飲食店経営の落とし穴!「儲かるメニュー」と「消える利益」を分ける3つの鉄則

「毎日これだけ忙しいのに、月末に手元に残る現金が少なすぎる…」 多くの個人飲食店オーナーが抱えるこの悩み。その原因の8割は、料理の腕ではなく「メニューの構造」にあります。飲食店にとってメニュー表は、単なるお品書きではなく、店の利益をコントロールするための「収益設計図」です。

今回はどんぶり勘定から脱却し、現金を残すためのメニュー見直し術を解説いたします。

1. 感情を捨てて数字を見る「ABC分析」の衝撃

「せっかく来てくれたお客様の好みに応えたい」という優しさで、メニューを増やしすぎていませんか? 実は、メニュー数が増えるほど、経営の難易度は跳ね上がります。まずは「ABC分析」という手法を使い、過去の注文数から全メニューを仕分けしましょう。

【仕分けの基準】

・Aランク(主力)

⇒売上の上位70%を占める商品、店を支える看板メニューです。

・Bランク(準主力)

⇒次の20%を占める商品。Aランクを補完する存在です。ここにある商品の原価率を下げたり、提供スピードを上げたりすることで、全体の利益が底上げされます。

・Cランク(お荷物商品)

⇒残りの10%を占める商品。週に数回しか出ないようなメニューです。

なぜ「お荷物メニュー」が危険なのか

「いつか頼む人がいるかもしれないから、材料だけは持っておこう」という考え方が、経営を圧迫します。週に1、2回しか出ない料理のために食材をストックすれば、当然鮮度は落ち、最後には廃棄することになります。

食材の廃棄は、財布から現金をゴミ箱に捨てているのと同じです。 思い切ってお荷物メニューを削れば、仕込みの時間は短縮され、冷蔵庫の回転が速くなり、常に新鮮な食材を提供できるという「攻めの好循環」が生まれます。

2. 原価率40%の「客寄せパンダ」と原価率10%の「稼ぎ頭」

すべての料理で一律に30%の利益を取ろうとするのは、個人経営の典型的な失敗パターンです。プロのオーナーは、原価の高いメニューと低いメニューを組み合わせて、店全体の「トータル利益」を最大化します。

看板メニュー(客寄せパンダ)の役割

 原価率が40〜50%と高くても、お客様が「この価格でこのクオリティはすごい!」と感動する目玉商品です。これがあるから、お客様は来店してくれます。

利益メニュー(稼ぎ頭)の役割

目玉商品と一緒に必ず頼まれる、手間がかからず原価の低い商品です。

例: 500円の生ビール(原価35%)よりも、450円の自家製レモンサワー(原価15%)を注文させる仕組みを作る。

例: 注文から1分で出せる「自家製ピクルス」や「塩キャベツ」。これらは人件費(作業コスト)がほぼゼロで、原価も10%台に抑えられる最強の利益源です。

3. <儲かる店の裏ルール>食材を「3倍」使い倒す工夫

個人店が大手チェーンに勝てないのは「仕入れボリューム」です。であれば、勝負すべきは「回転率」と「使い切り」です。

「1つの食材を、必ず3つ以上の異なる調理法・メニューで活用する」というルールを徹底してください。

例えば「鶏もも肉」を1枚仕入れたなら

1.メイン:鶏もも肉のステーキ(Aランク)

2.サイド:自家製唐揚げ(Bランク)

3.おまけ:鶏皮ポン酢(仕込みで出た皮を有効活用)

このように、1つの食材を徹底的に使い切る設計にすれば、廃棄ロスはゼロに近づき、仕入れ原価を実質的に下げることができます。

4.【心理戦】お客様の「視線」を操り、注文をコントロールする

お客様がメニューを開いてから注文を決めるまでの時間は、平均して数分以内です。その短い間に、お客様の視線を意図的に誘導し、店が「食べてほしいもの」へ導くためのデザイン設計を解説します。

①「Zの法則」と「Fの法則」

・横書き(「Zの法則」):視線は「左上→右上→左下→右下」と動きます。

・左上(絶対的エース):看板メニュー

・右上(利益商品):メインと一緒に頼んでほしい利益率の高いサイドメニュー

人気商品-1

・縦書き/文字多め(「Fの法則」):視線は「上から下」へと流れます

・上部2行が勝負!
⇒ページを開いた瞬間、上部20%に視線が集中します。ここに「まずは食べてほしい3品」などのボックス(囲み)を作ることで客単価をコントロールできます。

Fメニュー-1

②価格の書き方を工夫する。

価格を右端に縦にきれいに揃えてしまうと、お客様の脳は「安い順」にスキャンを始めてしまいます。価格はあえて料理のすぐ後ろにおくか、フォントサイズを1段下げて配置し、「価格ではなく、価値」で選んでもらう工夫が必要です。

③視線を強制停止させる「視覚的フック」

流れる視線をあえて止め、指を止めさせるための仕掛けを意図的に作ります。

・囲み枠(アイキャッチ)
売りたいメニューを太枠で囲む、または背景に薄く色をつけるだけで、そのメニューへの注目度は2倍以上に跳ね上がります。

・松竹梅の魔力
例えばコース料理やメイン料理を3つのランク(3000円、5000円、8000円)で並べると、日本人の多くは無意識に真ん中の「竹(5000円)」を選びます。
これを逆手に取り、一番利益率が高い商品を真ん中に配置します。

・限定/おすすめのアイコン
「限定10食」「店主イチオシ」といったアイコンを付けるだけで
視線はその文字に行き、決断のスピードを早めます。

まとめ:メニュー表は、あなたの代わりの「無言の接客」の役割

メニューを見直すことは、スタッフのオペレーションを楽にし、お客様の満足度を上げ、そして何より店にお金を残すことに直結します。

【儲かるメニューを作る!】本日のまとめ

  1. 看板商品・利益商品・お荷物商品をデータで洗い出す。
  2. 廃棄ロスの元凶である「お荷物商品」を切り捨てる。
  3. 視線誘導を使い、お客様に「店が一番自信のあるもの」を選ばせる。

このステップを実行するだけで、たとえ売上が変わらなくても、翌月の利益額は驚くほど変わります。あなたの店のメニュー表は、今、稼げる状態になっていますか?

加藤マリ
趣味は、おいしいお酒とラーメンを求めての食べ飲み歩き。「いつか理想のお店を出したい」というオーナー様の夢を、物件探しの面から全力でサポートしています。現場を知る一人のファンとして、飲食店経営の第一歩である「最高の物件探し」を親身にお手伝いします。
加藤マリ
趣味は、おいしいお酒とラーメンを求めての食べ飲み歩き。「いつか理想のお店を出したい」というオーナー様の夢を、物件探しの面から全力でサポートしています。現場を知る一人のファンとして、飲食店経営の第一歩である「最高の物件探し」を親身にお手伝いします。

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