日本と比較すると人件費や家賃は依然として低いですが、都市部では賃料が上昇傾向にあります。
牛肉や乳製品など輸入依存度が高い原材料は、コスト上昇リスクに注意が必要です。
低価格帯(100〜250円/食):屋台やローカル食堂。学生・労働者の生活圏で最もボリュームの大きいゾーン
中価格帯(800〜1,300円/食):ファミレス、外資系ファストフード、カジュアル日本食が中心。都市部の中間層が主な顧客
高価格帯(2,000円以上/食):高級和食・寿司・焼肉。富裕層や外国人駐在員の接待・特別利用が中心。
ポイント: 中間層の拡大により「月収の10〜15%を外食に使う」層が増加しています。
ローカルでは低価格帯が主流ですが、日系ブランドが狙うべきは中価格帯の差別化領域です。
高価格帯は規模こそ限られますが、安定的な需要があります。
経済とトレンドの最前線。ベトナム随一の成長都市
ホーチミン(旧サイゴン)は19世紀フランス統治下で発展し、「東洋のパリ」と称されました。
現在は高層ビルが立ち並ぶ経済・流行の中心地です。
気候:高温多湿
乾季(11〜4月):晴天が多く湿度低め
雨季(5〜10月):夕方にスコール発生
適した企業タイプ:
・ブランド力を活かした高級和食・寿司・焼肉などの外食企業
・若年層をターゲットに、SNS映えや新業態の展開を志向するブランド
・中価格帯ファストカジュアル業態を拡大したい日系チェーン
主な理由:
・経済の中心都市で、購買力の高い層(富裕層・外国人・観光客)が集積
・新しい食文化への受容度が高く、流行の発信地としての役割が強い
・モールやCBD(中心街)への出店を通じて、一気にブランド認知度を高めることが可能
歴史と伝統が息づく政治・文化の中心地
1000年以上の歴史を持ち、現在は政府機関・大使館が集まる政治・外交の拠点。
落ち着いた気風で「品質」「信頼」「文化体験」へのニーズが高い都市です。
人口:約800万人
気候:四季あり(冬は10度前後まで冷え込む)
安定志向・伝統文化を活かしたブランドにおすすめ
おすすめの企業タイプ
・高級志向の和食・接待需要をターゲットとするレストラン
・家族で日常的に利用できる居酒屋・ファミリー向け和食チェーン
・文化体験を提供する飲食(抹茶カフェ・和菓子など伝統系)
主な理由
・政府、大使館関係者や駐在員ファミリーなど安定した客層が多い
・観光需要も根強く、旧市街はローカル+外国人観光客の両方を取り込める
・「落ち着き」「信頼」「品質」を重視する消費者が多い
主要法:企業法(Enterprise Law)、投資法(Investment Law)
飲食業は外資100%出資も可能なため、比較的スムーズに設立できます。
都市・区ごとの行政裁量差に注意が必要です。
・投資登録証明(IRC)取得
・企業登録証明(ERC/BRC)取得
・税務登録(法人税・VAT申告)
・各種営業許可(食品衛生・消防・酒類販売)
・店舗登録・開業届出
・食品衛生許可:厨房・衛生基準の適合
・消防許可:避難経路・設備確認
・酒類販売許可:アルコール販売に必須、特別消費税対象
・輸入食材:ラベル・衛生証明など細則対応
・法人税:20%
・付加価値税(VAT):10%
・特別消費税:ビール35%、ワイン・蒸留酒65%
その他:土地使用料、会計監査義務あり