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BRISK STANDが東京ミズマチに出店。添田氏が語るこれからの店舗展開戦略

作成者: 豊嶋楓果|Aug 29, 2026, 6:21:04 AM

 全国28店舗(直営9店舗・FC19店舗)を展開し、今大きな注目を集めるグルメバーガーブランド「BRISK STAND」。神戸の創業者から継承したこのブランドは、代表取締役の添田有吾氏のもと「和食にかぶりつけ」という独自コンセプトを掲げ、多くのファンに愛されてきました。今回は、待望の新店「東京ミズマチ店」における出店の経緯やターゲット層の分析、ニーズの見極めから、店舗展開・FC化の秘訣、そして今後の展望まで詳しくお話を伺いました。  

東京ミズマチ出店に見る「BRISK STAND」の出店戦略  

 観光地・ミズマチへの出店経緯と添田氏の「出店判断基準」

8月29日にオープンする「BRISK STAND 東京ミズマチ店」は直営店舗としての出店です。店舗は25坪。店内34席に加えテラス12席(最大46席)を備えたゆとりのある空間を実現しています。想定客単価は両店とも約2,000円とのことです。

 

東京ミズマチは、浅草とスカイツリーという二大観光スポットをつなぐ商業施設。こうした観光地の好立地は、そもそも物件を確保すること自体が容易ではありません。今回の物件情報は一般的な不動産業者経由ではなく、添田氏が手掛ける別事業(居酒屋経営や広告代理店業)のつながりから、ミズマチを運営する東武グループと親交があったことがきっかけだったそうです。

 

「東武グループさんと仲良くさせていただいている中で、最初は東京ソラマチのお話もあったんです。ただ、なかなか区画が空かないうえ、既存のお店と競合するなど、いろいろな条件も重なって。そんなときに『ミズマチなら1区画空きそうだ』というお話をいただいた、という流れですね」

 

また、添田氏の出店判断基準として、店舗サイズは15〜25坪程度を推奨としつつ、数値の条件以上に重視しているのは「ターゲット層が確実に取れるエリアかどうか」だといいます。

 

「うちのターゲットは観光の方や、週末にお買い物へ出かける方なので出店するエリアも、『そのターゲット層が確実に取れるから出店する。』という考え方ですね」

 ターゲット層のリサーチで見えた潜在ニーズの発見と新メニュー・モーニングへの挑戦 

通常の出店時には他店のリサーチや街の歩き込みを行うそうですが、ミズマチに関しては、添田氏自身が約20年暮らしてきた街。長年の実体験がそのまま確かなリサーチデータになっています。

 

「場所的に観光客が多くて、地元の方もすごく多いんです。浅草に来た方、スカイツリーに来た方──そもそも東京ミズマチ自体が浅草とスカイツリーをつなぐ商業施設なので、観光客やインバウンドの方々、そして地元で生活されている方々がターゲット層になっています」

 

そのうえで、ミズマチ店ではブランド初となる「モーニングメニュー」を導入しました。きっかけは、長年この街に住んでいるからこそ気づけた潜在ニーズだったといいます。

 

「この辺り、モーニングができる場所が実はあまりないんです。でも、スカイツリーの影響もあってインバウンドの方が多く宿泊されていて、周辺の民泊施設も増えています。押上に数店舗あるモーニング営業のカフェも漏れなく満席状態なんです。それに加えて、朝の時間帯は地元の方が散歩されている姿もよく目にしていました。そうしたインバウンドの朝食需要はもちろん、地元の方々がすす散歩のついでにふらっと寄れる場所をつくりたいと思い、自分が店舗を出すときは絶対にモーニングをやろうと決めていました」

 

注目したいのは、モーニングのために新たな食材を仕入れるのではなく、既存の食材を生かしてメニューを構成している点です。看板の無添加・全粒粉入りバンズを使い、通常は食パンやマフィンで作る「エッグベネディクト」をバンズで提供するほか、「スクランブルエッグとベーコンのモーニングプレート」、具材を朝向けに軽くした「モーニングバーガー」などをラインナップ。既存食材の活用でコストを抑えながら、ブランドらしさのある朝メニューを実現しています。

グルメバーガーの認知向上から世界へ──「BRISK STAND」が挑む店舗展開と日常食化  

「グルメバーガーの認知を上げたい」──継承から店舗展開へ

添田氏は神戸でこのハンバーガーに出会った際、「もっとたくさんの人にこの味を届けたい」という想いが芽生え、創業者からブランドを継承しました。その想いを実現するには、認知度の向上と、実際に食べに行ける店舗数の両方が必要──これが、積極的なPR活動とスピード感ある店舗展開の原点です。

そしてメディア露出やコラボレーションに積極的な理由について、添田氏は自社の認知度向上にとどまらない狙いを語ります。

 

