【事前に回避!】飲食店開業直後に絶対避けたいトラブルと対策徹底解説!

あなたの飲食店、大丈夫?開業直後に多い"思わぬトラブル"とは

 

開業はゴールではありません。むしろ、飲食店経営の“本番”はオープンしたその日から始まります。「無事に開店できた」「内装も料理もバッチリ」――そんな達成感に浸る間もなく、思いもよらないトラブルが次々に襲ってくるのが現実です。

実は、飲食店の2軒に1軒が“開業からたった3ヶ月”で経営の危機に直面しています。

理由はシンプル。「まさか」「うちに限って」が招く、小さなミスや油断の積み重ね。「うちは大丈夫」と思っている今こそ、最も危険なタイミングかもしれません。

飲食店のトラブル、ほとんどは"事前に防げる"って知っていましたか?

 

「トラブル」と聞いても、どこか他人事に思えるかもしれません。でも実際、飲食店のトラブルの多くは“予測できて、防げる”ものばかりなんです。つまり――最大のリスクは「知らないこと」。

今のうちに種類と対策を押さえておけば、いざという時にも慌てず対応できます。開業初期こそ、トラブルを起こさない“仕組みづくり”が重要です。この記事では、飲食店に多い「衛生・接客・金銭」の3大トラブルのケースと対策をわかりやすくご紹介します。

飲食店の清潔に見えても危険!?開業直後に起きやすい衛生トラブル

①衛生トラブル

“おいしさ”よりも先に、お客様は“清潔さ”を見ています。

飲食店経営において、衛生管理はお客様の安全と信頼を守る最重要ポイントです。
特に開業したばかりの店舗では、設備やスタッフの動きに慣れていなかったり、

衛生基準の理解不足からトラブルが起きやすい時期。「清潔そうに見えるから大丈夫」と油断していると、思わぬ衛生トラブルが一気に経営を揺るがしかねません。ここからは、開業直後によくある具体的な衛生トラブルのケースを3つ紹介し、それぞれの原因と対策をわかりやすく解説していきます。

CASE①:保健所の抜き打ちチェックで営業停止になってしまう

洋食店を開業した元飲食チェーン店勤務のAさん(30代女性)のケース

元飲食チェーン店で勤務経験のあるAさんは、東京都内のオフィス街近くに約15坪、20席の洋食レストランを開業しました。

【起こったトラブル】
開業からわずか2週間後、保健所の抜き打ち検査が入りました。
厨房の換気扇フィルターには、開業準備やオペレーションの忙しさから清掃が後回しになっていた油汚れが厚くこびりついていました。
また、床下の排水溝周辺も清掃が不十分で、カビや汚れが目立つ状態であることを指摘されました。
これらは衛生管理上の重大な違反事項と判断され、改善が完了するまで営業許可の一時停止処分が下されました。

【トラブル後の結果】
週末の繁忙期に営業停止となったことで、売上が大幅に減少。
初期のリピーターも減り、店舗の信用にも影響が出ました。
急いで清掃と衛生管理体制の見直しを進める一方、保健所との連絡調整や報告に追われてしまいました。

できる対策

換気扇や排水溝の清掃を定期的に行い、衛生基準を守ることが重要です。開業前に保健所の指導を受け、スタッフ全員に衛生管理の教育を徹底しましょう。

 

CASE②:異物混入でSNS炎上し、評判がガタ落ち

カフェを開業した元OLのBさん(20代女性)のケース

元OLのBさんは、大阪市の閑静な住宅街に約10坪、15席の小さなカフェを開業しました。
飲食業界未経験で、初めての店舗経営でした。

【起こったトラブル】
オープンから3ヶ月目のある日、常連客の一人がサラダの中に長い髪の毛が混入していることに気づきました。
スタッフは当時、調理中の帽子やヘアネットの着用を徹底しておらず、衛生意識に甘さがありました。
このクレームに対し、店舗では現場対応が遅れ、十分な謝罪もできませんでした。
不満を抱えた客は写真付きでSNSに投稿し、その投稿は瞬く間に拡散。
さらに同時期にGoogleの口コミでもネガティブな評価が増え、店の評判が急速に悪化してしまいました。

