1章 食中毒の基本知識

35-3

1. 食中毒とは?
3:21

1. 食中毒とは?

食中毒しょくちゅうどくは、飲食店いんしょくいてんにとって決けっして起おこしてはならない重大じゅうだいな事故じこの一ひとつです。
その原因げんいんや種類しゅるいを理解りかいしましょう。

 

<食中毒しょくちゅうどくの発生はっせい要因よういん🚨>

食中毒しょくちゅうどくは、食品しょくひんに付着ふちゃくした細菌さいきんやウイルス、洗剤せんざいなどの異物いぶつ混入こんにゅうが原因げんいんで発生はっせいします。

主おもな症状しょうじょうは、おう吐とや下痢げりなどの健康けんこう被害ひがいです。

 

・調理ちょうり従事者じゅうじしゃの衛生えいせい管理かんり不足ふそく

(体調たいちょう不良ふりょう、手洗てあらい不足ふそくなど)

・衛生えいせい管理かんりが不十分ふじゅうぶんな業者ぎょうしゃからの原材料げんざいりょう納品のうひん

・食品しょくひんの加熱かねつ不足ふそく

・食品しょくひんの温度おんど管理かんり不備ふび

(危険きけん温度帯おんどたいでの長時間ちょうじかん放置ほうちなど)

 

<食中毒しょくちゅうどくの分類ぶんるい🗂️>

食中毒しょくちゅうどくはその原因げんいん物質ぶっしつによって分類ぶんるいされ、それぞれ対策たいさくが異ことなります。

食中毒しょくちゅうどくの90%以上いじょうは細菌さいきんやウイルスが原因げんいんです。

 

分類ぶんるい 原因げんいん物質ぶっしつ  対策たいさく
細菌性さいきんせい食中毒しょくちゅうどく

・腸管ちょうかん出血性しゅっけつせい大腸菌だいちょうきん

・サルモネラ属菌ぞくきん

・ブドウ球菌きゅうきんなど

細菌さいきんを
「つけない」
「ふやさない」
「やっつける」
ウイルス性せい食中毒しょくちゅうどく

・ノロウイルス

・E型がた肝炎かんえんウイルスなど

ウイルスを
「つけない」
「やっつける」
「もちこまない」
「ひろげない」
化学性かがくせい食中毒しょくちゅうどく

・洗剤せんざい

・殺虫剤さっちゅうざい

・農薬のうやくなど

化学かがく物質ぶっしつを
「つけない」
寄生虫きせいちゅう食中毒しょくちゅうどく

・アニサキス

・回虫かいちゅうなど

寄生虫きせいちゅうを
「つけない」
「やっつける」
2. 食中毒を防ぐ3つのルール
2:15

2. 食中毒を防ぐ3つのルール

細菌さいきんによる食中毒しょくちゅうどくを防ふせぐためには、食中毒しょくちゅうどく予防よぼう3原則げんそくが大切たいせつになります。

 

原則げんそく 具体的ぐたいてきな対策たいさく
つけない ・調理前ちょうりまえ、生肉なまにく・魚さかな・卵たまご扱あつかい前後ぜんご、トイレ後ごなどは必かならず手洗てあらい。
・生なまの肉にくや魚さかなを切きったまな板いた・包丁ほうちょうは、加熱かねつしない食品用しょくひんようと区別くべつするか、都度つど洗浄せんじょう・消毒しょうどく。
ふやさない ・細菌さいきんは10℃以下いかで増殖ぞうしょくが遅おそく、-15℃以下いかで増殖ぞうしょくしないため、食品しょくひんは10℃以下いかで保存ほぞんし、期限内きげんないに使用しよう(常温じょうおん放置ほうちしない)。
やっつける ・ほとんどの細菌さいきん・ウイルスは加熱かねつで殺菌さっきん可能かのう。
・特とくに肉にくや二枚貝にまいがいなどは中心ちゅうしん温度おんど75℃で1分ぷん以上いじょう加熱かねつ。
・加熱かねつしない食品しょくひん(サラダ等など)は必要ひつように応おうじ殺菌さっきん。

 

💡3原則げんそくの徹底てってい
この3原則げんそく「つけない」「ふやさない」「やっつける」を常つねに意識いしきし、実行じっこうすることが食中毒しょくちゅうどく予防よぼうの基本きほんです。
3. 食中毒の原因となる細菌やウイルス
5:55

3. 食中毒の原因となる細菌やウイルス

食中毒しょくちゅうどくの原因げんいんとなる代表的だいひょうてきな細菌さいきんやウイルスの特徴とくちょうを知しっておきましょう。

 

種類しゅるい 特徴とくちょうと原因げんいん 症状しょうじょう

腸管ちょうかん出血性しゅっけつせい大腸菌だいちょうきん
(O157, O111など)

