2025/11/28
【2025最新版】ベトナム出店ガイド|ホーチミン・ハノイの最適エリアと成功ポイントを徹底解説
ベトナム飲食市場への進出を考える企業必見。ホーチミン・ハノイの出店最適エリア、客層、賃料、成功のポイントを2025年版として詳しくまとめます。
1. ベトナム全体の市場概要|経済成長と中間層の増加が特徴
東南アジアに位置するベトナムは南北に長い国です。首都ハノイ、ホーチミン、ダナンなど都市ごとに雰囲気が異なるのが特徴です。社会主義国家でありながら資本主義的な経済運営を行っており、2024年度の経済成長率は7.1%と高水準。人口約1億人、平均年齢32歳と若く、今後も労働人口の多さが成長を支えると見込まれています。外食市場は年々拡大しており、都市部では若年層を中心に「外食=日常」が浸透しています。日本食は「安心・清潔・健康的」というイメージで人気があり、寿司や焼肉、ラーメンに加えて、おにぎりやスイーツなどのカジュアル業態も注目されています。ただし、保守的な食文化のため定着には一定の時間がかかるケースもあります。
2. 数字で見るベトナムの飲食市場
最低賃金
平均月収
ビックマック指数
参照: 雇用はサービス業中心に微増、平均月収の増加続く|JETRO
日本と比較すると人件費や家賃は依然として低いですが、都市部では賃料が上昇傾向にあります。
牛肉や乳製品など輸入依存度が高い原材料は、コスト上昇リスクに注意が必要です。
価格帯別の外食市場
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低価格帯(100〜250円/食):屋台やローカル食堂。学生・労働者の生活圏で最もボリュームの大きいゾーン
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中価格帯(800〜1,300円/食):ファミレス、外資系ファストフード、カジュアル日本食が中心。都市部の中間層が主な顧客
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高価格帯(2,000円以上/食):高級和食・寿司・焼肉。富裕層や外国人駐在員の接待・特別利用が中心。
ポイント: 中間層の拡大により「月収の10〜15%を外食に使う」層が増加しています。
ローカルでは低価格帯が主流ですが、日系ブランドが狙うべきは中価格帯の差別化領域です。
高価格帯は規模こそ限られますが、安定的な需要があります。
3. 都市別ガイド|ホーチミン出店には欠かせないエリアの特色

経済とトレンドの最前線。ベトナム随一の成長都市
ホーチミン(旧サイゴン)は19世紀フランス統治下で発展し、「東洋のパリ」と称されました。
現在は高層ビルが立ち並ぶ経済・流行の中心地です。
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人口:約900万人
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気候:高温多湿
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乾季(11〜4月):晴天が多く湿度低め
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雨季(5〜10月):夕方にスコール発生
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1区|観光・商業の中心地
エリア概要
3区|オフィス街とカルチャーが融合する落ち着いた街並み
エリア概要
このエリアについてのコメント
行政機関や各国大使館が集まり、ランチ需要が安定しています。
フレンチ建築が残る街並みとカフェ文化が特徴で、中価格帯のカジュアル和食やブランチ業態が好相性です。7区|外国人駐在員が集まる住宅地
エリア概要
このエリアについてのコメント
計画的に開発された国際住宅地で、インターナショナルスクールやモール(Crescent Mall、SC VivoCity)が並んでいます。外国人駐在員ファミリーが多く、ファミリー層需要が安定しています。あまり日系飲食チェーンは多くありません。
2区|新興おしゃれタウン
エリア概要
このエリアについてのコメント
家賃は1区より安く、SNS映え・実験的業態の出店拠点として人気です。
ベジタリアンや、健康志向のおしゃれなカフェが多く存在し、若者の集まる場となっています。
エリア概要
エリア概要
エリア概要
エリア概要
地域の有名店
- 食べログ百名店 Pizza 4P’s
- ミシュラン掲載 ANAN SAIGON
日系チェーンの出店状況
- 丸亀製麺
- CoCo壱番屋
- 一風堂
- しゃぶしゃぶ温野菜
このエリアの店舗マップ
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ホーチミン出店のポイント|成長ドライブ型・トレンドの発信拠点として最適な都市
適した企業タイプ:
・ブランド力を活かした高級和食・寿司・焼肉などの外食企業
・若年層をターゲットに、SNS映えや新業態の展開を志向するブランド
・中価格帯ファストカジュアル業態を拡大したい日系チェーン
主な理由:
・経済の中心都市で、購買力の高い層(富裕層・外国人・観光客)が集積
・新しい食文化への受容度が高く、流行の発信地としての役割が強い
・モールやCBD(中心街)への出店を通じて、一気にブランド認知度を高めることが可能
4. ハノイ出店のためのエリア別ガイド

歴史と伝統が息づく政治・文化の中心地
1000年以上の歴史を持ち、現在は政府機関・大使館が集まる政治・外交の拠点。
落ち着いた気風で「品質」「信頼」「文化体験」へのニーズが高い都市です。
