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繁盛店を生み出す出店基準とFC・本部支援体制|「立地と収益性のバランス」を極める「焼肉こじま」児島雄太社長インタビュー

作成者: 豊嶋楓果|Oct 30, 2026, 2:55:43 AM

「初期投資を抑えた出店では繁盛店になるまで時間がかかるが、一等地出店へシフトすべきか迷っている」「FC展開を始めたものの、店舗ごとのQSCや理念の統一に悩んでいる」「現場が手一杯で店舗拡大に向けた本部体制が構築できない」——こうした課題を抱える飲食店経営者や店舗開発担当者は少なくありません。

今回インタビューした「焼肉こじま」は、 「焼肉こじま 離れ 池袋店」で月商1,500万円を達成し、2026年8月には「焼肉こじま 離れ 新宿西口店」を新たにオープン。現在全国25店舗を展開し、年内26店舗および2027年のタイ進出を見据えて急成長を続けています。

本記事では代表の児島雄太氏に、ロードサイドから一等地へと切り替えた出店戦略、ブランド価値を守る厳格なFC加盟基準、現場を疲弊させない本部主導の管理体制、そして過去の経験を生かした海外展開のリアルを伺いました。

立地と収益性のバランスを重視!「一等地の外れ」×家賃比率10%以下で利益を残す出店戦略  

「2025年までは、初期投資を抑えて出店リスクを低減できるロードサイドを中心に出店を行っていましたが、出店の方向性を大きく切り替えました」と児島代表は語ります。

これらの一等地出店へシフトした最大の理由は、客数と売上の到達スピードです。従来のロードサイド出店について、児島代表は当時をこう振り返ります。

「僕らがこれまで出してきた南大阪のようなロードサイドだと、初期投資は抑えられますが、月商1,000万円に届かせるにはかなり時間がかかりますし、ハードルもめちゃくちゃ高いんですよ。どうしても目的来店に絞られてしまいますから」

その新しい方向性を象徴する店舗が、2026年8月29日にオープンした「焼肉こじま 離れ 新宿西口店」です。同店は59席を備え、乗降客数世界一を誇る新宿駅至近という好立地に位置しています。また、同様の出店戦略に基づいて先行展開されている「焼肉こじま 離れ 池袋店も、同規模の席数と高い集客力を持つ繁華街エリアで順調に実績を伸ばしています。

一方、同社では一等地への出店を強化しているものの、決して一等地そのものに固執しているわけではありません。何よりも重視しているのは「立地と収益性のバランス」です。

出店にあたっては家賃比率10%以下を基準として設定していますが、立地と賃料のバランスを徹底的に追求した結果、実際には家賃比率5%前後に抑えられている店舗が多く存在します。あえて一等地などを避け、中心部から少しずらした賃料の安い立地を選ぶことで抑えた家賃分を、お肉の品質向上やお客様への価値提供に投じ、高い満足度と高利益率を両立させています。

焼肉店という業態自体が目的来店を見込みやすいことに加え、「焼肉こじま」には他店と一線を画す強い業態力があります。肉屋も通う名物のハラミや炊きたての土鍋銀シャリ、ランチで長蛇の列を作るハンバーグといった強い看板商品。さらにSNS累計6,000万回再生を誇るプロモーション力、そして、徹底された教育制度によって磨かれた接客力の3つが噛み合うことで、駅から徒歩10分ほど離れた梅田店でも月商1,000万円を切らない実績を確立しています。

焼肉こじまの看板商品の数々。夜営業だけでなく昼営業でも人気商品が売り上げを支える。

さらに、一等地出店はリスクヘッジの面でも有効です。万が一売上が低迷した場合でも、繁華街一等地であればQSC(品質・サービス・清潔さ)の高い他のFCオーナーや本部が物件を買い取りやすく、撤退リスクを抑えることができます。

 

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覚悟のある飲食経験者のみと組む「焼肉こじま」のFC展開とブランド価値を守る厳格な加盟基準  

