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春の人手不足対策は大切!|採用と定着のポイントを一挙解説

作成者: 佐野 美涼|Apr 24, 2026 1:00:00 AM

「また人が辞めた」「求人出しても全然集まらない」——そんな悩み、今年の春も繰り返していませんか?

実は飲食業界の人手不足は、年々じわじわと深刻化しています。コロナ禍で業界を離れた人材が戻らず、外食需要の回復と人手不足が同時に押し寄せているのが今の現状。さらに春は、学生の卒業・入学シーズンとバイトの入れ替わりが重なる、採用担当者にとっての「魔の季節」でもあります。

この記事では、最新データをもとに飲食店の人手不足の実態を整理しつつ、今すぐ使える採用・定着のポイントをわかりやすくお届けします。ランチのお供や移動時間にサクッと読めるように書きましたので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも飲食店の人手不足ってどのくらいひどいの?

まずは現状確認から。数字で見ると、その深刻さがよくわかります。

  非正社員の人手不足割合(飲食業):約67%(全業種トップ)

  飲食店の有効求人倍率(調理):約2.57倍(厚生労働省・2024年)

  アルバイト/パートの有効求人倍率:接客系で3.5〜4.0倍で推移

  2024年の飲食店倒産件数:894件(前年比+16.4%、過去最多)

帝国データバンクの調査では、飲食業の非正社員の人手不足割合は全業種で3年連続トップという結果に。全職種の有効求人倍率が1.16倍程度なのに対し、飲食の調理部門は2.57倍、アルバイトの接客は3.5〜4.0倍と、求人を出しても人が集まりにくい状況が続いています。

なぜ春がいちばん危ないの?飲食店の繁忙期と採用タイミング

飲食店の人手不足は年間を通じて続いていますが、春はとくに注意が必要なシーズンです。その理由は大きく3つあります。

① 学生バイトの大量入れ替わり

3〜4月は卒業・進学の時期。長く働いてくれていた学生バイトが一気に辞めるのがこの時期です。新しいバイトを採用しても、慣れるまでには時間がかかるため、戦力になる前に現場が疲弊してしまうというケースがよくあります。

② 新生活需要で外食が増える

一方でお客様の方は、新生活・歓送迎会・花見シーズンで外食需要が高まります。忙しくなるのに人が足りない——これが春のジレンマです。

③ 採用競争が激化する

春は他業種も一斉に採用活動を開始します。小売、物流、コンビニなど競合が多く、「時給が高い」「楽そう」という理由で飲食以外に流れてしまう求職者も少なくありません。

飲食店の求人を出しても応募が来ない……何が問題なの?

「求人サイトに掲載したけど全然応募が来ない」という声はよく聞きます。その原因、実は求人の中身に隠れていることが多いです。

時給が周辺相場より低い

2025年2月時点で飲食・フードの平均時給は1,158円(マイナビ調べ)。全業種平均との差は縮まってきていますが、エリアによっては他業種より低い水準のままのお店もあります。最低賃金ギリギリの設定では、今の求職者には選ばれません。まずは周辺の競合店の時給を調べてみましょう。

シフトの融通が利かない

「週3日以上」「土日必須」「9〜17時固定」——こういった条件は、学生・主婦・Wワーカーにとって応募のハードルが高くなります。可能であれば「週2日〜OK」「土日のどちらか1日でOK」など、入りやすい条件に緩和することを検討してみてください。

「なんとなく大変そう」なイメージが先行している

飲食業全体に「きつい・休めない・給料安い」というイメージが染み付いてしまっています。これを打破するには、求人票の一言「まかない無料」「週払いOK」「未経験歓迎」といった具体的なメリットの記載が効果的です。店の雰囲気がわかる写真や動画も、応募率に大きく影響します。

応募から返信が遅い

特に若い世代は、電話でのやりとりを嫌がる傾向があります。メッセージで応募できる・LINEで面接日程を決められる——こういった手軽さが、応募後のキャンセル防止にも繋がります。応募から24時間以内の返信を心がけましょう。

採用ターゲットを広げると人手不足改善?

