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飲食店の清掃業者はどう選ぶ?後悔しないための費用相場と依頼前の確認ポイント

作成者: 佐野 美涼|Jul 6, 2026 11:00:00 AM

「そろそろ業者に頼みたいけど、どこがいいかわからない」「費用が業者によってバラバラすぎて比べられない

飲食店の清掃は、スタッフの日常清掃だけでは追いつかない部分が必ずあります。厨房の天井油汚れ、排水溝の詰まり、エアコンのカビ——見て見ぬふりをするほど後で痛い目を見る箇所ばかりです。

この記事では、費用相場・選び方のポイント・やってしまいがちな失敗まで、飲食店経営者が業者を選ぶときに「本当に知りたい情報」を整理しました。

飲食店の清掃、どこから業者に頼めばいい?

まず整理したいのが「日常清掃でカバーできる範囲」と「業者に任せた方がいい範囲」の線引きです。スタッフで回せる清掃を外注しても費用の無駄になるし、逆にプロに任せるべき箇所を放置するとリスクになります。

スタッフでカバーできる範囲(日常・週次)

  • 客席・テーブル・床の拭き掃除
  • グリスフィルターの取り外し洗浄(週12回が目安)
  • 冷蔵庫・冷凍庫の庫内清掃
  • トイレ・洗面台の日常清掃

業者に任せた方がいい範囲(定期・スポット)

  • 排気ダクト内部・厨房フード(油が固まる前に定期的に)
  • 排水溝・グリストラップの高圧洗浄
  • 業務用エアコンの分解洗浄
  • 床のワックスがけ・剥離洗浄
  • 居抜き物件の引き渡し後・開業前の全体清掃

業者への依頼は「汚れが目立ってきたら」ではなく、「問題になる前に」というサイクルを作ることが、長期的なコスト削減につながります。

実は義務がある?ダクト清掃と消防法の関係

「清掃は任意でしょ」と思っている経営者も多いですが、ダクト清掃については法的根拠があります。知らずにいると消防署の立入検査や最悪の場合に営業停止リスクまで出てきます。

 

消防法・火災予防条例による清掃義務

東京消防庁のガイドラインでは、排気ダクト内部の点検・清掃は「概ね年1回」が目安とされています。さらに焼肉店や中華料理店など油煙が多い業態では、36ヶ月ごとの清掃が推奨されるケースもあります。

清掃記録は「証拠」になる

消防署の立入検査時に清掃記録の提示を求められるケースがあります。「ちゃんとやっていた」を証明するために、業者から清掃証明書や作業記録をもらい、紙・デジタルの両方で3年分は保管しておくことを推奨します。

費用の目安はどのくらい?箇所別の相場一覧

 清掃費用は「店舗の広さ」「汚れの程度」「設備の状態」「依頼する作業範囲」の4つによって大きく変わります。以下の金額はあくまで目安であり、同じ業者でも条件次第で倍近く変わることがあります。見積もりを取る前の参考として把握しておいてください 

清掃箇所

費用の目安

補足

厨房全体クリーニング

25,000〜80,000円

汚れが酷い場合はさらに上がる

ダクト・厨房フード

30,000〜100,000円

ダクト内部まで清掃する場合

排水溝・グリストラップ

15,000〜40,000円

詰まり・臭いの程度による

床(フロア)清掃

12,000〜50,000円

剥離洗浄・ワックスがけは別途

業務用エアコン(分解洗浄)

35,000〜50,000円/台

取り付けタイプによって差が出る

壁掛けエアコン

12,000〜30,000円/台

家庭用に近いサイズの場合

ガラス・サッシ

3,000〜10,000円

内外・高所作業の有無による

 

店舗規模でみると、10坪未満で25,00080,000円、30坪超で150,000500,000円が現在の主流相場です(2025年調査)。また関東・関西などエリア差があり、同規模でも約20%前後の価格差が出るケースもあります。

 

見積もりに含まれていないことがある「追加費用」

見積もり金額だけで比較すると、後から費用が膨らむことがあります。以下は事前に確認しておきたい項目です。

  • 深夜・早朝作業の割増料金(業者によって設定が異なる)

  • スタッフの交通費・駐車場代(発注者負担の場合がある)

  • 産業廃棄物処理費(汚泥・廃液など)

  • 汚れがひどい場合の追加工賃 

居抜き物件、開業前、定期清掃——場面ごとに何をすべき?