「もちろんBRISK STANDとしての認知度を上げたいのもありますが、もう一つの理由として、『グルメバーガー』というもの自体の認知をもっと上げて、業界全体を盛り上げていかないと厳しいと思っているんです。ハンバーガーにはどうしても安いイメージがあって、『なんでハンバーガーが2,000円なの?』と言われることもある。ファストフードという印象を払拭して、うなぎや天丼のような料理のカテゴリーの一つとして食べてもらえるようにするには、もっとグルメバーガーの認知を上げなきゃいけない。そういう使命感を持っています」

「特別食」から「日常食」へ──目標数値と新たな挑戦

国内の出店目標は、年内30店舗(すでに確定済み)、そして来年中に50店舗。この数字を積み上げる先に添田氏が見据えるのは、グルメバーガーを「特別な日の食事」から「日常の選択肢」へと変えていくことです。ミズマチ店のモーニングも、その戦略の一手だといいます。

 

「モーニングなら1,000円くらいなので、週に2回来てくださる方もいると思うんです。でも昼のハンバーガーが2,000円だと、週2回はなかなか来ない。だから、来やすい価格帯やメニューにも今後チャレンジしていきたい。ブランチでフレンチトーストとコーヒーを楽しんでいただいて、たまにハンバーガーも食べてもらう。そういうかたちもやっていきたいですね」

 

「日本の商業施設のレストラン街って、お蕎麦、イタリアン、中華と、業種が被らないですよね。その中にちゃんと『グルメバーガー』が入るようになってくれたらうれしいなと思っています」

 

さらに国内での日常食化・定着に向けて、時間帯の拡張も視野に入れています。日本では夜にハンバーガーが売れにくいという課題がありますが、そのヒントになっているのが羽田空港店の事例です。

 

「夜までハンバーガーショップをやって売れるのは海外だけで、日本人は夜にハンバーガーを食べないんです。ただ、羽田空港店はお酒ブランドのフランチャイズオーナーさんが運営されていて、昼はBRISK STAND、夜はバーの雰囲気を強めてお酒を提供している。これがすごく売上を上げているんですよ」

 

商業施設への出店が増えれば朝から夜までの営業が求められるため、アルコール業態の導入など、時間帯に応じた柔軟な挑戦も今後の構想にあるそうです。

 ドバイから始まる海外進出──現地調査で見えた日常食化への手応え 

そうした国内での挑戦の一方で、ハンバーガーが日本よりもはるかに日常化している市場への進出も始まっています。海外初出店の地として選んだのはドバイ。現地に長年の付き合いがある知人がおり、現地パートナーが「マスターフランチャイズ」として展開する形態をとります。

 

マスターフランチャイズとは、本部に代わってその国・地域でのFC展開権を持ち、現地での多店舗展開を担う方式のこと。つまりドバイ1店舗にとどまらず、現地パートナー主導でエリア内に店舗網を広げていく前提の座組みです。初の海外進出だからこそ慎重に、現在は現地パートナーと出店計画のすり合わせを重ねている段階だそうです。

 

現地調査では、マーケットや物件を見て回るだけでなく、大手チェーンから個人店まで30店舗以上のハンバーガーショップを実食調査。その現地調査の様子について、添田氏は次のように語ります。

 

「毎食ハンバーガーだったんですよ。ハンバーガーは好きですけど、途中から見ると憂鬱になるような(笑)。でも本当に勉強になりましたね。ハンバーガーに関して言うと、日本と世界では差がありすぎると思っていて。世界のほうが日常的に食べられているんです。だから日本と違って、サクッと食べられるように作られている。そこが大きく違いを感じた点です」

 

「日本のグルメバーガーは、覚悟とまでは言わないですけど(笑)、お腹を空かせた状態で来ないと、というくらい、まだ特別食だと思うんです」

 

市場の違いは、デリバリー需要にも表れていたといいます。

 

「ドバイで一番違いを感じたのは、ほとんどの店舗でイートインよりデリバリーの売上のほうが高いこと。理由は暑すぎるからです。50度近くになる日もあるそうで。日本は自転車での配達が多いですが、向こうは全部バイク。街はデリバリーバイクだらけでしたね」

 

また、ドバイに続く展開先としては、韓国とインドネシアから、現地パートナーによるマスターフランチャイズでの出店に関心が寄せられており、具体的な話が進んでいるとのことです。

 

 

「ターゲットが確実に取れるエリアだから出す」という明快な出店判断、直営で指標をつくってからのFC化、毎日の焼き動画チェックによる遠隔の品質管理──添田氏の店舗展開は、想いのスピード感と仕組みの堅実さを両立させている点が特徴的でした。そしてその先に見据えるのは、グルメバーガーが日常の選択肢として定着する未来です。その新たな一歩となる東京ミズマチ店は、2026年8月29日(土)にオープン。浅草・スカイツリーエリアを訪れる際には、モーニングから「和食にかぶりつく」体験をしてみてはいかがでしょうか。