新宿西口店と池袋店は、いずれもFC店舗です。現在、同社はFC展開に注力しており、児島代表自身がFCセミナーに登壇するほか、加盟希望者を募るためにSNSで直接発信を行っています。

数々のFC店舗を繁盛店に導いてきた児島代表が「FC展開で最も重要」と断言するのが、パートナー選びです。「焼肉こじまで事業を成功させたい」「繁盛店を一緒に作っていく」という強い情熱や覚悟が感じられない応募者はお断りしています。

同じ熱量を持つ同志を集めるため、同社ではパートナーの選定基準を明確に定めています。何よりも重視しているのは「飲食経験」「経営への強い覚悟」、そして何より「焼肉こじまの理念に共感していただけるか」という点です。

そのこだわりについて、児島代表は力強く語ります。

「ただ加盟店数を増やすこと自体が目的ではありません。大切なのは『焼肉こじま』の理念に共感し、二人三脚で一緒に繁盛店をつくっていけるパートナーと成長していくことです。それに、もともと焼肉業態の経験があるパートナーなら現場オペレーションも分かっているので、立ち上げもスムーズで結果が出やすいんですよ」

飲食店経営の経験者であり、さらに仕入れや調理・QSC管理などの現場を熟知した焼肉業態の経験者であれば、オペレーションの理解が早く即戦力として立ち上げられる大きなメリットがあります。理念への深い共感と現場を知るプロの知見が噛み合うことで、立ち上げ期から高い再現性をもって確実な結果へと繋げることができます。

また、同社では出店に必要な投資額や想定される事業リスクを事前に正しく伝える姿勢を重視しています。坪単価約150万円、20坪で3,000万〜5,000万円程度という現実的な投資規模を十分に理解し納得してもらった上で、理念に共感し、二人三脚で一緒に繁盛店をつくっていけるパートナーを選ぶためです。

しかし、FC展開を進める上では特有の難しさも存在します。資金不足によるお断り事例はもちろんのこと、メリットであるはずの「焼肉業態の経験者」であるがゆえに、過去に自分が培ってきた別の管理方法や自己流のやり方に固執し、本部のマニュアルを守らないという摩擦が生まれてしまう側面もあります。

こうした統一性の乱れやオペレーション無視という課題に対し、児島代表は「本部の威厳と実績が重要」だと考えています。本部自体が繁華街で店舗を成功させ続け、業態力やPR力を磨き続けなければ、加盟店に対して統一されたブランド管理を行うことはできません。妥協のないパートナー選定と本部の進化によって、すべての店舗が同じ熱量で成長を続けています。

現場を接客に100%集中させる「焼肉こじま」の本部主導マーケティングと数値による店舗管理体制

同社において、本部は加盟店を「管理」するための組織ではなく、「加盟店の成功を支援する組織」として機能しています。

店舗数が増えるにつれて、現場のスタッフに販促や広報、店舗管理などの負担まで背負わせると、QSC(品質・サービス・清潔さ)や接客の質が低下してしまいます。だからこそ「焼肉こじま」では、集客・採用・教育・数値管理といったバックオフィス機能を本部が主導して支援し、現場が目の前のお客様への価値提供だけに100%集中できる環境をつくり上げています。

店舗で働くスタッフが目の前のお客様を喜ばせることだけに注力できるよう、集客にかかわるSNS運用や広報業務はすべて本部が担当しています。また、組織づくりとして広報以外の本部機能も整えられており、現在はSV1人あたり約5店舗を担当する体制を構築しています。現状はSVが本部の他業務を兼任している状態ですが、SV業務に専念できる環境であれば1人あたり10店舗まで管轄可能であると児島代表は考えています。

今後のSV体制のあり方について、児島代表は店舗の経営状況に応じた柔軟な運用を見据えています。

「SVの担当店舗数は、一律で固定するつもりはありません。安定している店舗なら月1回の臨店と週1回の会議でサポートできますが、課題のある店舗や新規オープン店だと、現場に入り続けないといけないですからね。 そういった店舗がある場合は、SV1人あたりの担当を2〜3店舗に絞って1〜2週間常駐して集中指導するような、柔軟な体制にしていきたいと考えています」