清掃業者への依頼は「退去・原状回復のタイミング」だけではありません。飲食店運営において清掃が必要になる場面は複数あります。

清掃の種類と使い分け

種類

タイミング

目的

特徴

開業前清掃

新規開業・リニューアル直前

施工後のホコリや汚れを除去してスタートを清潔に

一度きりのスポット依頼

居抜き清掃

居抜き物件の入居後・開業前

前テナントの見えない汚れ・臭い・害虫リスクをリセット

特に厨房・ダクト・排水が重要

定期清掃

営業中・継続的に

衛生管理の安定・緊急対応コストの削減

月次・季節ごとなど頻度を設定

スポット清掃

汚れが気になったとき・退去前など

特定箇所の集中的なクリーニング

単発依頼。定期清掃の前に試すのにも向く

自分の店舗がどのタイミングに近いかを確認した上で、必要な作業範囲を業者に伝えると見積もりがスムーズになります。

居抜き物件を借りたとき;前テナントの「見えない汚れ」に注意

居抜き物件は設備がそのまま使えるコスト面のメリットがある一方、前テナントの汚れがそのまま残っているケースが多いです。

特に排水溝・グリストラップ・ダクト内部・エアコン内部は、外見からはわからない汚れや臭いが蓄積していることがあります。開業後に「異臭がする」「害虫が出た」と発覚するケースは少なくなく、オープン準備の遅れや集客への悪影響につながります。

居抜き物件は、契約前に清掃状況を確認し、引き渡し後・開業前の段階でプロの仕上げ清掃を入れるのが基本です。

開業直前の仕上げ清掃;施工後のホコリや接着剤汚れ

新規開業・リニューアル後は、内装工事中に発生したホコリや接着剤汚れが残っています。オープン当日に清潔な状態でスタートするためにも、工事完了後・開業直前のタイミングでの全体清掃は入れておきましょう。

営業中の定期清掃;衛生管理の安定とコスト削減

定期清掃を導入するメリットは「清潔を保てる」だけではありません。緊急で詰まり対応や害虫駆除を呼ぶよりも、定期メンテナンスで未然に防ぐ方がトータルコストは安くなるケースが多いです。また、スタッフの清掃負担が減り、本来業務への集中にもつながります。

多店舗展開している場合;品質と費用を統一管理したい

複数店舗を運営していると、店ごとに別々の清掃業者を使うと品質のバラツキと管理の手間が増えます。飲食店に特化した業者と一括契約することで、品質基準の統一・コストの安定・本部側の管理負担軽減につながります。

失敗しないために——清掃業者選びでやってしまいがちなミス

 

失敗①「安さだけ」で選んで作業が雑だった

見積もりが安い業者が必ずしも問題とは言えませんが、作業範囲が狭く設定されていたり、洗剤の使い方が雑で設備に傷がついたりするケースがあります。「何をどこまでやるか」を書面で明確にしないまま発注するのが最大の原因です。

失敗② 飲食店・厨房の実績がない業者に任せた

一般清掃業者が厨房を担当すると、油汚れへの対処法や食品衛生上の注意点の知識が不足していることがあります。「清掃業者ならどこでも同じ」は禁物で、飲食店・厨房の施工実績を確認することが重要です。

 

失敗③ 居抜き清掃を省いて開業後にトラブルが出た

「前のテナントがある程度きれいにしてくれたから大丈夫」と判断したところ、排水溝の臭いや害虫、ダクト内の油かすが開業後に発覚したケースがあります。さらに深刻なのが衛生管理の不備による保健所の指摘で、最悪の場合は営業許可の一時停止処分につながることもあります。

 

失敗④ 損害賠償保険の確認を忘れた

清掃中に設備や床材が傷つくトラブルは実際に起こります。業者が損害賠償責任保険に加入しているかどうか、また保証範囲はどこまでかを事前に書面で確認しておきましょう。

 

こういった失敗は、飲食店の清掃事情をよく知っている業者に最初から相談することで多くを防げます。

飲食店・厨房に特化したGF Maintenanceでは、居抜きの仕上げ清掃・開業前清掃・営業中の定期清掃まで幅広く対応しています。「自店舗に必要な清掃範囲を確認したい」「見積もり前にどの箇所から優先すべか相談したい」という段階から、お気軽にご相談いただけます。 

よくある質問

 

清掃を頼む頻度はどのくらいが目安ですか?

