【飲食店開業/焼き鳥居酒屋】東向島「たたらやま」地域に愛される店主が語る、堅実な開業と経営のリアル

<e店舗の物件情報から、運命の一軒を見つけ開業を実現させた起業家を追うインタビュー企画。今回は、16歳から飲食の道を歩み、下町で「気の利いた店」を実現させた吉田準さんのストーリーです。>

東向島目の前!あたたかな灯りをともす「たたらやま」。20代の若手から60代の層まで、世代を超えて人々が集うこの場所には、店主・吉田さんの「自分の力で道を切り拓きたい」という強い決意と、地域への深い愛情が詰まっています。1年半にわたる物件探しや、300万円のコスト削減を実現した業者選びの知恵など、これから開業を目指す方へのヒントが満載のインタビューをお届けします。

「自分の手で人生を決めたい」下町で見つけた飲食開業へのビジョン

【Q】インタビュアー
16歳から飲食店で働いてこられたとのことですが、開業を決意された一番の理由は何ですか?

【A】吉田氏
長く雇われて働く中で、「自分の給料が誰かに決められるのではなく、自分の力で決めていきたい」という思いが強くなったのがきっかけです。開業するなら、自分が慣れ親しんだ下町の雰囲気の中で、お客様がホッとできるような「気の利いたお店」を作りたいというビジョンがありました。東向島という場所を選んだからには、学校や大きな会社に頼るのではなく、地域の方々に愛される「地域密着」の営業を貫こうと心に決めていました。

💡16歳の時から、ずっと飲食の最前線で汗を流してきた吉田さん。長い下積みの中で彼が辿り着いたのは。「自分の価値を、誰かに決められるのではなく、自分の腕一本で決めていきたい」という真っ直ぐな自立心でした。安定した雇われの身を捨てて、あえて下町の住宅街という「実力」が問われる場所で勝負に出たその姿は、開業を夢見る多くの人にとって大きな希望になるはずです。「いつか自分の店を」という願いをどうやって現実の形に変えていったのか――。その一歩を踏み出した吉田さんの覚悟が伝わりました。

1年半の執念で見つけた「駅前×坪単価2万以下」の物件

【Q】インタビュアー
物件探しには1年半かかったそうですが、妥協しなかったポイントはどこでしょうか?

【A】吉田氏
アルバイトをしながら30件ほど見て回りました。「駅前であること」「坪単価2万円以下」という厳しい条件は譲れませんでした。下町で地域に根差した経営をするためには、このコストバランスが不可欠だと考えていたからです。ようやく今の場所に出会えた時は、1年半の苦労が報われた瞬間でした。

💡理想の城を築くための「土台」選びに、一切の妥協を許さなかった吉田さん。都心から離れると物件数そのものが極端に少なく、ようやく見つけたと思えば老朽化や予算の壁にぶつかる……。そんな下町特有の厳しい現実に直面しながらも、吉田さんの足が止まることはありませんでした。1年半という歳月、そして30件もの内見という圧倒的な行動力に繋がったのだと感じます。「駅前」という集客の利便性と「坪単価」という経営の現実。この両方を冷静に見極め、泥臭く探し抜いたからこそ、今の「たたらやま」の揺るぎないスタートがあったのだと確信させてくれます。

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「ミリ単位の思いやり」が作る、つい長居したくなるカウンターの秘密

Q】インタビュアー
内装や外観を整える上でこだわった部分はどこですか?

【A】吉田氏
前のテナントが配線だらけで電気工事が大変でしたが、床を剥いで一から綺麗にしました。特にこだわったのは、お客様が座った時の快適さです。カウンターや椅子の高さについては人間が心地よい高さになるよう調整、落ち着いてお酒を楽しめるようダウンライトを採用しました。また、店の前を通る方に「新店であること」と感じてほしくて、外観もすべて作り変えました。

💡吉田さんのこだわりは、単なる「見た目の綺麗さ」に留まりません。カウンターの高さひとつ取っても、お客様が「つい長居したくなる」ようなミリ単位の思いやりが込められています。また、街の風景を塗り替えるような外観の刷新には、新しい店が地域に受け入れられるための力強いメッセージが込められているようです。一歩足を踏み入れた瞬間に感じる「居心地の良さ」は、こうした細やかな配慮の積み重ねによって作られているのだと、胸が熱くなりました。

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鮮度と信頼で選ぶ「信玄鶏」と、10日ごとに変わる希少な地酒

【Q】インタビュアー
メニューや食材選びにおいて、他店と差別化している点はどこでしょうか?

