【物件】特集

5坪でOK!小さい飲食店開業のための賃貸店舗選びのチェックポイント!

作成者: 宮原康助|Oct 2, 2025 10:43:35 AM

「できるだけ費用を抑えて、でもこだわりの飲食店を持ちたい」

 そんな思いから、小さな店舗でも飲食店開業を目指す方が増えています。

 とはいえ、実際に開業するとなると

・そもそも小さい店舗でも飲食店って本当にできるの?

・どのくらいの広さがあればOK?

・小さい店舗に向いている業態は?

・家賃はどのくらい?

・小さい店舗を賃貸するときは、どこを見ればいいの?

 このような疑問はつきものです。本記事では、小さな店舗から飲食店をスタートしたいあなたの疑問に答えるべく、向いている業態、坪数の目安、物件選びの注意点から費用の抑え方まで徹底的に解説します!

 

小さい店舗でも飲食店はできる?

結論:5坪以下の”小さい”店舗でも飲食店開業は可能です!

 5坪以下の小さな店舗でも、適した業態と賃貸店舗の選び方、そして内装の工夫次第で超人気飲食店を作ることも可能です!

 実際に、都市部を中心に3~5坪(1坪≒縦1.8m×横1.8m)程度の小さなテイクアウト店や立ち飲み居酒屋が多数営業しており、月商50万円を超えるような成功例も存在します!

 飲食店の営業にあたって、法律上「何坪以上でなければならない」といった明確な面積の制限はありません。ただし営業許可を得るためには、各自治体の保健所の基準を満たす必要があります。

 具体的には、以下のような項目が挙げられます。

・厨房スペースの確保(調理・洗浄・食材の保管の3機能が必要)

・シンクの設置(食材用と食器用に使い分ける必要がある自治体も)

・冷蔵庫・加熱設備の設置

・衛生管理しやすい素材の使用(木材や石膏、壁紙は避けるべき)

・換気・排気設備の適切な設置

・ゴミ保管の場所の確保

また、イートインスペースを設ける場合には、トイレの設置が求められる場合があります。これも自治体によって判断基準が異なるため、出店を希望する地域の保健所に事前に相談するのがベストです。

つまり、「小さいから」不可能ということはなく、条件を満たす設計やレイアウトに工夫すれば、小さい店舗を賃貸しての飲食店は十分に可能なのです。

小さい賃貸店舗が向いている飲食業態はどれ?テイクアウト専門店・カウンター型などがオススメ!

それでは、5~10坪前後の小さな賃貸店舗での営業に向いている利益を出せる飲食業態はどのようなものがあるのでしょう?

小さい店舗でも成功する飲食店のポイントは

・調理工程がシンプル

・客席を必要としない、または最小限で済む

・少人数でも運営できる

といった条件を満たしているかどうかです。

以下に、小さい賃貸店舗での営業に向いている代表的な飲食業態と注意点を紹介します。

①テイクアウト専門店

広さの目安:3~5坪

具体例:唐揚げ、おにぎり、サンドイッチ、焼き芋、クレープ、ドリンクスタンドなど

~特徴~

・厨房スペースさえ確保できれば、客席が不要なため、非常に小さい店舗でも営業可能

・テイクアウト業態は厨房スペースの効率設計がカギ。

・注文から受取までの導線を一直線に設計することで、スムーズなオペレーションが実現します。

~⚠注意点~

・排気・煙・匂いへの配慮

・注文~受取までの導線がスムーズに設計されていないと、混雑・待機スペースの確保が難しい。

 

②カウンター型の立ち食い・バー

広さの目安:4~6坪

具体例:立ち飲みバー、立ち食いそば、1人寿司、1人焼き肉など

~特徴~

・客席をカウンターのみに絞ることで、小さいスペースでも飲食可能な設計に。

・調理と接客を同時に行えるため、1人営業も現実的です。

・導線をコンパクトにしつつも、狭さを逆に”密な接客”や”ライブ感”として活かせるのが魅力です。

~⚠注意点~

・客席の回転率を上げる設計や価格帯の工夫が必要

・トイレ設置義務に注意(客席がある場合、保健所基準に従う)

 

③スタンドカフェ・焼き鳥屋

広さの目安:5~7坪

具体例:コーヒースタンド、ワインスタンド、焼鳥の立ち飲み、軽食+アルコール系スタンドなど

~特徴~

・簡単なドリンク調理や軽調理に対応できれば成立。

・通行人が気軽に立ち寄れるスタイルに適しています。

小さい店舗ではオシャレな雰囲気を演出しやすく、SNSとの相性も良いため、集客力のある店舗に成長しやすい傾向があります。

⚠注意点~

・店舗前スペースの使用可否(店外立ち飲み・待機を想定するなら)

