飲食店を12ブランド80店舗展開するDineVita Group株式会社(本社/東京都中央区、代表/田中裕真)では、3月23日、東京・渋谷に「沖縄料理 琉歌 ゆいゆいさ~」をオープンした。同社は2007年の創業で、沖縄料理店からはじまっている。「琉歌」のブランドは渋谷の店舗で5店舗目となり、創業の業態であることから、同社としても主要なブランドとして育てていく意向だ。
アイキャッチの右側が代表取締役社長の田中裕真氏、左側がマネージャーの伊藤雄基氏である。伊藤氏は、この業態の1号店でアルバイトとして入社し、同社の幹部として育った人物。このような経緯から、同ブランドが多店舗展開していることに格別な想いがある。
ちなみに「琉歌(りゅうか)」とは、沖縄・奄美地方で古くから親しまれる、八・八・八・六(サンパチロク)の音数で構成される定型詩のこと。三線(さんしん)の伴奏に乗せて歌われることが多く、日常生活、恋、祝い事などを詠む、沖縄の文化や歴史を色濃く反映した伝統的な詩歌・民謡である。このことを店名としていることから、店内のBGMは緩やかで素朴な三振の音が流れている。沖縄の木蔭で食事を楽しんでいるような雰囲気を演出している。
17坪25席と効率よく客席を配置。オリジナルの絵が飾られて「沖縄」の雰囲気を醸し出している
また「ゆいゆいさ~」とは、沖縄の言葉で「助け合い」や「人とのつながり」を意味する「ゆい」に由来しており、またこの店舗に携わっている3人の責任者の頭文字を重ね合わせて名づけている。企業経営による店舗であるが、「人間味」が感じられる。
メニューの特徴を挙げると、まず、沖縄料理の惣菜を少量ずつ多品種設けて「おばんざい」として提供していること。グループ単位の人数や、食事の動機に対応して「3種、968円」「5種、1408円」「7種、1848円」をラインアップしている。これらの組み合わせは、お客の好みで選ぶことが出来る。
営業時間は、月曜日から木曜日までは16時から23時30分まで営業。金曜日と祝前日は翌4時まで営業。土曜日は11時30分から翌4時まで営業している。土曜日や祝前日のランチタイムにも対応できるよう、食事メニューを豊富にラインアップ。沖縄料理の「ラフテーチャーハン」748円、「沖縄そば」913円、「ソーキそば」913円、「石焼タコライス」935円と、注文しやすい価格で構成している。
「琉歌」の既存店は客単価3500円となっているが、この渋谷店の場合は、渋谷の若い客層が、より気軽に来店できるように3300円を想定している。「2名での来店」を想定していて、客席構成から、料理の盛り付けに至るまで、この利用パターンを想定して設計している。「琉歌」は1号店以来、料理のクオリティを大切にしていて、渋谷店では同じエリアで、同じような客層を想定した店舗と差別化できるものと想定している。
沖縄料理の専門店として泡盛のアイテムを充実させ、入口近くの目立つ場所に瓶を並べている
■「沖縄料理 琉歌 ゆいゆいさ~」の代表的なメニュー
泡盛カクテル 各種 715円~(価格は税込、以下同)
沖縄の酒「泡盛」をベースにしたオリジナルカクテル。さまざまなリキュールと泡盛を組み合わせて、グラスの中で彩り豊かに表現した。
おばんざい 7種 1848円
沖縄料理の定番の惣菜を「おばんざい」としてメニュー化。「人参しりしり」「島豆腐」「海ぶどう」「もずく酢」など、沖縄ならではの味わいを少しずつ楽しむことが出来る。
出汁巻きたまご 935円
ふんわりと焼き上げた出汁巻きたまごを、香り豊かな沖縄そばの出汁にくぐらせて仕上げた、出汁の旨みをしっかりと味わうことが出来る。
ラフテー 1個 418円
ゴーヤチャンプルー 715円
べにいモンブラン 825円
沖縄産の紅イモをふんだんに使ったモンブラン。鮮やかな紫色と優しい甘味、そして滑らかなくちどけを楽しむことが出来る。「沖縄」を感じるデザート。
DineVita Groupは、12ブランドを擁していることを前述したが、客単価1000円のラーメン業態「らぁ麺 たから田」から、客単価1万8000円のすき焼き店「SUKIYAKI 六松」まで、多種多様な業態で構成されている。
また、FC事業にも取り組んでいる。このブランドと店舗数は、「やきとん 筑前屋」(直営16店舗、FC9店舗)、ハンバーグ・ステーキの「肉のはせ川」(直営7店舗、FC3店舗)、「炭火焼き鳥 鶏ジロー」(直営3店舗、FC22店舗)、「渋谷カオマンガイ」(直営1店舗)を擁している。居抜き物件を活用して投資額を低く抑え、早く回収できることを特徴としている。
さらに2022年、埼玉県・所沢にセントラルキッチンを開設。ここでは通常の20倍の速さで急速冷凍する「凍眠」(株式会社テクニカンが開発)を6台設置し、食品の鮮度を落とすことなく、冷凍加工食品製造を可能にした。ここでは、メニュー開発のためのテストキッチンスペースも設けていて、クオリティを均質化し、安全衛生管理を集約している。
ちなみに「凍眠」の技術とは、このようになっている。
通常の急速冷凍は「冷たい空気」で凍らせるが、「凍眠」は30度の食品添加物(アルコール)で凍らせる装置。液体は気体よりも熱伝導率が高く、通常の冷凍よりも約20倍の速さで冷凍が出来る。
通常の冷凍の場合、食品の細胞内に含まれる水分等が大きく膨らみ、氷結晶が細胞膜を破壊してしまう。そして、破れた細胞膜から「ドリップ」と言われる旨味成分や栄養素が流れ出て、食品の品質の劣化や冷凍焼けを原因となる。
しかしながら「凍眠」の場合は、氷結晶の膨張率が少なく、食材のダメージが少ない。そして解凍後の再現性が高い(=味が落ちにくい)という特徴がある。
沖縄料理店の話題から、同社のセントラルキッチンに及んだが、「沖縄料理 琉歌 ゆいゆいさ~」は、このような背景を持った外食企業が出店したものとして紹介した。
このような企業の基盤が、多ブランド展開を可能にしていると言えるのではないだろうか。