【飲食店開業/Bar】蒲田「Himmel」オーナーが 語る、開業の苦労と、地域密着の経営スタイル
<e店舗の物件情報から、運命の一軒を見つけ開業を実現させた起業家を追うインタビュー企画。今回は、電鉄会社からの異業種転職を経て、夫婦二人三脚でカラオケバーを開業した店主のストーリーです。>
京急蒲田から徒歩1分の2階に佇む、青色のライトアップが印象的なカラオケバー「Himmel」。店内の設計とグラスには、「家のようにくつろげる空間をつくりたい」というご夫婦の温かい願いが込められています。オープン当初、客ゼロという苦境から戦略を練り直し、わずか半年で来店数を5倍に伸ばした軌跡。リピーターが7割を占める人気店へと成長させた、その挑戦の秘密と覚悟を伺いました。
安定を捨てた決断と「飲食開業」を決めた理由
【Q】インタビュアー
電鉄会社からカラオケバーへ転身された背景、そして開業を決めたきっかけを教えてください。
【A】町田氏
もともと電鉄会社で駅員を10年勤めていました。その後、飲食店の店長を経験しているうちに、妻が事業立案をしてくれたことがきっかけで「自分の店を開こう」と考えるようになりました。資金に関しては借入をせず、すべて自分で準備して勝負に出ました。
10年という長きにわたり鉄道員として安定したキャリアを築きながらも、飲食業への情熱を絶やさず、奥様の事業立案を機に一歩踏み出した決断力に感銘を受けました。何より、公的な融資に頼らず自己資金のみで開業されたという事実は、この店にかける並々ならぬ覚悟の表れです。奥様との「二人三脚」という形が、店主にとって最大の原動力になったのだと強く感じました。
10件以上を巡って出会った物件
【Q】物件探しにおいて、蒲田という場所やこの物件に決めた決め手は何だったのでしょうか?
【A】実は、最初から蒲田という町に強いこだわりがあったわけではありません。ただ、自分たちでお店を開くにあたって10件~15件ほどは実際に足を運んで見て回りました。その中で、最終的に駅近かつ新築の物件が蒲田で見つかったことが最大の決め手となりました。
理想を追い求めるだけでなく、実際に10件以上の物件を自らの足で確認する泥臭い努力が、結果として「駅近・新築」という好条件を引き寄せたのだと感じます。特定のエリアに固執しすぎず、物件自体のポテンシャルと「駅から近い」という集客上の利便性を冷静に見極めた合理的な判断も開業には必要な要素になるでしょう。
リスクを最小限に。「飲み放題中心」の戦略
【Q】インタビュアー
食事はなく「飲み放題中心」にしたのはなぜですか?
【A】町田氏
飲食店をやるなら食事も…と考える方も多いと思いますが、僕はあえてお酒に絞りました。「飲み放題」を中心に据えて、気軽に立ち寄って楽しめる仕組みを選びたかったんです。食事を提供しないもう一つの理由は、食品の原価率のリスクが高いことです。実際に利用されるお客様のほとんどが飲み放題を選び、お酒をきっかけにお客様同士が自然と仲良くなっていく、まさに狙い通りの出会いの場になっています。
食事提供による「ロスや原価率」というリスクを徹底的に回避するため、あえて「飲み放題」に絞るという経営判断を下されました。この合理的な戦略が、「気軽に立ち寄って楽しめる」というコンセプトを支え、お客様同士の交流を促進する“出会いの場”としての Himmel の独自性を確立しました。
飲食開業後に直面した「集客ゼロ」を打開した具体的施策とは?
【Q】インタビュアー
オープン当初の集客はうまくいきましたか?
【A】町田氏
正直、最初の数か月は大変で、お客様がほとんど来なくて…。集客に悩みましたし、我慢するのも大変でした。
しかし、Googleを活用したことで新規のお客様が徐々に増え、今では当初に比べて5倍に増えました。
また、当初設定していた価格を見直して敷居を低くしたこと、接客面でも細かな気遣い(話しかけて関係を構築、飲み放題の時間経過をこまめに伝えるなど)や妻によるお見送りといったお店の雰囲気作りがリピート率を増やすことになったと考えています。
💡厳しいスタートを、Googleを活用したデジタル戦略と価格見直しや接客スタイルの確立から V 字回復させた軌跡は、開業希望者にとって大きなヒントです。さらに、奥様が行う温かいお見送りなど、夫婦二人三脚で行う「家のような細やかな気遣い」こそが、リピーター7割という驚異的な数字を支える決定打だと感じました。
夫婦と常連客が作り上げた「また来たい」と思わせる空間
【Q】インタビュアー
Himmelに「また来たい」と思わせる理由とは?
【A】町田氏
新規のお客様には必ず声をかけるようにしています。常連さんが自然と仲間に入れてくれることも多いので、家にいるようなアットホームな雰囲気を大切にしています。実際「居心地がよくてつい長居しちゃう」「また来たくなる」と言ってくださる方が多くて、それが何より嬉しい瞬間ですね。自分の店で出会ったお客さんが付き合うなど、本当に理想が実現できているなと思う時があります。
店名や内装に込められた「家のようにくつろげる空間」というご家族の願いは、お客様同士のつながりを生む形で実現しています。お客様の距離が近いアットホームな雰囲気はもちろん、店主と奥様による温かい接客が、訪れる人を「地域密着型の自分の居場所」として深く引きつけているのだと感じました。
これから飲食開業を考えている人へ
【Q】インタビュアー
お店を開こうか考えている人にメッセージはありますか?
【A】町田氏
開きたいと思ったらやってしまった方がいいですよ。思ってもやれない方が多いから。失敗しても楽しいもんだと思います。恐れずに思った通りにやった方がいい。考えすぎるとできないので、思い立ったら挑戦してほしいです。
「失敗を恐れず挑戦することの大切さ」こそが、夫婦二人三脚で成功を収めた店主の哲学です。「思ったらやる」「考えすぎない」という迷いを断ち切る強いメッセージは、一歩を踏み出せない開業希望者への力強いエールとなるでしょう。
町田さんの開業投資白書
開業資金内訳
- 物件取得費: 269万円
- 保証金: 万円
- 内装費用: (★居抜き活用) 800万円
- 家具備品: (★居抜き活用) 150万円
- 厨房設備: 万円
- 空調他設備: 万円
- 開業前仕入れ費: 30万円
- 運転資金: 500万円
- 広告宣伝費: 万円
- オーナーの「こだわりPoint」:
- 合計投資額: 1750万円
店舗情報
店舗名 / 会社名 |
Himmel |
|---|---|
業態 |
カラオケバー |
開店・設立日 |
2024年09月06日 |
最寄駅 |
京急蒲田駅 |
アクセス |
徒歩1分 |
住所 |
〒144-0052 東京都大田区蒲田4丁目18‐9 フジビル2 2階 |
営業時間 |
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定休日 |
月 |
電話番号 |
03-6424-4574 |
公式サイト |
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・店名である「Himmel」(空、天国)などにちなんで青基調の店内に。トイレはティファニーブルーでおしゃれ空間に仕上げた。