【トラブル後の結果】
SNS炎上を受け、新規のお客様からの予約や来店が激減。売上は大幅に落ち込み、資金繰りに苦労しました。Bさんはすぐにスタッフ全員に対して衛生管理の徹底を命じ、帽子・ヘアネットの着用を義務化。さらに、 謝罪文をSNSと店頭で公開しましたが、完全に客足が戻るまでには半年以上の時間を要しました。

できる対策

帽子やヘアネットの着用を必ず徹底し、異物混入を防ぎましょう。クレームには迅速で誠実な対応を心がけ、SNSの監視と早期の情報発信も欠かさないようにしましょう。

 

CASE③:冷蔵庫の温度管理ミスで食中毒疑いに発展

居酒屋を開業した元サラリーマンのCさん(50代男性)のケース

50歳で脱サラしたCさんは、福岡市の繁華街にある約25坪、30席の居酒屋を開業しました。
飲食業界未経験で、自己資金での独立でした。

【起こったトラブル】
夏の繁忙期のある日、冷蔵庫の温度計が故障していることにスタッフが気づかず、長時間にわたり適切な温度管理がされていないまま食材を保管してしまいました。
数日後、数名の来店客が食後に腹痛や下痢を訴え、保健所から食中毒の疑いがあるとして報告義務が発生。
保健所の立ち入り調査と指導が行われ、衛生管理の改善命令が出されました。

【トラブル後の結果】
  温度管理の記録やチェック体制が整っていなかったことを痛感し、冷蔵庫の温度計はすぐに修理・交換。幸い営業停止には至らなかったものの、客の安全性への不安から常連客の来店が激減し、売上に大きな打撃を受けました。

できる対策

冷蔵庫の温度は毎日記録し、異常があればすぐに対応しましょう。温度計は定期的に点検し、責任者を決めてスタッフ教育を徹底してください。また、問題のある食材は速やかに廃棄しましょう。

料理は美味しい。でも、接客で減点されてない?

②接客トラブル

「料理はおいしいのに、なんか感じ悪いよね」――その一言が命取り。

味に自信があっても、接客でつまずけばお客様の心は離れてしまいます。とくに開業直後の店舗では、スタッフ教育が行き届かず「接客の質」が見落とされがち。ちょっとした言葉遣いや、忙しさからくる雑な対応が、SNSや口コミで一気に拡散し、売上にも直結する時代です。ここでは、実際に起きた接客トラブルのリアルな事例とその対策をご紹介します。

CASE①:アルバイトの言葉遣いにクレームが殺到

ベーカリーを開業した元事務職のDさん(30代女性)のケース

元事務職のDさんは、東京都郊外の閑静な住宅街に約12坪、15席のベーカリーカフェを開業しました。飲食業界未経験で、初めての店舗経営です。接客の重要性は認識していたものの、スタッフ教育には慣れていませんでした。

【起こったトラブル】
新人アルバイトが敬語を使わず、年配のお客様にタメ口で接客してしまいました。数名の常連客から「失礼だ」「不愉快だ」といったクレームが入り、店舗の評判に悪影響が出始めました。オーナーのEさんは問題に気づくのが遅れ、スタッフへの指導が後手に回ってしまいました。

【トラブル後の結果】
クレームの影響で数名の常連が来店を控えるようになり、新規客の獲得も鈍化しました。急遽、接客マナーのマニュアルを作成し、スタッフ全員に研修を実施しました。指導の効果でアルバイトの態度は改善したものの、失った信頼の回復には数ヶ月かかりました。

できる対策

接客トラブルを防ぐには、まず新人スタッフへの接客マナー教育を初日から丁寧に行うことが大切です。敬語や言葉遣い、客層に応じた対応を事前に共有しておくことで、トラブルを未然に防げます。

