特定技能外国人を採用した企業は、定期的に入国管理局(入管)へ届出を行う必要があります。この届出は、特定技能外国人が適切な労働環境で働いているかどうかを入管が把握するために実施されます。定期届出は、企業が外国人労働者を適切に管理しているかを確認するための重要な手続きです。
定期届出は、1年に1度、対象年の 翌年4月1日 ~5月31日 に行われ、各四半期の終了後に必要な書類を提出することが求められます。
こちらの届出は、特定技能外国人が労働契約を遵守しているか、給与が適切に支払われているかなどを確認するために必要です。
定期届出以外にも、「随時届出」と呼ばれる手続きがあります。これは、特定技能外国人の雇用契約や支援計画に変更があった場合に、事由発生日から14日以内に提出しなければならない届出です。具体的には以下のような場合に随時届出を行う必要があります。
• 雇用契約の変更: 雇用契約内容を変更した場合、または新たな雇用契約を締結した場合。
• 支援計画の変更: 支援計画や支援責任者、担当者が変更された場合。
• 支援委託契約の変更: 支援機関との契約内容が変更された場合や契約を終了した場合。
• 特定技能外国人の受入れ継続困難: 受入れが継続できなくなった場合。
• 不正行為の発覚: 出入国または労働に関する不正行為があったことを知った場合。
これらの変更があった場合、適時に届出を行わなければなりません。適切な対応を怠ると、罰則が科される可能性があります。
定期届出を出さなかった場合、企業や外国人労働者に対して厳しい罰則が科されることがあります。
• 違法就労幇助: 企業が届出を怠った場合、違法就労幇助として罰則が科される可能性があります。これにより、企業は法的責任を問われ、最悪の場合、事業運営に影響を与える可能性があります。
• 違法就労: 特定技能外国人が企業側の怠慢により適切な届出が行われなかった場合、外国人労働者は違法就労と見なされることがあります。この場合、外国人労働者にも罰則が適用され、強制退去などの処分を受けることがあります。
随時届出も非常に重要です。この届出を怠った場合にも罰則が科されます。具体的には、事由発生日から14日以内に提出しなければならないため、遅延や未提出は法的リスクを招きます。企業が変更点に気づいた場合は、迅速に対応する必要があります。
特定技能外国人の採用後に提出が求められる定期届出に必要な書類は、企業の状況や支援体制によって異なります。しかし、一般的に提出が必要とされる書類がいくつかあります。これらの書類は、特定技能外国人が適切に雇用されているか、また支援が正しく行われているかを確認するために非常に重要です。以下に代表的な必要書類を紹介します。
1. 受入れ・活動状況に係る届出書
この書類は、特定技能外国人が受け入れられた状況や、その後の活動状況を報告するものです。企業は、外国人労働者がどのような業務を担当し、どのように就業しているのかを詳細に記載する必要があります。この届出書は、特定技能外国人がその技能に見合った適切な仕事をしていることを証明するために不可欠です。
2. 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
この書類では、特定技能外国人に対して支払われている報酬の額や、その支払い方法(現金支払いか振込かなど)を詳細に報告します。また、報酬が適正であるか、業界標準と比較して不正がないかも確認されます。この書類は、外国人労働者の給与が法令に則って支払われていることを証明するためのものです。
3. 賃金台帳の写し
賃金台帳は、労働者に支払われる給与を記録した帳簿です。特定技能外国人と比較対象として日本人労働者の賃金台帳を一緒に提出することが求められます。これにより、外国人労働者が日本人労働者と同等の給与を得ていること、または最低賃金を遵守していることが確認されます。
4. 報酬支払証明書(給与が現金払いの場合)
給与が現金で支払われる場合、現金支払いが適正に行われたことを証明する書類が必要となります。これにより、給与が正確に支払われたことが確認され、不正な支払いがないことが証明されます。
5. 支援実施状況に係る届出書
この書類は、特定技能外国人に対して行われた支援活動の詳細を報告するものです。企業がどのような支援を行ったのか、その内容が支援計画に沿って実施されているかを確認するために必要です。例えば、住居の提供や日本語教育、生活支援など、特定技能外国人が円滑に日本で働くためのサポート内容を詳細に記録します。
6. 1号特定技能外国人支援対象者名簿
この名簿には、支援を受けている特定技能外国人の詳細な情報が記載されます。支援対象者の氏名、入国日、就業先など、個別の情報が含まれており、支援がどの外国人労働者に対して行われているのかを把握するために重要です。
7. 定期面談報告書(1号特定技能外国人用・監督者用)
定期的に面談を行い、その内容を報告する書類です。面談では、特定技能外国人が業務を適切にこなしているか、労働環境に問題はないか、支援が適切に行われているかを確認します。面談報告書には、面談時の状況、指導内容、問題点、改善点などが記載され、企業側の管理状況が確認されます。
これらの書類は、特定技能外国人が適切に雇用され、法令に基づいた支援が行われていることを証明するために必要です。企業はこれらの書類を正確に作成し、期限内に提出することが求められます。提出が遅れた場合や不備がある場合、法的な責任を問われることがありますので、慎重に対応することが大切です。
もし企業が登録支援機関を通じて特定技能外国人の支援を受けている場合、通常の書類に加えて、支援機関との契約書や支援計画書が必要となります。これらの書類は、支援機関が行っている具体的な支援内容や、支援が法令に基づいて実施されていることを証明するために重要です。
支援機関との契約書は、契約が結ばれたことを確認するものであり、支援計画書は支援の具体的な内容(住居提供、生活指導、トラブル対応など)を記載したものです。これらの書類により、企業は特定技能外国人に対して十分な支援が行われていることを入管に証明することができます。
