6章 接客用語と敬語
1. 接客の言葉づかい
接客の場では、お客様の年齢や状況に関わらず、常に丁寧な言葉づかいを心がけることが基本です。
正しい言葉遣いは、お客様に安心感と信頼感を与え、お店の印象を良くします。
特に、状況に応じた敬語や、よく使われる接客用語(定型表現)をしっかり身につけましょう。
2. 基本的な接客用語
様々な場面で使われる基本的な接客用語です。自然に使えるように覚えましょう。
| 用語 | 意味・使い方 |
|---|---|
| いらっしゃいませ | お客様が来店された時、お迎えする時の最初のあいさつ |
| ありがとうございます ありがとうございました |
お客様が何かをしてくれた時や、お帰りの際の感謝の言葉 |
| お待たせいたしました |
お客様を少しでもお待たせしてしまった時 |
| 失礼いたします |
お客様の近くを通る時、何か作業を始める前や後、その場を離れる時 |
| かしこまりました |
お客様の注文、依頼、要望などを引き受ける時 (「了解しました」は使いません) |
| 恐れ入ります |
お客様に何かをお願いする時、尋ねる時の前置き(クッション言葉)、または感謝や軽いお詫びの気持ちを示す時 |
| 申し訳ございません |
お客様に深くお詫びをする時に使う、非常に丁寧な謝罪の言葉 |
3. 敬語の基本
敬語は相手への敬意を示す大切な言葉です。主に3種類あります。
| 敬語の種類 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手(お客様など)や、相手の動作・状態などを高めて言う言葉。 | 「見る」→ 「ご覧になる」 「いる」→ 「いらっしゃる」 「言う」→ 「おっしゃる」 |
| 謙譲語 | 自分や、自分側の動作などをへりくだって言い、相手を高める言葉。 |
「見る」→ |
| 丁寧語 | 言葉遣いを丁寧にする「です・ます・ございます」など。 | 「そうだ」→ 「さようでございます」 「ある」→ 「ございます」 |
誰の動作か(お客様か、自分か)を意識すると、尊敬語と謙譲語の使い分けがしやすくなります。丁寧語は常に基本として使いましょう。
4. 間違いやすい表現・言い換え
接客場面で無意識に使ってしまいがちな避けるべき表現や、より丁寧な言い換えの例です。
|
間違った表現 |
正しい表現 |
|---|---|
| よろしかったでしょうか? | よろしいでしょうか? |
| お水のほうは | お水は |
| こちらがレシートになります | こちらがレシートでございます |
| 5,000円からお預かりします | 5,000円お預かりします |
| 日常の言葉づかい | 接客の言葉づかい |
|---|---|
| お客さん、男の人、女の人 | お客様、男性の方、女性の方 |
| 何人ですか? | 何名様ですか? |
| すみません、満員です | 申し訳ございません、満席でございます |
| 分かりました | かしこまりました/承知いたしました |
| 店長はいないんですが |
あいにく店長は不在ですが |
| こっちから電話します | こちらからお電話いたします/させていただきます |
「~になります」「~のほう」「よろしかったでしょうか」などは、丁寧に見えて実は正しくない、いわゆる「バイト敬語」と呼ばれることがあります。正しい敬語を意識しましょう。
5. サジェスチョンサービス
サジェスチョンサービスとは、お客様にメニュー(料理や飲み物など)を積極的におすすめすることです。
「本日のおすすめ」や「この料理に合う飲み物」などを提案します。
お客様にとっては新しい選択肢が増え、お店にとっては売上向上と顧客満足度向上の両方が期待できる大切なサービスです。
例:「本日のおすすめは〇〇でございます。」
「お食事に合う日本酒もご用意しておりますが、いかがでしょうか?」
6. 電話応対の基本
電話は顔が見えないため、声のトーンや言葉遣いがお店の印象を直接左右します。
対面以上に丁寧な対応が必要です。
| 状況 | 対応のポイント・言葉かけ例 |
|---|---|
| 受ける時 | 3コール以内に電話に出る。 「(店名)の(名前)でございます」。 長ければ「お待たせいたしました」を先に。 |
| 聞く時 |
相づちを打ち、復唱やメモで内容を正確に把握。 |
| 尋ねる時 |
「恐れ入りますが、お名前とご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか?」 |
| 取り次ぐ時 | 「〇〇に代わります。少々お待ちください」と伝え、保留。 不在時は伝言を預かるか折り返しを提案。 |
| 切る時 | 相手が切るのを待ってから静かに切る。 |
| 対応できない場合 | 理由を伝え、連絡先・用件を伺いメモ。 「折り返しご連絡いたします」と伝え、担当者に引き継ぐ。 |
声だけでコミュニケーションを取るため、いつもより少し高めの明るい声で、ハキハキと話すことを意識しましょう。ペンとメモを常に手元に置くことも大切です。
VOICEVOX:春日部つむぎ
まとめ📋
丁寧な言葉づかいは信頼の基本。正しい敬語と接客用語を身につける。
「いらっしゃいませ」「かしこまりました」など、基本の7つを自然に使えるようにする。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類。誰の動作かを意識して使い分ける。
おすすめメニューを積極的に提案し、顧客満足と売上向上につなげる。
顔が見えないためより丁寧に。明るい声とメモを準備しておく。
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