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飲食店の人手不足対策|シフト自動化と採用戦略で“回る店”を作る方法

作成者: 柴田彩|Oct 31, 2025 10:26:23 AM

はじめに:深刻化する「人手不足時代」にどう立ち向かうのか?

飲食店経営者の多くが頭を抱える「人手不足」。


求人を出しても応募が来ない、採用しても定着しない

 

そんな悩みは、いまやどの業態でも共通しています。背景には少子高齢化による労働人口の減少に加え、Z世代の働き方価値観の変化や、副業・短時間勤務などの多様な働き方が選べる社会の到来があります。

こうした時代の中で必要なのは、「人を増やすこと」ではなく「人に依存しすぎない仕組みづくり」。

本記事では、シフト自動化による運営効率化と、採用チャネルの見直しによる“つながる採用”戦略という

2つの視点から、人手不足に強い店舗づくりのヒントを探ります。

1. シフト作成のストレスを減らす「自動化」の力とは?

人手不足の店舗では、オーナーや店長が最も時間を取られる業務の一つが「シフト作成」です。
スタッフの希望休、勤務可能時間、繁忙日の人員バランスなどを考慮しながらシフトを組む作業は、思っている以上に複雑です。

さらに、急な欠勤や予定変更が発生すれば、再度調整を行う必要があります。LINEや電話で個別に連絡を取り合いながら調整するケースも多く、店長の負担は大きくなりがちです。
特にアルバイト中心の飲食店では、学業や副業などの都合で働ける時間が変わりやすく、シフト管理は店舗運営の大きな課題となっています。

こうした負担を軽減する手段として注目されているのが、AIやクラウドを活用したシフト自動作成ツールです。
最近のツールでは、スタッフがスマートフォンから希望シフトを入力すると、そのデータをもとに自動でシフト案を作成する機能が搭載されています。

例えば、次のような機能を備えているものも多くあります。

・スタッフの希望シフトの自動集約
・過去の勤務実績をもとにした最適な配置の提案
・人件費のリアルタイム管理
・スマホからのシフト確認や変更申請

こうした機能を活用することで、店長が手作業で調整していたシフト作成の時間を大幅に削減でき、場合によっては従来の3分の1以下に短縮できるケースもあります。

また、シフト自動化の導入は単なる「効率化」だけでなく、スタッフの満足度向上にもつながります。
スマートフォンでいつでもシフトを確認できる環境が整えば、「希望が通らない」「直前の変更で予定が崩れる」といったストレスも減りやすくなります。結果として、働きやすさが向上し、離職率の低下にもつながる可能性があります。

自動化ツールは“店長の判断を奪う”ものではなく、“店長の判断を助ける”ためのツールです。
最終的な判断は店長が行いながら、シフト作成の負担だけを軽くすることができれば、接客やスタッフ教育といった本来の業務により多くの時間を使えるようになります。

スタッフ同士がスマートフォンでシフトを確認・調整できる仕組みを整えることで、店舗全体のコミュニケーションもスムーズになり、現場のストレスを減らす効果も期待できるでしょう。

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2. 採用チャネルの見直し:「どこで」より「どう伝えるか」が重要

「求人を出しているのに応募が来ない」
多くの飲食店オーナーが抱える悩みの一つです。

しかし実際には、求人媒体そのものが原因ではなく、求人の“伝え方”に問題があるケースも少なくありません。

多くの求人広告には「アットホームな職場」「未経験歓迎」「楽しい職場です」といった似たような表現が並びます。

こうした言葉だけでは、求職者にとってその店舗の魅力が具体的にイメージしにくく、結果として他の求人との差が見えなくなってしまいます。

求職者に選ばれる店舗になるためには、お店のリアルな魅力を具体的に伝えることが重要です。

近年は特に、Z世代の求職者が増えていることもあり、応募者が重視するポイントも変化しています。


給与や条件だけでなく、「職場の雰囲気」「働いている人の人柄」「価値観が合うかどうか」といった要素を重視する傾向が強まっています。

そのため、求人ページやSNSでは、次のような情報を積極的に発信することが効果的です。

・スタッフ同士の雰囲気が伝わる写真
・実際の仕事風景
・店長やスタッフのコメント
・働く1日の流れ

こうした情報があるだけで、求職者は「このお店で働くイメージ」を具体的に持ちやすくなります。

また最近では、従来の求人媒体(タウンワークやIndeedなど)に加えて、SNSを活用した採用も広がっています。
特にInstagramやTikTokは、店舗の雰囲気を伝えるツールとして非常に相性が良く、動画や写真を通して職場の空気感を自然に伝えることができます。

例えば、ある焼肉店ではスタッフの“1日の仕事風景”をInstagramのリール動画として投稿しました。
仕込みの様子や接客中の雰囲気、営業後のまかないシーンなどを紹介したところ、「楽しそうな職場」「雰囲気が良さそう」といったコメントが増え、翌月の応募数は通常の約3倍に増加したといいます。

求人は「募集情報」ではなく、お店の魅力を伝える“発信”の一つです。
媒体選びだけに頼るのではなく、「この店で働くとどんな毎日になるのか」を具体的に伝えることが、これからの採用成功のカギとなります。

3. 採用後の「定着」を見据えたマネジメントへ

採用に成功しても、定着しなければ意味がありません。
人手不足を根本から解決するには、「採用後のフォロー体制」まで含めた戦略が必要です。

特に最近増えているのが、Z世代や外国人スタッフとの価値観ギャップ。
「忙しさを美徳としない」「自分らしく働きたい」といった新しい価値観を理解せずに従来のやり方を押し通すと、せっかくの人材もすぐに離れてしまいます。

一方で、働く目的や得意分野を尊重し、成長実感を得られる環境を用意できれば、若手も外国人スタッフも戦力として長く活躍してくれます。
「任せる」「褒める」「対話する」──

これらの基本を丁寧に積み重ねることが、結果として“人手不足に強い組織文化”を生み出すのです。

4. 新年度は「人手不足対策」を見直す絶好のタイミング

4月の新年度は、飲食店にとって人材体制を見直す大きな節目でもあります。
卒業や進学によるアルバイトの入れ替わり、新生活による働き方の変化など、この時期はスタッフ構成が大きく動くタイミングです。

だからこそ、新年度は単なる補充採用だけでなく、店舗の働き方や運営体制そのものを見直すチャンスでもあります。

たとえば、

・シフト作成をデジタル化し、店長の負担を減らす
・新年度の採用に向けて、店舗の魅力をSNSや求人ページで発信する
・新人スタッフが早く戦力化できるよう、教育の仕組みを整える

こうした取り組みを新年度のタイミングで整えておくことで、繁忙期でも安定して店舗を回せる体制がつくれます。

人手不足の時代だからこそ、「人を探し続ける経営」から「人が働き続けられる仕組みをつくる経営」へ。
新年度は、その第一歩を踏み出す絶好のタイミングと言えるでしょう。

まとめ

飲食店の未来を支えるのは、「人」だけでなく「仕組み」です。
シフトの自動化、採用チャネルの多様化、そしてスタッフ一人ひとりの価値観を尊重する文化づくり。
この3つをバランスよく整えることで、あなたの店舗は“人手不足に強い店”へと確実に進化します。