・特徴とくちょう
牛うしや豚ぶたなどの腸内ちょうないに存在そんざい。少量しょうりょうでも発症はっしょうし、強つよい毒素どくそを出だす。

・原因げんいん
生肉なまにくや加熱かねつ不十分ふじゅうぶんな肉にく(ひき肉にく料理りょうりなど)、井戸水いどみず。

腹痛ふくつう

水様性すいようせい下痢げり

血便けつべん

カンピロバクター

・特徴とくちょう
鶏にわとり、牛うし、豚ぶたなどの腸内ちょうないに存在そんざい。少量しょうりょうの菌きんで発症はっしょう。乾燥かんそうに弱よわい。

・原因げんいん
生なままたは加熱かねつ不十分ふじゅうぶんな鶏肉とりにく、飲料水いんりょうすい。
例れい:鶏とりレバー、ささみの刺身さしみなど

下痢げり

腹痛ふくつう

発熱はつねつ

サルモネラ属菌ぞくきん

・特徴とくちょう
鶏にわとり、豚ぶた、牛うしなどの腸内ちょうないに存在そんざい。河川かせん・下水げすいなど自然界しぜんかいにも広ひろく分布ぶんぷ。

・原因げんいん
生なまの卵たまごやその加工品かこうひん、生肉なまにくや加熱かねつ不十分ふじゅうぶんな肉にく。ペットからの感染かんせんも。

激はげしい腹痛ふくつう

下痢げり

発熱はつねつ

おう吐と

セレウス菌きん

・特徴とくちょう
土壌どじょうなど自然界しぜんかいに広ひろく分布ぶんぷ。熱ねつに強つよい芽胞がほうを作つくる。

・原因げんいん
米飯べいはん、麺類めんるいなど穀類こくるいの調理品ちょうりひんの作つくり置おき。
例れい:チャーハン、スパゲティなど

おう吐と

下痢げり

黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん

・特徴とくちょう
人ひとの皮膚ひふ、のど、鼻はななどに常在じょうざい。特とくに化膿かのうした傷きずに多おおい。熱ねつに強つよい毒素どくそを産生さんせい。

・原因げんいん
調理者ちょうりしゃの手指しゅしを介かいして汚染おせんされた食品しょくひん。
例れい:おにぎり、弁当べんとうなど

吐はき気け

おう吐と

腹痛ふくつう

ウェルシュ菌きん

・特徴とくちょう
人ひとや動物どうぶつの腸管ちょうかん、土壌どじょうなどに広ひろく生息せいそく。酸素さんその少すくない状態じょうたいで増殖ぞうしょく。熱ねつに強つよい芽胞がほうを作つくる。

・原因げんいん
大おおきな鍋なべで大量たいりょうに加熱かねつ調理ちょうりされ、室温しつおんでゆっくり冷却れいきゃくされた料理りょうり。
例れい:カレー、シチュー、煮物にものなど

腹痛ふくつう

下痢げり

腸炎ちょうえんビブリオ

・特徴とくちょう
海水かいすいや海底かいていの泥どろなどに生息せいそく。塩分えんぶんのある環境かんきょうを好このむ。真水まみずや熱ねつに弱よわい。

・原因げんいん
夏場なつばの生なまの魚介類ぎょかいるい。例れい:刺身さしみ、寿司すしなど
調理器具ちょうりきぐからの二次にじ汚染おせんも。

激はげしい腹痛ふくつう

水様性すいようせい下痢げり

ノロウイルス

・特徴とくちょう
感染力かんせんりょくが非常ひじょうに強つよい。少量しょうりょうのウイルスで発症はっしょう。乾燥かんそうにも強つよい。

・原因げんいん
感染者かんせんしゃのふん便べん・おう吐物とぶつからの直接ちょくせつ・間接的かんせつてきな接触せっしょく感染かんせん。
汚染おせんされた二枚貝にまいがい(カキなど)の生食なましょくや加熱かねつ不十分ふじゅうぶんな調理ちょうり。

吐はき気け

おう吐と

下痢げり

腹痛ふくつう

発熱はつねつ

まとめ
0:58

VOICEVOX:春日部つむぎ

まとめ📋

✋
つけない

こまめな手洗てあらいを徹底てっていし、調理器具ちょうりきぐを使つかい分わけ、洗浄せんじょう・消毒しょうどくすることで菌きんをつけない。

❄️
ふやさない

食材しょくざいを低温ていおんで保存ほぞんし、常温じょうおん放置ほうちせず、期限内きげんないに使つかい切きることで菌きんを増ふやさない。

🔥
やっつける

食材しょくざいの中心部ちゅうしんぶまで十分じゅうぶんに加熱かねつし、非ひ加熱かねつのものは殺菌さっきんすることで菌きんを退治たいじする。

クイズに挑戦✏️

Q1

食中毒しょくちゅうどくの原因げんいんは、細菌さいきんやウイルスだけでなく、洗剤せんざいなどの化学物質かがくぶっしつも含ふくまれる。

Q2

食中毒しょくちゅうどくを防ふせぐための「3つのルール」は、「つけない」「捨すてない」「やっつける」である。

Q3

ほとんどの細菌さいきんやウイルスは、加熱かねつで殺菌さっきんできるため、食材しょくざいの中心部ちゅうしんぶまで十分じゅうぶんに熱ねつを通とおすことが重要じゅうようである。

Q4

黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきんは、人ひとの皮膚ひふや鼻はななどに存在そんざいし、調理者ちょうりしゃの手指しゅしを介かいして食品しょくひんを汚染おせんさせることがある。

Q5

ノロウイルスは感染力かんせんりょくが非常ひじょうに強つよいが、乾燥かんそうには弱よわい性質せいしつを持もつ。