企業が自社で支援計画を作成し、特定技能外国人に対する支援を実施している場合は、さらに詳細な支援実施状況に関する書類が求められます。自社で支援を行っている場合、支援の内容や実施状況を詳細に記載した書類を提出する必要があります。特に、支援計画に基づいて支援が実施されていることを証明するために、定期的な面談報告書や支援対象者名簿の提出が必要となります。
支援計画には、特定技能外国人がどのような支援を受けるのか、またその支援がどのように実施されるのかの具体的な内容が記載されています。これに基づき、企業は支援が実行されていることを証明するために、面談報告書を提出します。面談報告書には、面談を通じて発見された問題点や、その対応策についても記載する必要があります。
また、支援対象者名簿を通じて、支援対象者が誰であり、支援が適切に行われているかを確認することができます。自社で支援計画を作成している企業は、これらの書類を提出することで、支援活動が順調に進んでいることを証明し、入管の確認を受けることができます。
が行われていることを証明するため、定期的な面談報告書や支援対象者名簿が必要です。
特定技能外国人を雇用している企業は、定期届出を提出する必要があります。定期届出の提出方法は、主にオンラインと郵送の2つの方法があります。企業の状況や手続きの効率を考慮して、最も適切な方法を選択することが大切です。それぞれの方法には異なる手続きがありますので、以下に詳しく説明します。
オンラインでの定期届出の提出方法は、出入国在留管理庁が提供する「電子届出システム」を使用するものです。このシステムを利用することで、インターネットを通じて手続きを行うことができ、書類の提出や確認が迅速かつ効率的に行えます。
オンラインでの提出を始めるには、まず「出入国在留管理庁電子届出システム」に利用者情報を登録する必要があります。利用者登録を行うことで、企業の担当者はシステムにアクセスできるようになり、必要な書類を電子的に提出できるようになります。登録には、会社の基本情報や担当者の連絡先など、必要な情報を正確に入力することが求められます。
登録後、ポータルサイトにログインし、必要な書類を提出するための手続きを行います。システムでは、申請内容に従って、提出すべき書類をオンラインで選択・入力し、提出を完了させます。また、オンライン提出により、申請状況を随時確認することができ、必要に応じて追加の情報や書類を提出することも可能です。
オンラインでの提出には、手続きが迅速であるという大きなメリットがあります。また、書類を電子的に送信するため、郵送による時間のロスを避けることができます。さらに、必要な書類の提出状況をシステム内で確認できるため、手続きの進行状況をリアルタイムで把握することが可能です。
ただし、オンライン提出を行うためにはインターネット環境が整っていること、システムへの登録作業を正確に行うことが重要です。また、システム操作に不安がある場合は、事前に操作方法を確認しておくとスムーズに進行できます。
オンラインでの提出が難しい場合や、企業の状況に応じて郵送での手続きを選択することも可能です。郵送の場合、必要な書類を揃えたうえで、所定の管轄地方出入国在留管理官署に送付します。
郵送で提出する場合、最も重要なのは、企業の本店所在地を管轄する出入国在留管理官署に書類を送付することです。これは、申請書類が企業の所在地に応じた管轄局に届くことを確認するためです。間違った管轄に送付してしまうと、手続きが遅延する恐れがありますので、送付先の確認を徹底しましょう。
また、書類の送付に際しては、必要書類が全て揃っているか、記入内容に誤りがないかを再確認することが重要です。書類に不備があった場合、再提出を求められる可能性があり、その分、時間がかかってしまうことがあります。
郵送で提出する場合、書類が確実に届くように追跡可能な方法で送付することをお勧めします。例えば、簡易書留やレターパックなどの方法を選ぶことで、送付後に到着を確認することができ、もし万が一の紛失や遅延があった場合にも対応しやすくなります。
郵送後は、提出した書類が確実に受理されたかを確認するため、受領証の取得を忘れずに行いましょう。これにより、提出したことの証拠を残すことができ、万が一の問題発生時にも対応しやすくなります。
オンラインと郵送、どちらを選ぶべきかは企業の状況に応じて決めるべきです。オンライン提出は、特に大規模な企業や手続きが多い場合、時間を節約できるため非常に便利です。また、書類をオンラインで提出することで、郵送にかかる費用や手間を削減することができます。
一方、郵送は、オンラインシステムの使用に不安がある場合や、インターネット環境が整っていない場合に有効です。郵送による提出は、必要な書類をじっくりと確認しながら手続きを進めたい企業に向いています。
定期届出の提出方法は、オンラインと郵送の2つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、企業の状況や手続きの頻度に応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。オンライン提出は手続きが迅速であり、状況を随時確認できるため、手間を省ける一方で、インターネット環境やシステム操作に慣れていない場合には郵送が選ばれることもあります。いずれの方法を選ぶにせよ、提出前には必ず書類の内容を確認し、必要な書類がすべて揃っているかをチェックしましょう。
特定技能外国人の採用後に必要な定期届出は、企業にとって非常に重要な手続きです。届出を怠ると、法的リスクを伴い、罰則が科されることになります。定期届出を適切に行うことで、特定技能外国人の雇用環境が適切に保たれ、企業の信頼性も向上します。届出の手続きに不安がある場合は、専門的なサポートを受けることをお勧めします。
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