5. 火災防止対応
火の取扱いを間違えると火災を起こし、お客様や従業員を危険な状況にさらします。
火を扱っているときは、絶対にそばを離れてはいけません。
・具体的な対策🛡️
| 対象 | 対策ポイント |
|---|---|
| タバコ | ・定められた場所で喫煙し、スペースを整理整頓する。 ・吸い殻は水の入った専用缶に入れ、毎日処理する。 |
| 火を使う機器 | ・揚げ物中はその場を離れない。 ・レンジ周りに燃えるものを置かない。 ・可燃性スプレーを高温になる場所に置かない。 ・廃油はふた付き容器に入れ火元から離す。 |
| 電気機器 | ・濡れた手で触らない。 ・プラグはコードを引っ張らずに抜く。 ・作業後は電源を切る。 ・損傷したコードは使用しない。 ・コンセントのほこりを清掃する。 |
・消火の対応 🧯
火災発生時は速やかに消火活動を行う。
日頃から消火器の場所と使い方を確認しておく。
火が天井に届くなど危険な場合は、すぐに避難する。
調理場の安全衛生は、従業員一人ひとりの意識と行動によって保たれます。
ルールを守り、危険を予知し、異常があればすぐに報告・相談することが大切です。
VOICEVOX:春日部つむぎ
まとめ📋
基本ルールを遵守し、油断せず安全確認を徹底する。
正しく着用して身を守り、靴のかかとを踏まないようにする。
正しい姿勢で運び、無理せず二人で運ぶか台車を使用する。
取扱説明書通りに使い、作業中は集中し安全確認を怠らない。
火の元から離れず、整理整頓を心がけ、消火器の場所を確認する。
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