新宿を起点に、多摩地域から神奈川県方面へ伸びる小田急線と京王線。どちらも都心と郊外を繋ぐ大動脈であり、住宅地や学生街、オフィス街をバランスよく含む沿線です。通勤・通学需要はもちろん、地元住民の生活導線も強く、「日常に根ざした飲食店」を出店するにはうってつけのエリアが広がっています。
特に近年では、都心の賃料高騰を避け、郊外エリアに着実な需要と採算性を求める動きが強まっており、小田急線・京王線沿線はその有力な選択肢として注目を集めています。本記事では、小田急線と京王線それぞれの注目エリアについて、地域の特徴や出店に向いている業態、成功のポイントなどを紹介します。コストを抑えて安定経営を目指す飲食店オーナーにとって、都心一等地以上に魅力のある出店エリアが見つかるはずです。
カルチャーと個人店の街(乗降客数:約96,000人/日) 再開発で駅周辺は整備されつつも、依然としてサブカルの聖地として人気の下北沢。ライブハウスや劇場、古着屋などが集まるカルチャーの発信地であり、感度の高い若年層が多く集まります。狭小物件も多く、個性的な世界観を打ち出す小規模店が成功しやすいエリアです。
学生とファミリーが集う街(乗降客数:約59,000人/日) 農大通りを中心に、学生・若年層・ファミリーが混在する住宅エリア。近隣には東京農業大学があり、昼は学生、夜は地元住民の外食需要があります。駅近くにはリーズナブルな飲食店が多く、コスパ重視の店舗が好まれます。
神奈川エリアのハブ駅(乗降客数:約330,000人/日※JR含む) 小田急線とJR横浜線が交わる巨大ターミナル。近年は再開発も進み、ルミネやマルイといった商業施設が充実。若者やファミリー層が集まり、平日・休日問わず人流が絶えません。
再開発が進む駅近エリア(乗降客数:約78,000人/日) 都心に近く、渋谷や新宿へのアクセスも良好。駅周辺にはタワーマンションが立ち並び、新しい住民層が増加。単身層や若手社会人が多く暮らしており、平日夜の外食やテイクアウト需要も高めです。
ファミリーと映画の街(乗降客数:約114,000人/日) 駅前再開発により「トリエ京王調布」などの商業施設が充実。ファミリー層のほか、映画館(シネマコンプレックス)もあり、週末のレジャー需要も期待できます。東京スタジアム(味の素スタジアム)へのアクセスも良好。
地域密着とビジネスの共存(乗降客数:約87,000人/日) 駅ビル(くるる・ミッテン府中)と再開発エリアが充実する一方、昔ながらの商店街も残るバランス型の街。オフィス街も抱え、ランチタイムはビジネスマン、夜は地元客の需要があります。
小田急線では経堂・町田、京王線では調布・府中といったように、エリアによって需要のピークが異なるため、業態ごとの稼ぎ時を見極めることが大切です。駅前の人流と住宅街側の導線を比較して、どこで集客するかを見極めましょう。
両沿線ともに居抜き物件が比較的豊富。造作譲渡を活用することで、厨房設備や内装を流用でき、初期投資を大きく抑えられます。設備の状態や契約条件の確認は慎重に行いましょう。
どの駅にも共通するのは「生活導線に根差した飲食」が求められていること。派手さよりも、地元で長く続く店舗を目指すのが両沿線の戦い方です。住民が「何度も足を運びたくなる」価格帯・メニュー構成が重要です。
郊外型の出店で着実に利益を積み上げたい方にとって、小田急線・京王線沿線は見逃せない出店候補となるはずです。都心部よりも固定費を抑えやすく、地域密着で着実に売上を作ることが可能です。
弊社では、両沿線を含めた飲食店向け物件をご紹介しております。物件探しから業態相談、居抜き交渉まで一貫してサポートいたしますので、出店を検討されている方はぜひお気軽にご相談ください。