2025/11/28
【2025最新】フィリピン飲食市場を徹底解説|マニラ・セブ・ダバオ出店の成功ポイントとは?
フィリピン飲食市場を徹底解説。人口1億人・若年層・モール文化が外食を後押し。マニラ・セブ・ダバオの客層、単価、賃料、人気業態、出店の注意点、法制度まで網羅。日本食の成功ポイントも紹介
1. 市場概要|“ファミリーと甘味文化”が支えるASEAN有数の外食大国
人口約1.1億人。平均年齢25歳前後と若く、英語普及率も高いフィリピンは、消費意欲と外食頻度の高さで知られています。1人当たりGDPは約4,800USD(2024年 IMF推定)で、ASEAN中位ながら都市部を中心に中間層が拡大中。
文化的には「家族単位での外食」「甘く濃い味付け」「ボリューム志向」が特徴的です。
また、長年の米国文化の影響でファストフード文化が根強く、JollibeeやMcDonald’sが圧倒的な店舗数を誇ります。一方、近年は日本食・韓国食が“おしゃれ外食”として人気を獲得しています。
宗教面では約8割がカトリック教徒。イスラム圏よりも宗教規制が緩く、ハラール対応よりも“清潔さとサービス品質”が重視される傾向にあります。
2. 数字で見る飲食市場|“中間層+モール文化”がけん引する拡大トレンド
最低賃金
外食支出比率
月間外食頻度
カフェ平均単価:200〜300ペソ(約500〜800円)
ラーメン平均価格:350〜600ペソ(約900〜1,500円)
物価上昇率:約3〜4%(安定的)
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都市化とモール開発が外食市場の要となっています。SM、Ayala、Robinsonsなど大手デベロッパーが開発する大型モール内でのテナント出店が一般的で、「立地=モール」が常識化しています。
3. 都市別ガイド
マニラ首都圏
エリア概要
セブ
エリア概要
このエリアについてのコメント
“リゾート×都市のハイブリッド市場”
外国人居住者と観光客が多く、物価もやや高めです。
セブシティ中心部(Ayala Center Cebu, IT Park)は若者・外国人・企業関係者が多く、日本食・韓国食・カフェ業態が好調です。
ダバオ
エリア概要
このエリアについてのコメント
“落ち着いた中核都市。地元密着の安定市場”
南部ミンダナオの経済拠点です。
外食産業はマニラほど競争が激しくなく、日系レストランの進出余地が残る市場とも言われています。
安全性・清潔感を重視する層が多く、「和食=信頼」のブランド価値が高い傾向にあります。
地域の有名店
- Jollibee
- Mang INASAL
- Chowking
日系チェーンの出店状況
- 丸亀製麺
- CoCo壱番屋
- 吉野家
- ラーメン黒田
このエリアの店舗マップ
4. 出店のポイント|“清潔さ×スピード×ボリューム感”が鍵
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・モール立地が前提条件:主要デベロッパー(SM、Ayala、Robinsons)との連携が必須。
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・フィリピン人スタッフのホスピタリティを活かす:接客教育は比較的スムーズ。
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・ボリューム重視のメニュー設計:炭水化物+揚げ物が人気。
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・SNSマーケティングが極めて有効:Facebook・TikTokでの動画拡散が即集客につながる。
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・甘味・チーズ・ガーリック系の味調整がローカライズの鍵。
5. フィリピン出店に欠かせない法制度・法人設立のポイント
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外資規制:飲食業は原則100%外資所有が可能だが、Foreign Investment Actにより外国資本40%超かつ国内市場向け企業は最低払込資本金US$200,000が必要。一部のケースでは大量雇用・高度技術などの条件を満たすことで要件緩和が認められる。
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法人形態:SEC(証券取引委員会)で株式会社(Domestic Corporation)として設立。輸出主体や経済特区内の店舗は、条件を満たせばPEZA登録企業として税優遇を受けるスキームも選択可能。
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税制:法人税は原則25%(小規模法人は20%)。PEZAなど投資優遇スキームを利用する場合、一定期間の法人税免除や特別法人税率などが適用されることがあり、輸出比率や立地によって最適な枠組みを検討する必要がある。
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最低資本金:US$200,000(大量雇用・高度技術などを満たす場合はUS$100,000程度まで引き下げられるケースあり)
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雇用:英語通用度が高く、若年労働力が豊富。外国人マネージャーやシェフはDOLEのAEP+就労ビザの取得が必要。
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許認可:LGU(地方自治体)から営業許可を取得し、併せてBIR登録、バランガイクリアランス、食品衛生・防火・建物安全に関する各種クリアランスを揃える必要がある。これらは原則として毎年更新が必要で、開業前に一連のフローを逆算しておくことが重要。
6. まとめ|“家族と甘さ”で成長を続ける外食大国
フィリピンは、ASEANの中でも家族文化・SNS文化・若年人口が外食を強力に支えている国です。
日本食は「信頼・清潔・品質」の象徴として広く受け入れられ、特にラーメン・カツ・寿司・カフェなどが順調に拡大しています。「清潔でボリュームがあり、笑顔でサービスする店」
この要素を満たす日本ブランドこそ、フィリピンで長く愛される存在となるでしょう。
このエリアについてのコメント
“国際チェーンとローカルが共存するASEAN有数の競争市場”
政治・経済・文化の中心地として知られています。
Makati、BGC(Bonifacio Global City)、Ortigas、Quezon City などエリアごとに特徴が分かれます。
外資・日系企業が集中し、購買力の高い20〜40代社会人層が主要ターゲットです。