・煙・匂いの排気対策と近隣住民への配慮(特に焼き鳥業態)

このような、テイクアウト、カウンター、立ち食い、焼き鳥などの業態はいずれも店舗が小さいという特徴が活きるビジネスモデルです。逆に調理工程が複雑で厨房面積が大きく必要になるような業態(本格イタリアン、鉄板焼など)は、小さい賃貸店舗には不向きな場合が多いため注意が必要です。

 

今小さい飲食店が増えている!?初期費用・人件費・相性◎業態に注目!

 近年、都市部を中心に5~10坪前後の狭小スペースで飲食店を開業するケースが増えています。その背景には、「小さい=不利」ではなく、むしろ時代に合った強みがあるという認識が広がっていることが挙げられます。

 ここでは、小さい賃貸店舗で飲食店を始める主なメリットを3つに絞ってご紹介します!

メリット①|「小さい店舗だからこそ!」初期費用を抑えられる!

店舗の広さが小さい分、賃料・内装費・設備投資などを大幅に抑えることができるため、開業資金をコンパクトにできます。

特に、居抜き物件(次の章で詳しくご紹介します)を活用すれば、厨房設備や排気ダクトがすでに整っていることも多く、大幅なコスト削減が可能です。

メリット②|「小さい店舗だからこそ!」少人数で運営しやすい!

人手不足が深刻な今、少人数で効率よく営業できる運営体制は大きな強みです。

小さい店舗であれば、調理・接客・会計の動線がコンパクトにまとまり、1人~2人でも営業することができます。また、人件費を抑えつつ、利益率の高い経営ができるため、開業後の資金繰りも安定しやすくなります。

メリット③|「小さい店舗だからこそ!」テイクアウト・デリバリーとの相性がいい!

コロナ禍以降、テイクアウトやデリバリーの需要は継続的に増大しています。

小さい厨房だけで対応できるテイクアウト業態は、店舗の広さに制限がある賃貸物件とも非常に相性が良く、効率的な売上確保に繋がります。

Uber Eatsや出前館など外部サービスを活用すれば、立地に縛られずに売上を伸ばすことができるのも利点です。

このように、小さな店舗だからこそ活かせるメリットは多数あります。

無理に大きな物件を借りるよりも、自分の賃金・人員・業態に合わせた等身大の飲食店を開業することが成功への近道と言えるでしょう。

飲食店の店舗を賃貸する際どこを見ればいいの?
小さい店舗を賃貸する際気をつけるべき5つのポイント!

 小さい店舗での飲食店経営では、賃貸する物件選びでは「細かい部分のチェック」が成功のカギを握ります。ここでは、失敗せずに小さい店舗で飲食店を開業するために、特に注意しておきたい5つのポイントをご紹介します!

飲食店に適した立地と周辺環境か?人通りや競合店を調査しよう!

飲食店の売上は、店舗の「立地」で大きく左右されます!

たとえ店舗の賃貸料が安くても、その店舗の立地が悪ければ、集客が見込めず、結果的に売上が上がらないといったことになってしまいます。せっかく自慢の料理を提供しているのに、お客様に来てもらえなければ意味がありませんよね。

飲食店の店舗を賃貸する際に、立地に関する気をつけたいポイントは、

・人通りがあるかどうか。

・周辺の競合店の数はどうか。

・近隣住民からの苦情リスクがあるかどうか。

の3点です。

飲食店の店舗を賃貸する前には、必ず平日・休日・昼・夜の各時間帯で賃貸する店舗周辺を確認するようにしましょう!

店舗内の厨房と客席の理想的な比率は?小さい店舗では厨房は3~4割が目安!

 限られたスペースの中で、厨房にどれだけ面積を割くかは非常に重要です!

 なぜなら、、、

 厨房面積が大きすぎる

・客席数が減り、グループや家族での利用を制限してしまう

・満席が続いて一日の売上上限が下がってしまう

 厨房面積が小さすぎる

・作業効率が悪くなり、回転率が下がる

・調理・洗浄・保管が曖昧になり、衛生管理がしにくくなる

・必要な設備が置けず、メニューの制限や下処理の外注によるコスト増に繋がる

・火災や事故のリスクが高まる

 

こういったデメリットを回避するために、厨房が全体の30~40%客席が60~70%程度に収まるように意識しましょう。

 

インフラは充分か?換気・ガス・水回り・電力をチェック!