CASE②:忙しくて雑な接客になってしまう

ファストフード店を開業した元販売員のEさん(20代男性)のケース

両親が個人飲食店を経営していたEさんは、大阪市内の大型ショッピングモールに約10坪のファストフード店を開業しました。Eさん自身は飲食店経営をしたことがなく、スタッフ教育や店舗運営も手探りの状態でした。

【起こったトラブル】
ピーク時の混雑でスタッフが手一杯となり、お冷やの提供が遅れたり、注文確認を省略したためミスが続出しました。来店客から「忘れられている」「雑に扱われた」という不満がSNSや口コミサイトに投稿されましたが、スタッフも忙しさに追われていたため、クレームを早期に察知できませんでした。

【トラブル後の結果】
口コミ評価の低下が売上に直結し、資金繰りに影響が出ました。スタッフ数を増やし、ピーク時の役割分担を明確化することが課題になりました。

できる対策

混雑時、忙しい時間帯でもひと言添える声かけや最低限の対応を忘れないよう、優先順位をチームで共有しておきましょう。人手が足りない場合は、シフトや動線の見直しも必要です。

 

CASE③:クレーム対応ミスでGoogle口コミに★1がつく

居酒屋を開業した元営業マンのFさん(40代男性)のケース

元営業マンのFさんは、名古屋市の繁華街に約20坪、30席の居酒屋を開業しました。飲食業界未経験で営業経験のみで独立したため、クレーム対応に不慣れでした。

【起こったトラブル】
配膳ミスで注文した料理と違うものが届いた際に来店客から指摘を受けましたが、その時特にいそがしかったFさんは、謝罪をせず言い訳をしてしまいました。お客様は不快感を抱え、その場では黙っていたものの、帰宅後にGoogle口コミに★1評価と詳細な悪評を書き込み、店舗の評判に大ダメージを与えました。

【トラブル後の結果】
悪評が拡散し、新規予約が激減しました。Gさんはお客様に直接謝罪の電話と訪問を行い、誠実な対応を示しました。スタッフ全員にクレーム対応研修を実施し、以降は丁寧な接客と真摯な対応を心がけているものの、信頼回復には時間がかかっています。

できる対策

クレームがあった際は言い訳せずすぐに謝罪し、誠実な対応を心がけましょう。対応マニュアルや定期的なロールプレイ研修を取り入れることで、店舗全体の接客力も底上げできます。

飲食店の金銭トラブル、本当に大丈夫?

「ちょっとしたミスのはずが、お客様の信頼を一瞬で失った――」


実は、多くの飲食店が開業直後に直面しているのが、レジや会計まわりの金銭トラブルです。
オーダーミス、レジ締めのズレ、キャッシュレス決済の混乱…。
どれも「よくあること」で済ませてしまうと、口コミの悪化やリピート離れに直結する恐れが。

今回は、実際に起きた3つのリアルなケースと、今日からできる対策をご紹介。

③金銭トラブル

CASE①:オーダーミスで料金を二重請求してしまった

テイクアウト専門のサンドイッチ店を開業した元保育士のGさん(30代女性)のケース

元保育士のGさんは、神奈川県の住宅街に約8坪の小さなテイクアウト専門サンドイッチ店を開業しました。初めての飲食店経営だったため、家族や友人の協力も得て営業をスタートしました。

【起こったトラブル】
混雑するランチタイム中に、お客様が同じ注文を2回に分けて行ったことに気づかず、レジで二重に会計をしてしまいました。
お客様から指摘を受け、すぐに返金と謝罪をしましたが、「確認もせずに会計したのか」と不信感を抱かれてしまいました。

【トラブル後の結果】

口コミに「感じは良いけど、お会計に注意」と書かれ、信頼を損なった影響で新規の来店者数が大幅に減少。リピーターも思うように定着せず、数ヶ月後には売上が赤字に転落。立て直しを試みましたが届かず、オープンから8ヶ月で閉店することになりました。

できる対策

注文内容と会計金額は、必ず「確認 → 読み上げ → お渡し」の3ステップを徹底しましょう。スタッフ任せにせず、レジ横に「確認チェック表」を置くとミス防止に効果的です。

 

