今秋よりスタートする不法就労の摘発強化では、これまでと異なり、店舗や現場にいる外国人スタッフの「在留カードがその場で直接確認」されることになります。
もし現場で資格外の労働が発覚した場合、「知らなかった」「本人が大丈夫だと言っていた」といった言い訳は一切通用しません。 経営者や店長自身が不法就労助長罪に問われるだけでなく、最長5年間にわたり新たな外国人を雇えなくなるという、店舗の存続を揺るがす打撃を受けることになります。
「うちは大丈夫」という過信は極めて危険です。今秋からの合同調査のインパクトを踏まえ、飲食店で認められている在留資格の正しい知識と、意図せぬ違反を防ぐための今すぐできる実務ポイントをまとめました。
※本記事は、法務省公表の「不法就労の摘発強化に関する質疑(令和8年9月11日 法務大臣閣議後記者会見)」および関係法令をもとに作成しています。
今秋より、出入国在留管理庁(入管庁)による不法就労の摘発体制が大きく強化される見通しとなりました。従来は情報提供や通報があった場合を中心に対応が行われていましたが、今後は各事業を管轄する省庁の定期調査に入管官が同行する「合同立ち入り調査」の体制を強化するよう調整しています。
まず国土交通省と連携した解体業者への立ち入り調査からスタートし、順次他省庁や他業界へも対象が広がる方向で協議が進められています。
外国人スタッフを雇う際は、「どのような在留資格で」「どの範囲の業務が許可されているか」を正しく把握しておく必要があります。飲食店舗で一般的に活用されている主な在留資格は以下の通りです。
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在留資格(ビザ) |
許可されている主な業務内容 |
労働時間の制限
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|---|---|---|
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特定技能1号(外食業) |
ホール接客、調理、店舗管理、清掃などの現場全般 |
フルタイム(制限なし) |
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資格外活動許可(留学生・家族滞在) |
ホール接客、調理補助、清掃などの現場全般 |
週28時間以内 ※留学生のみ学則による長期休業期間は1日8時間(週40時間)まで緩和 |
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技術・人文知識・国際業務(技人国) |
本社でのマーケティング、経理、商品開発、メニュー通訳など(専門職) |
フルタイム(制限なし) |
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身分系ビザ(永住者・日本人の配偶者等) |
業務制限なし(現場・デスクワーク問わず) |
制限なし |
「正社員として雇っているから問題ない」「本人が大丈夫だと言っていた」といった認識の違いから、知らず知らずのうちに不法就労の該当となってしまうケースがあります。特に注意が必要な具体例は以下の3点です。
不法就労が発覚した場合、外国人本人だけでなく、企業側も「不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金 ※2027年4月1日より引き上げ予定)」に問われ、その後の外国人採用が数年間にわたり制限される大きな打撃を受けます。以下のポイントを今すぐ確認・徹底しましょう。
外国人材を適正に受け入れるためには、「登録支援機関」への委託に伴う継続的な費用負担や、自社で支援を行う場合の厳格なサポート体制の構築・定期報告など、一定のコストや実務的な負荷が発生します。経営上の負担を避けるあまり、本来現場作業が認められない「技人国」ビザでの申請を行ったり、必要な確認手続きを簡略化したりといった不適正な運用に走ってしまうケースが、結果として違法雇用の温床となっているのも事実です。
しかし、今回の入管庁による摘発強化の動きは、そうした不適正な運用を行う事業者を排除し、適切なコストや労力を割いて健全な雇用管理を行っている事業者を守るための取り組みでもあります。飲食店経営者・店長のみなさまにおかれましては、目先のコスト軽減や業務の簡略化に囚われることなく、これを機に自社の外国人雇用の管理体制を再確認し、安心して働ける環境を整えていきましょう。
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