「どうせ学生かフリーターしか来ない」と思っているなら、ちょっと視野を広げてみてください。採用ターゲットを変えるだけで、応募数が劇的に変わることがあります。

主婦・主夫層をターゲットに

「子どもが学校に行っている10〜15時限定OK」など、ニッチなシフトに特化した求人は、主婦・主夫層に刺さりやすいです。実際に朝のランチタイムだけをメインにしているお店では、この層を積極採用して安定した戦力になっているケースが多くあります。

シニア層の活用

定年後も元気に働きたいシニア層は、実は飲食業との相性が良いです。接客経験が豊富だったり、ホスピタリティが高かったりと、即戦力になるケースも。シフトの柔軟性さえあれば、長期定着も見込めます。

スキマバイト(タイミー・メルカリハロなど)を活用

2024年5月時点でスポットワーク登録者数は約2,200万人(一般社団法人スポットワーク協会調べ)と急増中。「今日だけ手伝ってほしい」というときに非常に便利です。さらに、スポットワーク経由で働いてもらった人が「この店で長く働きたい」と思えば、そのまま正式採用に繋げることもできます(タイミーの場合は引き抜き手数料ゼロ)

外国人スタッフの採用も選択肢に

大手チェーンでは当たり前になってきた外国人スタッフの採用。特定技能1号・2号制度を活用すれば、長期的な戦力として育てることも可能です。受け入れ体制(マニュアルの多言語化・文化理解など)を整えることが定着の鍵になります。

採用できても辞めていく……定着率を上げるにはどうすればいい?

採用コストは1人あたり100万円以上かかると言われています(ぐるなび通信)。採れては辞め、採れては辞め……の繰り返しは、お金も時間も消耗するだけ。定着率を上げることが、長い目で見ると最強の人手不足対策になります。

入社後1ヶ月が勝負

スタッフが辞めやすいのは「入って最初の1〜2ヶ月」です。まだ慣れていない時期に放置してしまうと、「自分ここに合わないな」と思って離れていきます。OJT担当を明確にして、定期的に「最近どう?困っていることない?」と声をかける文化を作りましょう

評価・成長が見える仕組みを作る

「なんとなくバイトしてるだけ」という感覚は、長期定着の大敵。スキルが上がったら時給がアップする「昇給制度」や、「○ヶ月続けたらボーナス」といったインセンティブは、モチベーション維持に効果的です。

シフト調整ツールを導入して負荷を減らす

スタッフが辞める理由の上位に「シフトが急に変わる」「忙しすぎる」が挙げられます。シフト管理アプリの導入や、業務マニュアルの整備でオペレーションを効率化することで、現場の負荷を減らすことが定着率向上につながります。

飲食店ならではのまかないや福利厚生で「選ばれるお店」になる

「まかないが美味しい」「まかないが無料」は、飲食店ならではの強みです。求人票に書くだけでなく、実際に満足度が高い環境を作ることが、口コミやSNSでの自然な採用広報にも繋がります。

人材紹介サービスを活用して、採用の手間を減らす

「求人を出しても集まらない」「面接まで来てくれない」——そんな採用疲れを感じているなら、人材紹介サービスの活用も有力な選択肢の一つです。

求人掲載・応募対応・候補者の絞り込みまでをプロに任せることで、現場の負担を大幅に減らしながら、自店にマッチした人材を効率よく確保できます。採用担当者の工数削減にもつながるため、小規模店舗や人手不足が深刻な店舗ほど費用対効果を感じやすいのが特徴です。

当社でも飲食店専門の人材紹介サービスを提供しています。「まずは話だけ聞いてみたい」という段階でもお気軽にご相談ください。


IT・DX化で人手不足を補える?飲食店のテクノロジー活用のリアル

「もう採用だけでは限界…」という場合は、テクノロジーで業務をカバーするという選択肢もあります。

セルフオーダー・タブレット注文→ ホール人員を削減しつつ、注文ミスも減らせる

キャッシュレス決済の整備→ レジ対応の時間・手間を大幅カット。利用者調査では約85%が飲食でキャッシュレスを使用

チャットボット採用(応募受付の自動化)→ 24時間応募受付・面接日程の自動調整が可能。若い世代の電話嫌いにも対応できる

スタッフ間コミュニケーションツール→ SNS感覚でやりとりできるツールでシフト連絡や情報共有をスムーズに

人手不足をゼロにすることは難しくても、「少ない人数でも回せる仕組み」を作ることで、現場の負荷を大きく減らすことができます。

まとめ|春の人手不足改善、何から始めればいい?

最後に、今すぐ動けるポイントをまとめます。

時給・シフト条件を見直して、周辺相場に合わせる

2月中に求人を出して、3月卒業前に内定を出す

スポットワークで「まず来てもらう」ことで採用ハードルを下げる

入社後1ヶ月のフォロー体制(担当OJT・定期面談)を整える

昇給制度やインセンティブで「続けたい」と思える環境を作る

セルフオーダーやシフト管理ツールで現場負荷を減らす

人材は「採る→辞める→また採る」のサイクルを断ち切ることが最優先。1人を長く活躍させる環境づくりが、結果的に一番コストが低く、お店の安定にもつながります。

春の繁忙期に向けて、できることから一つずつ試してみてください。このサイト「HOME|まるっと飲食情報局」では、採用・定着・経営改善に役立つ情報を随時発信していますので、ぜひ他の記事も参考にしてみてくださいね!