HOME

急速に進化しつづける「すし銚子丸」が新宿に都心型店舗を出店

作成者: 千葉 哲幸|Mar 18, 2026 9:44:04 AM

「すし銚子丸」の初の都心型店舗「すし銚子丸Shinjuku新宿サブナード店」が2月18日にオープンした。「すし銚子丸」を展開する㈱銚子丸(本社/千葉市美浜区、代表/石井憲)は1977年11月に設立し、以来、一都三県で店舗展開を行ってきた。主な出店立地は郊外ロードサイドであるが、93店舗目となる新宿サブナード店は、同社初の都心型店舗である。2月16日に同店で記者発表が行われて、アイキャッチの人物、同社代表取締役社長、石井憲氏が、新宿サブナード店をオープンした狙いなどについて解説してくれた。

 

回転すしからフルオーダーシステムに転換

「すし銚子丸」は千葉県で立ち上がった回転すしのブランドである。1号店は千葉県市川市のすし銚子丸市川店で、以来、千葉県から、東京都、埼玉県、神奈川県の主としてロードサイドで展開して、地元密着の運営を心掛けてきた。

 

「すし銚子丸」のコンセプトは「劇場型」というもの。店舗を「舞台」、そこで働く従業員を「劇団員」と位置付けている。「劇団員」は4役に分けられている。まずは「店長」の存在、副店長的な存在を「座長」、料理のスペシャリストを「料理長」、そして、ホールでお客様をおもてなしする存在を「女将さん」と呼ぶ。このように、働く人々の役割が明確になって、お客様をおもてなしし、お店に活気をもたらす仕組みをつくっている。

 

2023年3月上旬から、全店舗で順次、回転レーンを使用した商品の提供を終了し、タッチパネルを使用したフルオーダーシステム(全品注文制)に切り替えた。それとともに商品の価格にあわせた色皿による商品提供も廃止した。これらによってフードロスの削減や、鮮度維持を図っている。

 

今回出店した場所の「新宿サブナード」は、戦後、新宿が繁華街として急速の復興を遂げたことから、歩行者とクルマを分離する立体的な交通整理を目的に、1973年9月に地下街として開業した。2023年9月に開業50周年を迎え全館リニューアルを実施。現在はこの地下街の中に約90店舗が営業している。

「すし銚子丸」は回転ずしとして発展してきたが、現在ではタッチパネルによるフルオーダーとなっている

コンパクト店舗の中に効率的に客席を配置

今回、新宿サブナード店を出店した背景について、同社代表取締役社長の石井憲氏はこのように3つのポイントを挙げて語った。

 

「1つめは、都市型モデルへの進化です。これまで銚子丸は、郊外型のロードサイドに中心の店としてご支持をいただいてきました。しかしながら、お客様のライフスタイルの変化に伴って、『わざわざクルマで行くお店』から『日常の動線の中にあること』が重要であると考えるようになりました」

 

「2つめとして、新宿サブナードは、近隣で働くビジネスパーソン、ショッピングを楽しむ若者、そして昨今急増しているインバウンドの方々という具合に、非常に多様な方々が行き交う場所です。そこで、われわれが持つ、職人が目の前で握るクオリティを、より身近に感じてもらえる最高の舞台だと考えました」

 

「3つは、銚子丸ブランドの浸透を考えました。新宿サブナード店は、わが社の最新のオペレーションと、伝統の技を融合させた『旗艦店』の位置づけになっています。ここで銚子丸のファンになっていただき、郊外のご実家に帰ったときに、近くのロードサイドの店舗のご利用につなげたい」

 

新宿サブナード店は、「移動の途中の限られた時間の中で、本物のすしを味わっていただく、ということを狙いとしたすし店」(石井氏談)である。そのための工夫を随所に凝らしている。

 

まず、店舗規模は、52坪49席と、100坪を超えるロードサイド型店舗と比べてコンパクトであるが、職人に仕事をシューアップするコの字型のカウンター席に加え、特急レーンを設けたカウンター席を1列、その反対側にはテーブル席を設けている。このように、お客の利便性と利用動機に配慮しながら、効率的に客席を配置している。

 

さらに、「旬のこだわり」ということ。豊洲市場はじめ、毎朝各地から届く、旬の鮮魚を使用。中でも「千葉の『うまい』を新宿に!」とうたった「千葉めぐり」を開催。「金目鯛」(2カン、以下同)640円(税込)、「銚子つぶ貝」490円、「目光炙り」330円、「かます炙り」330円、「するめいか」330円をラインアップしている。米は、千葉県産のブランド米、多古米を使用している。

オープン記念キャンペーンメニューとして「本まぐろづくし」1760円(税込)をラインアップしている

コロナがあける気配の2023年初頭から動き出す

銚子丸は、コロナがあける気配を見せてきた2023年以降より大きく動いている。

前述したが、2023年3月上旬から4月下旬にかけて、全店で回転レーンを使用した商品の提供を終了し、タッチパネルを使用したフルオーダーシステムに切り替えた。

 

さらに2023年11月、銚子丸のアプリ会員は「縁アプリ」という名称の銚子丸のアプリ会員制度を導入したことを初めてリリースし、それ以降段階的にバージョンアップしていった。現在の機能は、このようになっている。

 

・店舗の最新情報やキャンペーン情報が確認できる。

・「お気に入り店舗」を登録できる。これによって、「待ち時間」などが確認できる。

・店舗ごとの「限定メニュー」「一押しメニュー」が確認できる。

・店舗での利用金額等から算出される「縁」の蓄積数によって「縁ランク」がアップ。ランクが上がることで、ポイント付与率が上がっていく。これによってさまざまな特典を受けたり、食事券はノベルティグッズと交換することが出来る。

・アプリによってテーブル決済が出来る。

59坪49席というコンパクトな店舗で、これからの都心展開のモデル店舗として位置付けられている

これらの機能から察するに、「縁アプリ」を所有する顧客にとって、銚子丸の存在感はとても親密なものと言えるであろう。

現在(2026年1月末)の「縁アプリ」の会員数は70万人を超え。アプリ会員は、揺るぎないファンである。

 

また、同社のすべての店舗に、マグロを解体できる職人が存在しているということから、昨年11月1日に「マグロの解体ショー」を71店舗が参加して同時会開催し「ギネス世界記録」に認定された。これによって、社内の求心力は高まったことであろう。

そして、15年ぶりのテレビCMを放映して、「すし銚子丸」の認知を広げた。

 

このように銚子丸は進化をし続けている。新宿サブナード店は、都心型で店舗展開していく上での旗艦店として位置付けられていくであろう。隣に世界一のにぎわいを見せる歓楽街「歌舞伎町」があることから、銚子丸のこれからの事業を育成していく上で、大きく役立っていくことであろう。

店内で調理している「玉子焼き」は「すし銚子丸」の定番で、都心型店舗でも受け継がれている