箇所によって異なります。厨房全体は月13回、ダクト・排気設備は業態に応じて312ヶ月に1回、エアコンは半年〜1年に1回が目安です。焼肉・中華など油煙が多い業態はより短いサイクルが推奨されます。東京消防庁のガイドラインでは「概ね年1回」が最低ラインとされていますが、使用頻度や油煙量によって調整が必要です。

 

定期清掃と単発清掃、どちらがお得ですか?

長期的には定期清掃の方がコストを抑えられるケースが多いです。単発だと汚れが蓄積してから対応するため1回あたりの作業量が増え、結果的に割高になる傾向があります。また緊急の詰まり対応や害虫駆除は割増料金がかかることも。ただし、最初から長期契約を結ぶのが不安であれば、単発で業者の仕事ぶりを確認してから定期契約に切り替えるのも賢い方法です。

 

居抜き物件の清掃費用は誰が負担するのですか?

賃貸契約の内容によりますが、前テナントの退去時清掃が不十分だった場合は貸主側に対応を求めることができるケースもあります。ただし現実には「引き渡し時の状態そのまま」というケースが多く、開業前清掃は借主側で手配するパターンが一般的です。契約前の内見時に厨房・排水・エアコン内部の状態を確認し、気になる箇所があれば条件交渉しておくと後のトラブルを防げます。

 

ダクト清掃は自分たちでやってはいけないのですか?

ダクト内部の清掃は高所・密閉空間での作業になるため、安全面からも専門業者への依頼が原則です。また消防法・火災予防条例の観点から清掃記録が求められる場合には、業者発行の清掃証明書が必要になります。スタッフで対応できるのはグリスフィルターの取り外し洗浄など一部の表面作業に限られます。ダクト内部に手が入らない状態が続くと、火災リスクと法令違反リスクが同時に積み上がっていきます。

 

害虫が出始めたのですが、清掃で対応できますか?

清掃だけで完全駆除は難しいケースがほとんどです。害虫は一度定着すると繁殖スピードが速く、清掃で汚れを除去しながら専門の害虫駆除業者と並行して対応するのが基本です。発生源となりやすいのはグリストラップ・排水溝周辺・厨房の隙間など。定期清掃でこうした箇所の汚れを溜めないことが、そもそも害虫を呼び込まないための最大の予防策になります。

 

多店舗展開しているのですが、店舗ごとに別の業者でも問題ないですか?

問題はないですが、店舗ごとにバラバラの業者を使うと品質のムラ・管理コストの増大・緊急対応の遅れといったデメリットが出やすくなります。本部側で清掃基準を統一したい場合や、複数店舗をまとめて管理したい場合は、飲食店の多店舗対応実績がある業者と一括契約する方が結果的にスムーズです。

まとめ——清掃業者選びで後悔しないために

飲食店の清掃は「汚くなったら呼ぶ」から「定期的にメンテナンスする」へ意識を変えることが、コストと衛生管理の両方を改善する第一歩です。

 

この記事で紹介した内容を振り返ると、業者選びで外せないポイントは3つに絞れます。

  • 飲食店・厨房の施工実績があるか(一般清掃業者との違いは大きい)
  • 作業範囲と費用が書面で明確になっているか(口頭確認だけは後でトラブルになる)
  • 損害賠償責任保険に加入しているか(万一のときの保証範囲を事前確認)

費用の安さも当然大事な判断軸ですが、「何をどこまでやるか」が不明確なまま発注するのが一番多いトラブルの原因です。見積もりは23社から取り、金額だけでなく作業内容を比較した上で判断しましょう。

 

また、特に見落としがちなのがダクト清掃の法的義務です。消防法・火災予防条例に基づく清掃義務は「知らなかった」では済まない場面があります。清掃証明書の保管も含めて、定期的に対応できる体制を早めに整えておくことが経営リスクの低減につながります。

 

居抜き物件を検討中・開業準備中・多店舗展開を進めているという方こそ、清掃業者選びを後回しにせず、信頼できるパートナーを早めに見つけておくことをおすすめします。この記事が少しでも参考になれば幸いです。