愛媛県今治市内の飲食店で、ヒラメの刺身を原因とする食中毒が発生したことが27日、県より発表された。
今治保健所によると、1月25日に同店を利用した25名のうち12名が、嘔吐や下痢などの症状を訴えた。 患者からクドア・セプテンプンクタータ(以下、クドア)が検出されたこと、患者の症状がクドアによる食中毒の特徴と一致することから、ヒラメの刺身による食中毒と断定された。
クドアは魚類に寄生する寄生虫で、ヒラメにも感染することが知られている。冷凍(-20℃で4時間以上)または加熱(75℃で5分以上)により死滅するが、生食する場合には注意が必要だ。
今回の事例では、原因となったヒラメは既に廃棄されており、飲食店の衛生管理に問題はなかったため、行政処分は行われていない。
県は、飲食店関係者に対し、食材の適切な管理と調理の徹底を呼びかけている。
ヒラメは、白身で淡白な味わいが人気の高級魚であり、刺身や寿司など生食されることも多い。 しかし、今回の食中毒発生事例のように、クドアによる食中毒のリスクが潜んでいることを忘れてはならない。
飲食店においては、仕入れ時の鮮度確認、適切な保存、調理前の十分な洗浄など、食材の取り扱いには細心の注意を払う必要がある。 また、消費者も、生魚を食べる際には、信頼できる店で提供されたものを選ぶなど、食中毒予防を心がけることが重要だ。