 排気ダクト・給排水・ガス容量などの飲食店の店舗に必要なインフラ設備が整っているかは、厨房運営の問題に直結します。

 特に小さい店舗では、スペース的・構造的に後からの工事が難しいことも多いため、物件選びの段階で必ず確認すべきポイントです。

 以下の表を参考にしながら、実際に飲食店を営業することを頭の中で想像し、自分なりのチェックポイントを作成しましょう。

店舗内トイレの設置条件はどうか?イートインの場合は設置が必要なことも

 飲食店用の小さい店舗を賃貸するとなると、トイレの有無や設置スペースが課題になりがちです。特にイートインや客席がある場合、多くの地域でトイレの設置が義務となっています。建物内の共用トイレが使えるか、設置スペースがあるかなど、事前に保健所や管理会社に確認しておきましょう。

 ⚠「トイレが設置できずに開業を断念」というケースも実際によくあります。

店舗内での動線はスムーズか?歩いて確認しよう

 小さい店舗こそ、スムーズな導線設計が重要です。動線が悪いと、混雑や作業ミス、回転率の低下の原因となります。インフラ確認と同様に、実際に自分が経営している様子を想像しながら考える必要があります。

そのため、実際に店舗を賃貸する前に、厨房からカウンター、客席、会計スペースへの動きや、お客様の出入りのしやすさなどを、実際に現地で歩いて確認することをおすすめします。

以上のように、飲食店開業のために店舗を賃貸する際は、

・立地と周辺環境

・厨房と客席のバランス

・インフラの確認

・トイレの設置条件

・物件の動線

をあらかじめしっかり確認しておきましょう。

飲食店開業費用を抑えたい方必見!
小さい店舗の賃貸費用と費用の抑え方

賃貸料の目安はいくらくらい?都市別・坪数別のざっくり目安

小さい店舗で飲食店を開業する際に、気になるのが物件の賃貸料はどれくらいかかるのかという点ですよね。もちろん店舗の賃貸料は店舗の広さや立地条件によって大きく異なりますが、ここでは都市別・坪数別の家賃相場の目安をご紹介します。

 

■首都圏(東京23区)の場合

・主要駅エリア(渋谷・新宿・池袋など)⇒3万~10万円/坪

・住宅地や裏路地の小規模立地(中野・蒲田・北千住)⇒2万~8万円/坪

5坪の店舗では貸料は月10万~40万円程度になります。

 

■地方都市(例:名古屋・福岡・札幌など)の場合

・駅前~中心市街地⇒1.2万~2万円/坪

・住宅地や郊外エリア⇒8千円~1.5万円/坪

5坪の店舗では、賃貸料は月5万~10万程度になります。

開業費用はどれくらいかかる?飲食店開業時の賃貸料以外の初期費用(小さい店舗用)

飲食店開業時の初期費用は一体どれくらいかかるのか?

初期費用について考えると、家賃に目が行きがちですが、飲食店の開業には賃貸料以外に物件への敷金・礼金・仲介手数料に加え、内装や設備工事費と、飲食店開業のために必要な資格取得費及び各種申請費用が必要となります。

ここでは、5~10坪の小さい店舗を賃貸して飲食店を開業することを想定した場合に初期費用として発生してくる項目とざっくりとした費用感をご紹介します。

①保証金・敷金(家賃の6~12ヶ月分)

飲食店の店舗を賃貸する際も、他の物件を賃貸するときと同様に保証金及び敷金が発生します。これは物件家薬事に必要な初期費用で、退去時に一部返金されることもあります。飲食店の店舗として賃貸可能な物件は、飲食店としての使用は原状回復の負担が大きいことから、敷金が高めに設定されることが多いです。具体的には、たとえば東京エリアでは、家賃15万円に対し、家賃の6ヶ月分から12ヶ月分に相当する90~180万円程度が目安となります。

②礼金・仲介手数料(家賃の1~2ヶ月分)

敷金と同様、礼金と仲介手数料も店舗賃貸時に発生する初期費用の一つです。礼金は賃貸物件のオーナーへの謝礼として返金されないお金で、家賃の1~2ヶ月分が目安です。仲介手数料は、不動産会社を通して契約する場合の基本的な費用で、家賃の1ヶ月分が目安となります。