CASE②:毎日のレジ締めで金額が合わず混乱

セルフサービス式のカレー店を開業した元会社員のHさん(40代男性)のケース

脱サラしたHさんは、大阪内のオフィス街で、約18坪のセルフサービス式カレー店を開業しました。飲食業は未経験だったため、接客とレジ業務はアルバイトスタッフに任せていました。

【起こったトラブル】
営業後のレジ締め時に、毎日のように現金残高と売上が数百円単位でずれていることが発覚。スタッフ同士の操作が原因か不正かの判断もつかず、現場の空気が険悪に。レジ操作に関する明確なルールもなく、誰がいつ現金を扱ったかの記録も曖昧でした。

【トラブル後の結果】
原因が特定できないまま不信感が募り、アルバイトの一人が辞めてしまう事態に。急きょ、レジ操作ログが残るPOSレジを導入し、現金管理ルールを細かく設定しました。

 できる対策

現金の受け渡しやレジ締めには「日報・記録」を残し、ルールを文章化しましょう。POSの使い方も全員が理解している状態にし、不明点はすぐに共有・解決できる仕組みを作りましょう。

 

CASE③:レジで電子マネー決済がうまく使えず混乱

クレープ店を開業した元アパレル店員のIさん(20代女性)のケース

元アパレル店員のIさんは、福岡市内の商店街に約6坪のクレープ店を開業しました。若い女性客をターゲットにし、キャッシュレス決済も積極導入しましたが、端末操作に不安が残っていました。

【起こったトラブル】
オープン直後の週末、電子マネー決済端末の操作方法をスタッフが把握しておらず、決済エラーが続出。レジ前には列ができ、お客様を待たせてしまい、何名かはイライラしてそのまま離脱してしまいました。

【トラブル後の結果】

「並んだのに買えなかった」「店員が操作に慣れていない」といった口コミがSNSやレビューサイトに広がり、店の印象は悪化。 一度失った信頼を取り戻せず、集客に苦戦。売上は低迷し、開業から半年足らずで閉店を決断することになりました。

 できる対策

キャッシュレス端末の操作は事前練習が必須です。トラブル時の対応マニュアルも用意しておくと、焦らず対応できます。決済端末は、混雑時でも迷わず使える環境を整えておくことが重要です。

 飲食店のトラブル、未然に防ぐにはどうすればいい?

 

飲食店の開業は夢の第一歩。でも、その裏には思わぬトラブルの落とし穴が潜んでいます。


多くのトラブルは、実は「事前に知っていれば防げた」ものばかり。
突然のトラブルに慌てる前に、本記事を是非参考にして、今からできる準備を始めてみませんか?

開業直後の不安は、正しい知識と対策で大きな自信に変わります。
お客様に「また来たい」と思ってもらうために、まずはトラブルを未然に回避することから。


「知ること」が、トラブルゼロへの第一歩です!

田島いつき
国立政治大学 コミュニケーション学部 広告学科 広告や「食」のもつ伝える力に関心を持ち、日々学びを深めています。日本の観光情報を中国語で翻訳する仕事を通じて、言葉で魅力を伝える力を磨いてきました。今後は台湾の飲食企業でのマーケティング実習にも取り組む予定です。 記事では、特に飲食業界が初めての方でも「今、自分にできること」が具体的に見えてくるよう、段階を追って丁寧に解説することを心がけています。専門知識がなくても安心して読める、前向きな一歩を後押しできるようなコンテンツを目指しています。
田島いつき
国立政治大学 コミュニケーション学部 広告学科 広告や「食」のもつ伝える力に関心を持ち、日々学びを深めています。日本の観光情報を中国語で翻訳する仕事を通じて、言葉で魅力を伝える力を磨いてきました。今後は台湾の飲食企業でのマーケティング実習にも取り組む予定です。 記事では、特に飲食業界が初めての方でも「今、自分にできること」が具体的に見えてくるよう、段階を追って丁寧に解説することを心がけています。専門知識がなくても安心して読める、前向きな一歩を後押しできるようなコンテンツを目指しています。

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