5章 HACCPの考え方①

1. HACCPとは?
HACCP(ハサップ)とは、食品の安全性を確保するための国際的な衛生管理の手法です。
「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、「危害要因分析重要管理点」と訳されます。
食品の製造・調理工程全体を通して、食中毒の原因となりうる危害要因を科学的根拠に基づいて分析し、特に重要な管理点を定め、集中的に管理することで、製品の安全性を確保しようとする考え方です。
最終製品の抜き取り検査だけでは安全性を十分に保証できないため、各段階で危害を予防・管理することで、より確実に安全な食品を提供することを目指します。
2. 重要管理のグループ分類
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理では、お店で提供するメニューは3つのグループに分かれます。
それぞれにどのような危害要因があり、何を重要管理点として、どのように管理するかが定められており、食中毒のリスクを効果的に低減します。
<3つのグループ分類>
グループ1:加熱しないもの
例:冷奴、サラダなど
グループ2:加熱するもの
例:ステーキ、焼き魚、ハンバーグなど
グループ3:加熱と冷却をくりかえすもの
例:ポテトサラダ、だし巻き卵など
3. グループ1:加熱しないもの
加熱工程がないため、食材の受け入れから提供までの過程で、食中毒菌を「つけない」「ふやさない」ことが特に重要です。
<重要管理ポイント>
・原材料の受け入れ📦
信頼できる業者から仕入れ、品温などを確認します。
・冷蔵庫での保管🧊
10℃以下で保管し、他の食材との交差汚染を防ぎます。
・調理・盛付け👨🍳
衛生的な手洗い、使い捨て手袋の着用、調理器具の使い分けや洗浄・消毒を徹底します。
・提供までの時間⏱️
調理後、長時間室温に放置せず、速やかに提供します。
生の野菜や果物、刺身などは加熱による殺菌ができないため、特に「つけない」「ふやさない」管理が重要になります。

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5. グループ3:加熱と冷却をくりかえすもの
加熱、冷却、再加熱といった工程があるため、細菌が増殖しやすい温度帯(危険温度帯:10℃~60℃)を通過する時間が長くなります。
この温度帯をいかに短時間で通過させるかが重要です。
<重要管理ポイント>
・加熱調理🔥
グループ2と同様、中心部まで十分に加熱します。
・冷却🧊
加熱後、細菌が増殖しやすい温度帯をできるだけ早く通過させるため、速やかに冷却します。
小分けにする、氷水で冷やすなど30分以内に20℃付近、または60分以内に10℃以下が目安です。
・保管📦
冷却後は10℃以下で冷蔵保管します。
・再加熱・提供🍽️
提供前に再加熱する場合は、中心部まで75℃以上で十分に加熱し、速やかに提供します。
グループ3の食品は、調理工程で危険温度帯を何度も通過する可能性があります。各工程での迅速な温度管理が食中毒予防の鍵となります。
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VOICEVOX:春日部つむぎ
まとめ📋
危害要因を分析し、重要管理点を決めて集中的に管理することで、安全な食品を提供する。
食材由来の菌や調理中の汚染に注意し、「つけない」「ふやさない」を徹底する。
加熱不足や加熱後の二次汚染に注意し、「やっつける」ことが基本となる。
危険温度帯での菌増殖に注意し、「やっつける」「ふやさない」を徹底する。
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