最近では、礼金ゼロの物件も増えていますが、人気エリアや路面店などでは必要なことが多いです。

③内装・設備工事費(50万~500万)

これは店舗を賃貸した後に、実際の業務に使用できる店舗として設備(厨房機器・壁材・床材・照明など)を整えるために必要な費用です。もちろん開業する飲食店の業態や賃貸した店舗の状態によって大きく変動しますが、スケルトン物件(内装ゼロ状態の物件)では500万円超の費用がかかってしまうこともあります。一方で居抜き物件を賃貸することができれば、改修中心で済む場合もあり、数十万円で抑えることができます。

④各種申請・資格取得費用

飲食店の開業には、開業時に必要な「モノ」だけではなく、資格や役所への申請が必要です。資格については、主に「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格を取得する必要があります。資格に必要な費用はそれぞれ、食品衛生責任者が6.000円から12.000円、防火管理者が3.000円から5.000円程度となります。

また、飲食店の開業前には、「飲食店営業許可」、「防火管理者選任届」、「個人事業の開業届」などの役所手続きを行わなければなりません。ただし手続きに際して費用が発生するのは「飲食店営業許可」のみで、15.000円から20.000円前後が目安となります。

⑤小さな店舗(5~10坪)を賃貸して飲食店を開業する際の初期費用目安

こうしてみると、たとえ小さな店舗で飲食店を開業するとしても、非常に多額の初期費用が発生してしまうことがわかります。次の項では、この初期費用を少しでも抑えるための知識やテクニックをご紹介します。 

 

開業費用はどうやって抑える?居抜き物件・DIY・補助金制度の活用術

 それでは、思ってたより高い初期費用、これをどうやって抑えるのかを紹介します!

 

✔居抜き物件を活用する!

居抜き物件とは、空き家になる前の店舗が使っていた内装や厨房設備がそのまま残されている物件のことです。これを活用することで、内装工事費や、厨房機器・設備設計費を大幅に削減することができます。上の表で見てもらった通り、内装工事費には莫大なコストが掛かるため、居抜き物件を利用することによって100万円~200万円以上の節約に繋がることもあります。

ただし、残された内装や厨房機器が「どこまで使えるか」の事前チェックと、譲渡費用の有無にも注意をしてください。

✔DIY内装で工事費を削減する!

これも内装工事費の節約に関するものです。自分でできる範囲の内装(たとえば塗装や棚作り、サイン看板など)をDIYで行うことで内装工事費を大幅にカットできます。特に、小さい店舗においては、専門業者に丸投げしなくてもDIYで十分に整備可能です。

さらにDIYならではの無骨さやナチュラルな雰囲気は、かえってオシャレに見え、SNS映えする空間にもなります。

ただし、消防法や保健所基準を満たす必要があるため、最低限の専門確認は必須になります。

✔創業融資・補助金制度を活用する!

上記のコスト削減に加えて、国や自治体の支援制度を活用すれば、自己資金が少ない方でも初期費用の資金調達が可能です。代表的な制度を表にまとめました。

他にも各自治体ごとに様々な補助金制度があります。ぜひ店舗をかまえたい自治体のHPを参照してみてください。また補助金は審査・申請手続きが必要なため、商工会議所や専門家のサポートを受けるとスムーズです。

まとめ:小さい店舗でも工夫で勝てる!

 「飲食店を開業するなら広い店舗じゃないと、、、」そんな思い込みはもう過去のものです。 むしろ今は、5~10坪の小さな飲食店”が”活躍できる時代。

テイクアウト需要の拡大や人手不足への対応、小資本でのスモールスタート志向など、現代のニーズにマッチしているのが小さな飲食店なのです! 「店舗が小さい=不利」ではありません!むしろ、自分に合った業態・立地・物件を見極めることこそが、あなたの飲食店を成功させるカギなのです。

🔍️物件探しで迷っている方へ

 ここまで読んで、「自分も小さな店舗を賃貸して飲食店を始めたい!」と思われた方も多いのではないでしょうか?

 でもいざ物件を探すとなると、

・飲食店の店舗として利用できるのか?

・インフラ条件は具体的にどう見ればいいの?

・トイレの設置条件はどこをみればいいの?

・居抜き物件はどこにあるの?

など、複雑で1人では大変なこともたくさんありますよね。

 

そこでおすすめなのが、飲食店向けに特化した賃貸物件の紹介サービス。専門スタッフが、開業の目的や予算、業態に合ったベストな物件探しをサポートします。