2026年1月の外食市場は、年始の家族利用や週末需要に支えられ、引き続き堅調に推移しました。
一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が発表した「外食産業市場動向調査」によると、外食市場全体の売上は前年同月比108.5%となりました。客数は105.2%、客単価は103.1%と、来店客数の回復と単価上昇の両方によって市場が拡大しています。
1月は年始の外食需要が高まりやすい月ですが、今年は正月期間の家族利用に加え、その後も週末を中心に来店が続いたことが特徴です。原材料価格の上昇による価格改定の影響で客単価は引き続き上昇しているものの、値上げだけでなく来店客数の増加が売上を押し上げた構造となりました。
また、外食売上は2021年12月以降、50カ月連続で前年を上回る水準が続いており、外食市場全体としては安定した回復を見せています。
1月の外食需要を支えたのは、年始ならではの利用シーンです。
こうした少人数・家族中心の利用が、1月の外食需要を押し上げました。特にファミリーレストランやディナーレストランでは、年始の家族需要が売上を支える形となっています。
一方で、大規模宴会のような需要は依然として限定的で、外食市場では**「少人数利用」が主流となる傾向**が続いています。
ファーストフード業態の売上は109.1%と高い伸びを記録しました。
洋風ファーストフードは期間限定商品やキャンペーンが好調で111.1%、和風ファーストフードも人気商品の復活などにより112.8%と大きく伸びています。
一方、持ち帰り米飯・回転寿司は101.0%と伸びが限定的でした。客単価は上昇しているものの、客数は前年を下回っており、テイクアウト中心業態では集客の課題が残っています。
ファミリーレストラン全体の売上は108.1%となりました。
特に洋風ファミリーレストランは低価格業態の人気やコラボメニューの好評により110.9%と好調でした。和風ファミリーレストランも年始の家族需要に支えられ105.5%と堅調です。
ファミリーレストランは、「家族で利用しやすい外食業態」として、年始需要の恩恵を受けた形となりました。
パブ・居酒屋業態の売上は104.1%でした。
新年会需要は一定程度見られたものの、利用形態は
が中心となっています。
また、都心部の一部店舗では、中国からの訪日客減少の影響が見られたという指摘もあります。
ディナーレストランは107.9%、喫茶業態は109.3%と高い伸びを維持しました。
喫茶では客単価が106.7%と大きく上昇しており、価格改定の影響はあるものの、値上げ後も一定の利用が維持されています。
特にカフェや喫茶では
といった時間価値や空間価値に対して、消費者が対価を支払う傾向が続いています。
2026年1月の外食市場は売上108.5%と堅調に推移しましたが、業態ごとの伸びには明確な差が見られます。特に成長している業態に共通しているのは、「利用シーンが明確な店舗」であることです。
例えば、
といったように、「なぜこの店を利用するのか」という理由がはっきりしている業態ほど売上が伸びています。
これは、外食市場が単純な需要回復ではなく、“目的型消費”へとシフトしていることを示しています。
消費者は以前のように「とりあえず外食する」のではなく、
といった明確な目的を持って店舗を選ぶ傾向が強まっています。
そのため、料理の価格やボリュームだけではなく、**「どのような時間を過ごせる店なのか」**が重要な選択基準になっています。
近年の外食需要では、大人数宴会よりも
といった利用が中心となっています。
そのため、
など、少人数でも利用しやすい店舗設計が重要になります。
特に居酒屋業態では、大型宴会を前提とした席構成から、少人数利用に対応したレイアウトへ見直す動きが進んでいます。
ファミリーレストランが堅調に推移している背景には、年始や週末における家族外食需要があります。
家族利用では
など、複数人で楽しめる商品設計が売上に直結します。
また、近年は「外食=イベント」という意識が強まっており、季節メニューやコラボ商品など、来店のきっかけを作るメニュー戦略も重要です。
カフェや喫茶業態が伸びている背景には、単なる飲食ではなく、時間や空間そのものに価値を感じる消費行動があります。
例えば、
など、「その店で過ごす時間」への満足度が来店理由になります。
実際に喫茶業態では客単価が上昇しており、消費者は価格よりも体験価値に対して支出する傾向を強めています。
2026年の外食市場では、単純に料理の魅力だけで集客することが難しくなっています。
これから重要になるのは、
「この店はどんなシーンで使う店なのか」
を明確にすることです。
といった利用シーンを明確に打ち出せる店舗ほど、安定した集客につながる可能性が高いでしょう。
2026年1月の外食市場は、売上108.5%、客数105.2%、客単価103.1%と、来店客数と単価の両方が伸びる形で堅調に推移しました。年始の家族利用や週末外食など、明確な利用シーンが需要を支えたことが大きな特徴です。一方で、外食市場全体が一様に成長しているわけではなく、業態ごとに伸びの差も見られます。
今後の外食市場では、価格競争よりも「どのシーンで選ばれる店なのか」を明確に打ち出せるかどうかが、安定した集客につながるポイントになるでしょう。