1章 食品衛生管理の基本
1. 食品衛生法の目的
人の健康を維持・増進するための「食」は、常に安全・安心なものでなければなりません。
「食品衛生法」は、飲食による健康被害を防止することを目的としており、食品等事業者はこれを遵守する必要があります。
飲食による衛生上の問題(食中毒や異物混入など)から国民の健康を守るための法律です。
食品の製造・加工・販売・提供などに関する様々なルールが規定されています。
2. 食中毒の発生状況
食中毒の多くは細菌やウイルス、寄生虫などの有害微生物が原因です。
アニサキスやカンピロバクターなどは、生の魚介類や加熱不足の鶏肉などを原因とすることが多く、比較的少人数で発症します。
一方、ノロウイルスやウエルシュ菌、サルモネラ属菌などは、感染力が強く、大量調理の食品で増殖しやすいため、比較的大人数で発症します。
食中毒だけでなく、食品への異物混入によるケガや、食物アレルギー対策も食品衛生における重要な課題です。

3. 食中毒予防の3原則
食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」は、衛生管理の基礎となる重要な考え方です。
・つけない
手洗いや器具の洗浄・消毒を徹底し、有害微生物を食品に付着させない。
ウイルス等を「持ち込まない」、「拡げない」ことが重要です。
・増やさない
食材を適切な温度で管理し、細菌が増殖する時間を与えない。
ウイルスは食品中では増えないため、この原則は適用されません。
・やっつける
中心部まで十分に加熱(75℃で1分以上など)し、有害微生物を死滅させる。
ノロウイルスは85~90℃で90秒間以上加熱、アニサキスなどは冷凍でも死滅します。
腸管出血性大腸菌(O157)やノロウイルスなどは、ごく少ない菌数やウイルス量でも食中毒を引き起こすことがあります。
そのため「つけない」対策が特に重要になります。
4. 5S活動による環境改善
5S活動は、職場環境の改善だけでなく衛生管理にも有効で、異物混入防止の基礎ともなる活動です。
<5S活動>
1.整理
不要なものを処分し、必要なものは個数を明確にする。
2.整頓
必要なものを使いやすい場所に定位置保管し、表示する。
3.清掃
ゴミや汚れを除去し、常にきれいな状態を保つ。
4.清潔
整理・整頓・清掃を維持し、誰が見てもきれいな状態にする。
5.習慣
決められたルールや手順を守る習慣をつける。
「整理」で菌の増殖場所を減らす、「整頓」で汚染された器具との接触を防ぐなど、5S活動は衛生レベルの向上に寄与します。
VOICEVOX:春日部つむぎ
まとめ📋
飲食による健康被害を防止し国民の健康を守るための法律で、全食品事業者が対象となる。
年間約1,000件発生し、主な原因は有害微生物。特にアニサキスやノロウイルスに注意する。
食中毒予防の基本は「つけない」「増やさない」「やっつける」である。
「整理・整頓・清掃・清潔・習慣」を徹底し、衛生的で働きやすい職場環境を維持する。
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