帝国データバンクが2025年11月28日に公表した最新調査によると、2026年に予定されている飲食料品の値上げは1044品目にとどまり、前年同時点で公表されていた2025年見通し(4417品目)と比べて約8割減という大幅な減少ペースとなっている。2022年以降で見ても最も低い水準であり、来春にかけて続いていた断続的な「値上げラッシュ」は、一旦は収束局面に入る可能性が高いといえる。
一方で、この数字だけを見て「値上げは終わった」と判断するのは早計だ。
調査では、2026年の値上げ要因の99.7%が「原材料高」となっており、値上げの主因は人件費や物流費といったサービス要因から、再び「モノ由来」へと回帰している。
天候不順による不作や原材料価格の不安定さは今後も続く可能性があり、値上げ圧力が完全に消えたわけではない点には注意が必要だ。
2026年の値上げ予定品目を分野別に見ると、
最も多いのは「酒類・飲料」509品目、次いで「加工食品」397品目となり、この2分野だけで全体の約9割を占めている。
これは飲食店にとって、
・アルコール原価
・ドリンク原価
・冷凍食品・業務用加工食材
といった利益率に直結しやすい部分への影響が続くことを意味する。
一方、2025年に猛威を振るった調味料分野の値上げはピークアウトしつつあり、
「全面的な原価上昇」から「分野別・品目別の選別的値上げ」へとフェーズが変わり始めている点は、飲食店経営にとって重要な変化といえる。
帝国データバンクの分析では、
・実質賃金の伸び悩み
・値上げ後の販売数量減少
・PB商品や廉価品へのシフト
といった動きが顕著になっており、消費者の価格拒否感はこれまで以上に鮮明になっている。
この状況下では、
「原価が上がったから値上げする」という単純な転嫁モデルは、ますます通用しにくくなる。
実際、2025年の平均値上げ率は15%と高水準でありながら、数量減少による売上鈍化に直面する企業も増えている。
飲食店経営者にとって今後重要になるのは、
値上げをする・しないの二択ではなく、どこで・どう吸収するかという判断だ。