【A】吉田氏
メインの鶏肉は、以前から惚れ込んでいた山梨の「信玄鶏」を使用しています。当日捌かれた鶏が深夜に築地に届くので、鮮度が抜群なんです。数軒の肉屋さんを回り、信頼できる方にお願いしています。お酒については、僕の出身地である東北の銘柄を中心に、東京では珍しい地酒を10日に一度、5種類ずつ入れ替えています。青森の「華一風」など、ここでしか飲めない酒を楽しみに来てくださる常連さんも多いですね。

💡「配送」という便利な手段に頼らず、あえて自ら毎日築地へ足を運ぶ。その理由は「その人の肉が良いから」という、至ってシンプルで力強い信頼でした。1年間続けたというこの徹底した現場主義こそが、店の味を支える土台となっています。
確かな鮮度を誇る焼き鳥と、店主のルーツが活かされた地酒のラインナップ。この「たたらやま」ならではの個性が、単なる居酒屋の枠を超え、本物を知る大人たちが集う理由になっているのだと確信しました。

 

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相見積もりで300万円の削減。経営者として数字と向き合う覚悟

【Q】インタビュアー
業者選びや開業準備において、やってよかったことは何ですか?

【A】吉田氏
「開業資金の計画を細かく立てること」に尽きます。複数の内装業者から見積もりを取ったのですが、最初に頼んだ業者よりも知人の紹介でお願いした業者のほうが300万円も安くなったんです。2社、3社と相見積もりを取ることの重要性を痛感しました。また、税理士さんに任せきりにせず、自分で事業計画を立てて1年間の数字を頭に入れておいたことで、経営上の判断を自分自身で下せるようになりました。経営には不可欠だと思います。

💡吉田さんの凄さは、職人としての腕だけでなく、冷静に数字をコントロールする「経営者」としての視点にあります。相見積もりによって300万円ものコストを削減したエピソードは、徹底した準備がどれほど経営を安定させるかを物語っています。人任せにせず、自ら事業計画を練り上げたその姿勢こそが、不透明な時代に店を維持し続けるための最強の盾となっているのだと感じました。

「ちょうどいい距離感」と現場の努力

【Q】インタビュアー
地域密着で営業する中で、リピートしてもらうために意識していることはありますか?

【A】吉田氏
接客における「ちょうどいい距離感」です、話しかけられたら会話を楽しみますが、静かに食べたい方には深入りしません。繁盛しているお店ほど、この絶妙な距離感を保っているものです。SNSでの発信よりも、まずは目の前のお客様に「また来たい」と思ってもらえるよう、現場での努力を積み重ねること。それが地域に根ざす居酒屋経営いは不可欠だと思います。

💡「また来たい」と思わせる秘訣は、SNSの拡散力ではなく、カウンター越しに交わされる「心地よい時間」の中にありました。踏み込みすぎず、かといって冷たくない。そんな吉田さんの「ちょうどいい距離感」が一人客からご家族連れまで、あらゆるお客様にとって安心感に繋がっていると思います。

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これから飲食開業を考えている人へ

【Q】インタビュアー
最後に、これから飲食店を開きたいと考えている人へアドバイスをお願いします。

【A】吉田氏
開業資金の計画をしっかり立てること、そして1年間の事業計画を自分の頭に入れておくことが大切です。自分で数字を管理できれば、経営の判断に迷いがなくなります。そして、最初の1〜2年は苦しいこともあるかもしれませんが、決して諦めないこと。軸をぶらさずに続けていけば、必ず道は開けます。

💡「最初の1〜2年は諦めたらだめ」という言葉には、現場を必死に走り抜いてきた吉田さんだからこその重みがあります。綿密な計画という「盾」と、情熱という「矛」を持って挑む。その真っ直ぐな生き様が投影された「たたらやま」は、これからも東向島の夜を優しく照らし続けていくことでしょう。

吉田さんの開業投資白書

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開業資金内訳

  • 物件取得費: 237万円
  • 保証金: 99万円
  • 内装費用: (★居抜き活用) 230万円
  • 家具備品: (★居抜き活用) 60万円
  • 厨房設備: 150万円
  • 空調他設備: 万円
  • 開業前仕入れ費: 6万円
  • 運転資金: 500万円
  • 広告宣伝費: 万円
  • オーナーの「こだわりPoint」:

    ・前テナントで使用してたハイチェアを低く調整し再利用
    ・入口のドアを店内が見えるガラス窓に変更
    ・店内の大判窓に木の格子を設置し店内を和テイストに

  • 合計投資額: 1282万円

店舗情報

店舗名 / 会社名

たたらやま

業態

焼き鳥

開店・設立日

2025年10月17日

最寄駅

東向島

アクセス

徒歩1分

住所

〒131-0032 東京都墨田区東向島5丁目3-2

営業時間

定休日

月曜

電話番号

03-6657-4976

公式サイト

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加藤マリ
趣味は、おいしいお酒とラーメンを求めての食べ飲み歩き。「いつか理想のお店を出したい」というオーナー様の夢を、物件探しの面から全力でサポートしています。現場を知る一人のファンとして、飲食店経営の第一歩である「最高の物件探し」を親身にお手伝いします。
加藤マリ
趣味は、おいしいお酒とラーメンを求めての食べ飲み歩き。「いつか理想のお店を出したい」というオーナー様の夢を、物件探しの面から全力でサポートしています。現場を知る一人のファンとして、飲食店経営の第一歩である「最高の物件探し」を親身にお手伝いします。

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