夢をカタチに!飲食店開業、失敗しない内装業者選びの完全ガイド(パート1)

飲食店の開業、ワクワクしますよね!たくさんの情熱と準備が必要な一大プロジェクトですが、その成功を大きく左右するのが「お店の内装」です。作りこんだ空間は、お客さまの満足度やお店のイメージに直結するだけでなく、スタッフの働きやすさや売上にも影響する、とっても重要な要素なんです。
でも、飲食店の内装工事って、実は結構大変。専門的な厨房設備はもちろん、衛生面や火災予防に関する厳しいルール(食品衛生法や消防法など)を守る必要があったり、お客さまやスタッフがスムーズに動ける「動線」を考えたりと、専門知識がたくさん必要になります。
- どんな内装業者がいるの?(種類と特徴)
- どうやって選べばいいの?(選び方の具体的なステップ)
- 成功するための協力のコツは?
など、日本国内での飲食店開業に特化した、すぐに役立つ情報を3つのパートに分けてお届けします!
飲食店内装業者の種類と特徴
まずは、どんなタイプの内装業者がいるのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。タイプによって得意なことや費用、進め方が違うので、自分に合った業者を見つけるための第一歩です。
1. 設計事務所
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特徴: お店の設計や内装デザインを専門に行い、詳細な図面を作ってくれます。オリジナリティあふれる、こだわりの空間づくりが得意です。工事自体は別の会社(工務店など)に依頼し、設計事務所は工事が図面通りに進んでいるかチェック(工事監理)する役割を担うことが多いです。
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メリット:
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デザイン性が高く、ユニークなお店を実現しやすい。
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あなたの想いを最大限に反映したデザインを追求できる。
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設計と工事が別なので、客観的な視点で工事をチェックしてもらえる。
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デメリット:
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設計と工事、別々に契約が必要で、やり取りの手間が増える。
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設計料が工事費とは別にかかるため、トータルコストが高くなる傾向がある。
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設計の意図が工事担当者にうまく伝わらないリスクがあり、密な連携が必須。設計段階で正確な工事費が見えにくいことも。
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こんな人におすすめ: デザインにとことんこだわりたい!コンセプトがユニークなお店。自分で設計や工事の管理に時間や労力をかけられる、または専門のマネージャーを雇える場合。
2. デザイン会社 / 設計施工会社
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特徴: デザインから工事まで、全部おまかせ!「ワンストップ」で対応してくれる会社です。窓口が一つなので、コミュニケーションが取りやすく、スムーズに進めやすいのが魅力。飲食店やアパレル店など、特定の業種に強い会社も多いです。
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メリット:
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打ち合わせや連絡がラクチン。
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設計と工事が連携しているので、工期を短縮できる可能性がある。
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設計段階から工事の大変さやコストを考えてくれるので、予算を守りやすい。
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工事のノウハウがデザインに活かされることも。
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デメリット:
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デザインの選択肢が、その会社の技術力や得意なスタイルに左右されることがある。
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設計と工事が一緒なので、客観的なチェック機能が働きにくい場合も。デザインの質が期待通りか、しっかり見極める必要あり。
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見積もりの内訳が「一式」などで分かりにくい場合、コストが妥当か判断しにくいことも。
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こんな人におすすめ: 手間を省いて効率的に進めたい!予算内で確実にオープンしたい。デザイン性と実用性のバランスを取りながら、スピーディーに進めたい場合。
3. 工務店
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特徴: 地域密着型の「工事のプロ」。建築工事や内装工事の「施工」を専門としています。設計部門を持つ大きな会社から、設計図をもとに工事を行う中小規模の会社まで様々です。
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メリット:
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工事の技術力が高く、現場管理能力に長けている。
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地元の業者とのつながりが強いことが多い。
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設計図がすでにある場合、コストを抑えられる可能性がある。
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デメリット:
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専門の設計チームがない場合、デザインの提案力はあまり期待できない。
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設計事務所などに設計を頼む場合、連携がうまくいかないと大変(設計事務所を利用する場合と同じ)。
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飲食店の厨房設計や関連ルールに詳しくない場合があるので、実績の確認が必須。
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こんな人におすすめ: 設計プランはもう決まっている!工事の品質や、地元での信頼性を重視したい場合。
4. 店舗専門の内装業者
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特徴: 飲食店やカフェ、物販店など、「お店づくり」に特化した専門家!業界特有のニーズやルール(法律・条例)に詳しいのが最大の強みです。多くの場合、デザインから工事まで一貫して(設計施工一貫)手がけてくれます。
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メリット:
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飲食店のオペレーション(日々の業務)や厨房設計、効率的な人の動き(動線計画)、保健所(ほけんじょ)や消防署(しょうぼうしょ)が関わるルール(食品衛生法、消防法など)を深く理解している。
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厨房機器メーカーなど、関連業者とのネットワークを持っていることが多い。
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実用的でルールを守ったお店を効率的に作れる。飲食店特有のトラブルを未然に防ぎやすい。
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デメリット:
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機能性を重視するあまり、デザインが画一的になったり、特定のトレンドに偏ったりする場合がある。
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専門知識やノウハウが価格に反映されている可能性がある。
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会社独自のスタイルを持っている場合があり、あなたのイメージと合うか、すり合わせが重要。
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こんな人におすすめ: ほとんどの飲食店プロジェクトに!特に初めて開業する方には、専門知識と一貫したサポートが心強い味方になります。デザインも大事だけど、運営のしやすさやルール遵守を最優先したい場合に最適。
どのタイプを選ぶ?ポイントはここ!