現場のフェーズや課題に合わせてSVのリソースを最適な形で集中投下することで、店舗の立ち上げや業績改善を確実にバックアップしていく方針です。

アルバイト主導で実施する「店舗前ミーティング」や、3ヶ月に1回実施されるお客様アンケートに基づくMVP表彰など、現場のモチベーションを高める取り組みを継続しています。さらに今後は、組織の一体感を高める取り組みとして全社規模での「社内アワード」の開催も視野に入れています。

児島社長自らアルバイトリーダーに向けた講演会を実施している。

店舗管理の側面では、店舗ごとの収益性を何より重視した数値管理を行っています。例えば「原価38%・人件費24%・家賃5%(FLRコスト合計67%)」といった指標も、あくまで収益モデルの一例にすぎません。FLRの枠組みだけに捉われることなく、水道光熱費や諸経費なども含めた全体のコスト構造を精査し、それぞれの立地や店舗特性に応じて確実に利益が残るよう本部が伴走しながらサポートしています。

さらに、アルバイトのミーティング参加率なども数値で把握・追跡しています。本部が裏側の構造づくりと強力な支援を徹底することで、現場スタッフが安心してお客様対応に専念できる環境が守られています。

2027年タイ進出へ!1度目の海外進出から学んだ「焼肉文化が広く根付いた市場」で挑む海外FC戦略

進化を続ける同社は、2027年にタイ進出を決定しており、これを切り口として再び海外展開に挑戦します。

児島代表にとって海外進出はこれが2度目となります。1度目の経験について、児島代表はこう振り返ります。

「1回目はフィリピンのマニラではなく、ダバオという少しローカルな場所に出店したんです。だから『焼肉とは何か』という文化を伝えるところからのスタートになってしまって、とにかく難しかったんですよね。文化から教えるとなるとハードルが全然違いますから、それなら最初から焼肉文化が根付いている国に行った方がはるかに展開しやすいと学びました」

その実体験と教訓を生かし、2度目となる今回の挑戦では、すでに焼肉文化が広く根付き市場が成熟しているタイを選定しました。

海外出店においても、重要となるのはパートナー選びです。フィリピン出店時の経験から、日本の自社スタッフのみを現地に送り込む直営方式は、文化、習慣、宗教、現地スタッフ教育の違いから極めて困難であると痛感しました。

海外進出を成功させる鍵は、「現地の市場や文化を知り尽くした優良な飲食プロ企業とのFC連携」です。単なる資本力の大きさなどで選ぶのではなく、現地で実績を持ち、「焼肉こじま」の理念に深く共感して同じ熱量でともにブランドを育てていけるパートナーと組むことが不可欠だと語ります。

同社が見据える未来は、2027年のタイ進出だけにとどまりません。その先には「2030年に100店舗」「2050年に1,000店舗」という壮大なスケールのロードマップを描いています。

しかし、児島代表が目指しているのは単なる規模の拡大や数値の達成ではありません。

「ただ店舗数を増やしたいわけではないんです。僕たちが目指しているのは、飲食業を『憧れの職業』に変えること。そして、世界一の焼肉企業になることです。僕が何より大切にしているのは『売上は価値、利益は工夫』という考え方です。売上はどれだけお客様に価値を提供できたか。利益はどれだけ工夫できたか。これらの思いを大切にしながら、これからも挑戦を続けていきたいですね 」

「加盟店とともに繁盛店をつくる」という覚悟を軸に、同じ熱量を持つパートナーとともに世界へ挑む「焼肉こじま」。明確な出店戦略、妥協のない本部支援、そして業界の未来を変えるという熱い想いに裏打ちされた同ブランドの挑戦から、今後も目が離せません。

「焼肉こじま 羽曳野本店」