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人口:約800万人
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気候:四季あり(冬は10度前後まで冷え込む)
ホアンキエム区|観光と歴史の中心地
エリア概要
このエリアについてのコメント
観光客と若者・富裕層ローカルが交わり、バーやホテルレストランの需要が高いです。このエリアに進出している日系チェーン店はあまり多くありません。
バーディン区|政治と外交の拠点
エリア概要
このエリアについてのコメント
政府機関や大使館が集中し、高級和食・寿司・接待レストランが根付きやすいエリアです。
また、駐在や出張といった形で多くの日本人が滞在しているため、日系の飲食店も多く進出しています。
このエリアでは、落ち着いた雰囲気の中で、信頼感と品質が重視されます。
タイホー区|外国人居住エリア
エリア概要
このエリアについてのコメント
タイホー湖周辺はインターナショナルスクールが多いことから欧米・韓国系の外国人が多く住み、カフェ文化・健康志向・国際対応がキーワードとなるエリアです。ベジ対応や多言語メニューを備えた日常使い和食が狙い目です。
エリア概要
エリア概要
エリア概要
エリア概要
地域の有名店
- 食べログ百名店 Pizza 4P's
- ミシュラン掲載 Pho 10 Ly Quoc Su
日系チェーンの出店状況
- 宇奈とと
- CoCo壱番屋
- 牛角
- 千代田寿司
このエリアの店舗マップ
ハノイ出店のポイント
安定志向・伝統文化を活かしたブランドにおすすめ
おすすめの企業タイプ
・高級志向の和食・接待需要をターゲットとするレストラン
・家族で日常的に利用できる居酒屋・ファミリー向け和食チェーン
・文化体験を提供する飲食(抹茶カフェ・和菓子など伝統系)
主な理由
・政府、大使館関係者や駐在員ファミリーなど安定した客層が多い
・観光需要も根強く、旧市街はローカル+外国人観光客の両方を取り込める
・「落ち着き」「信頼」「品質」を重視する消費者が多い
5. ベトナムの法制度・法人設立のポイント
法制度の枠組み
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主要法:企業法(Enterprise Law)、投資法(Investment Law)
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飲食業は外資100%出資も可能なため、比較的スムーズに設立できます。
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都市・区ごとの行政裁量差に注意が必要です。
設立手順(スムーズに進めば約1か月)
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・投資登録証明(IRC)取得
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・企業登録証明(ERC/BRC)取得
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・税務登録(法人税・VAT申告)
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・各種営業許可(食品衛生・消防・酒類販売)
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・店舗登録・開業届出
主な許可
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・食品衛生許可:厨房・衛生基準の適合
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・消防許可:避難経路・設備確認
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・酒類販売許可:アルコール販売に必須、特別消費税対象
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・輸入食材:ラベル・衛生証明など細則対応
税務・コスト感
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・法人税:20%
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・付加価値税(VAT):10%
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・特別消費税:ビール35%、ワイン・蒸留酒65%
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その他:土地使用料、会計監査義務あり
6. 覚えておきたいベトナム出店のまとめ
ベトナムは「若年人口 × 成長市場 × 日本食人気」が揃う進出先です。ただし成功には、都市ごとの特性理解・中価格帯での差別化・法制度対応の3点が重要です。また、現地法人設立・許認可は現場対応力が鍵となります。パートナー企業や専門家と連携し、短期間での立ち上げと安定運営を目指すことが成功の近道です。
このエリアについてのコメント
ドンコイ通りやグエンフエ通り周辺に高級ホテル・外資系オフィス・商業施設が集積しています。観光名所(中央郵便局・ノートルダム大聖堂)も多く、観光客・ビジネス客・富裕層が交わるホーチミンの中心地として知られています。また、日本人街レタントンも同区にあり、多くの日系チェーン店が進出しています。