どのタイプの業者を選ぶかで、プロジェクトの進め方、費用、デザインの自由度、リスクの大きさが変わってきます。
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ワンストップ型(デザイン施工会社、店舗専門業者):
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◎メリット:管理が楽、初期段階で費用が見えやすい
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△デメリット:デザインの選択肢が限られるかも?客観的なチェックが弱いかも?
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設計と施工を分ける型(設計事務所+工務店):
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◎メリット:デザインをとことん追求できる、客観的なチェックが期待できる
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△デメリット:オーナー側の管理の手間が増える
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あなたのプロジェクトで何を一番大切にしたいか(デザイン?進めやすさ?コスト?)、そして自分がどれくらい関われるかを考えて、最適なタイプを見極めましょう。
表1:飲食店内装業者のタイプ別比較
業者タイプ |
主な焦点 |
業務範囲 |
代表的な費用構造 |
飲食店における主なメリット |
飲食店における主なデメリット |
適したプロジェクト例 |
設計事務所 |
デザイン、設計 |
設計、仕様作成、工事監理(施工は別途) |
設計料 + 工事費 |
高いデザイン性、独創性、客観的な工事監理 |
管理の手間増、総コスト増の可能性、設計と施工の連携リスク |
デザイン性を最重視するコンセプト店、オーナーが管理に関与できる場合 |
デザイン会社/設計施工会社 |
デザイン&施工 |
設計から施工まで一貫 |
設計施工一括費用 |
ワンストップ、工期短縮の可能性、予算管理のしやすさ、実用的なデザイン |
デザインの制約可能性、独立した監理機能の弱さ、見積もり透明性の確認要 |
スピードと実用性、予算の確実性を重視するプロジェクト、ワンストップでの依頼を希望する場合 |
工務店 |
施工 |
主に施工(設計能力は会社による) |
工事費(設計が別なら設計料も) |
高い施工技術、地域密着、既存設計図があればコスト効率が良い可能性 |
デザイン提案力は限定的(設計部がない場合)、飲食店特有のノウハウ不足の可能性、設計が別なら連携課題あり |
設計が確定済みの場合、施工品質や地域での信頼性を重視する場合 |
店舗専門の内装業者 |
店舗設計&施工 |
飲食店に特化した設計・施工 |
設計施工一括費用 |
飲食店運営・法規への深い理解、効率的な厨房・動線計画、関連業者ネットワーク、実用的・法令遵守 |
デザインが機能性重視になる可能性、専門性が価格に反映される可能性、特定のスタイルを持つ場合がある |
初めての開業、運営効率・法令遵守を重視するプロジェクト、専門知識を活用したい場合 |
まとめ
飲食店の成功には、お店の印象やお客様の満足度を大きく左右する「内装」が欠かせません。しかし、厨房設備や衛生・消防関連の法規など、専門知識が求められる難しい側面もあります。
今回は、理想のお店づくりをサポートしてくれる内装業者の主な4つのタイプ(設計事務所、デザイン会社/設計施工会社、工務店、店舗専門の内装業者)をご紹介し、それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説しました。
デザイン性、コスト、進めやすさなど、タイプによって得意なことが異なります。最適な業者を見つけるためには、まずこれらの違いを理解することが重要です。
次回のパート2では、具体的にどのように業者を選んでいけば良いのか、そのステップとポイントを詳しく解説します!