飲食業の外国人雇用、何が変わった?採用後に「すぐ辞める」「使えない」を防ぐために知るべきこと【2026年最新】
⚠️ 重要:特定技能「外食業」1号の新規受入れは2026年4月13日から原則停止。海外からの呼び寄せ・留学生からの切り替えは不可に。国内在住の転職者・育成就労・2号への移行が現在の主な採用ルート。
1. この記事でわかること
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- 外国人労働者数230万人突破(2024年)の実態と飲食業界への影響
- 特定技能外食業1号の新規受入れ停止(2026年4月〜)と代替採用ルート
- 国別の特性——ベトナム・ミャンマー・インドネシア・中国の比較
- 採用後に「すぐ辞める」「定着しない」を招く失敗パターン
- 外国人材を戦力化するための受け入れ体制づくり
2. 結論
外国人労働者は2024年に230万人を突破し過去最多(厚生労働省)。飲食業は前年比15.4%増と急増したが、2026年4月に特定技能外食業1号の新規受入れが停止された。今後の採用は国内転職者・育成就労・2号へのシフトが必須。採用後の「即離職」は住居サポート不足・文化的配慮の欠如・キャリアパスの不明確さが主因。
3. 飲食業界の外国人雇用はどのくらい増えているのか?
2024年10月末時点で外国人労働者は230万2,587人(前年比12.4%増・過去最多)。宿泊業・飲食サービス業は全体の12%を占め、飲食業単体では前年比15.4%増。2020年比では28.7%増加、事業者数は2020年比30%増。
厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況(令和6年10月末時点)」によると、2024年10月末時点の外国人労働者数は230万2,587人(前年比12.4%増)で過去最多を更新しました。伸び幅(約25万4,000人増)も過去最大です。
産業別では宿泊業・飲食サービス業が全体の12%を占め、飲食業に限ると前年比15.4%増と全産業平均を上回る勢いで増加。外国人労働者を受け入れている飲食業の事業者数も2020年比30%増となっています。
在留資格別では特定技能が急速に拡大しており、2024年12月末時点で特定技能全体は28万4,466人(前年比大幅増)に達しています(出入国在留管理庁)。宿泊業・飲食サービス業で働く外国人のうち特定技能ビザの割合は前年の6.1%から8.9%に増加し、特定技能が外国人雇用の主流になりつつある動向が確認されています。
4. 特定技能「外食業」が停止した今、採用ルートはどう変わったのか?
2026年4月13日から特定技能外食業1号の新規申請は原則不許可・不交付。有効な採用ルートは①国内在住の外食業分野1号転職者、②育成就労制度(2027年施行・技能実習の後継)経由、③特定技能2号への育成、④身分系在留資格(永住者・定住者等)の採用の4つ。
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採用ルート |
概要 |
ポイント |
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国内転職者(外食1号) |
国内で外食業1号として就労中の人材が転職 |
2026年4月以降も審査継続。唯一の即戦力ルート |
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育成就労(2027年〜) |
技能実習の後継制度。段階的な育成前提 |
2027年6月施行予定。制度移行期間中は注意 |
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特定技能2号 |
1号から移行。在留期間無制限・家族帯同可 |
外食業分野は2023年8月から対象。受入れ上限なし |
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身分系在留資格 |
永住者・定住者・日本人配偶者等 |
就労制限なし。日本人と同条件で採用可能 |
5. 国別の特性を理解することはなぜ重要なのか?
国籍によって日本語レベル・宗教・文化的背景・定着率が大きく異なる。「外国人だから全員同じ対応」では離職につながる。ベトナム・ミャンマー・インドネシア・中国それぞれの特性を把握した採用・受け入れ設計が定着率向上の鍵。
国籍別・外国人労働者の特性比較(2024年データ)
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国籍 |
2024年増加率 |
飲食業での強み |
配慮が必要な点 |
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ベトナム |
全体の24.8% |
日本語教育が進んでいる。接客・調理補助に適性高い |
送金ニーズが強く、給与水準の競争激しい |
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ミャンマー |
前年比+61% |
真面目で定着率が高いと評価。仏教徒多く誠実 |
軍事政権の影響でパスポート取得に支障が出るケースあり |
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インドネシア |
前年比+39.5% |
若年層が多く柔軟性高い。急増中で採用市場が活発 |
イスラム教徒が多くハラル対応・礼拝時間への配慮必要 |
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中国 |
前年比+2%(鈍化) |
語学力が高く高学歴層も多い |
中国国内賃金上昇で日本の魅力が相対的に低下 |
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これはあくまで「一般論に基づく話」です。日本人でも「真面目」などと総称される一歩で現実には様々な性格を持った人がいます。同様に「個人間の差」があるということに注意してください
6. 採用後に「すぐ辞める」「使えない」を招く失敗パターンは何か?
最も多い失敗は「住居サポートの不備」「文化的・宗教的配慮の欠如」「キャリアパスが見えない職場」の3つ。採用コストをかけても定着しなければ繰り返し費用が発生する。受け入れ体制の整備が採用活動より先に必要。
失敗パターン①:住居・生活サポートを整えていない
外国人材が来日して最初にぶつかる壁が「住居の確保」です。保証人を立てられない・日本語の賃貸契約が読めないなどのハードルから、住居が確保できずに採用が白紙になるケースがあります。住居の紹介・契約時の保証人対応など、安心して生活できる環境を整えることが定着率に大きく影響します(stepjob.jp, 2025年)。
失敗パターン②:宗教・文化的配慮の欠如
インドネシア人の多くはイスラム教徒であり、礼拝時間・ハラル食材・断食(ラマダン)への配慮が必要です。こうした配慮なしに通常の勤務シフトを組むと「理解されていない」という感覚から離職につながります。採用時に宗教・文化的背景を確認し、合理的な配慮を設計することが重要です。
失敗パターン③:キャリアパスが見えない
特定技能1号は最長5年で帰国が前提となるため、外国人スタッフにとって最大の不安は「5年後はどうなるのか」です。2号へのステップアップ・昇給・責任あるポジションへの道筋を可視化することが、他店への引き抜き防止と長期定着の最大の武器になります。
失敗パターン④:在留資格・手続きのミスで不法就労リスク
在留資格は種類によって就労できる業務範囲が異なります。たとえば「留学ビザ」では週28時間の制限があり、これを超えると不法就労になります。手続きの複雑さから専門家なしで対応してトラブルになるケースも多く、行政書士や専門の人材紹介会社のサポートが推奨されます。
7. 外国人材を戦力化するために必要な受け入れ体制とは何か?
受け入れ体制の最低限は「住居サポート」「日本語サポート・マニュアルの多言語化」「宗教・文化的配慮」「2号へのキャリアパスの明示」の4点。採用コストを無駄にしないために、採用活動より先に受け入れ体制を整えることが重要。
- 住居サポート:保証人代行・住居紹介・生活必需品の準備支援
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業務マニュアルの多言語化:日本語能力に差があっても品質を均一に保つ
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文化・宗教的配慮:礼拝時間・ハラル食材・食の禁忌への対応方針を明確に
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2号へのキャリアパス可視化:昇給計画・試験サポート・家族帯同の可能性を示す
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日本人スタッフへのインクルージョン教育:「差別・偏見なく一緒に働ける職場」づくり
8. 専門の採用支援サービスを活用するには
特定技能外食業の停止により、採用ルートが変化した今、在留資格の理解・採用手続き・定着支援を一括して対応できる専門家の活用がより重要になっています。
GFWORKSでは、飲食業に特化した外国人採用の支援を行っています。国内在住の特定技能保持者の紹介から、在留資格手続き・採用後の定着支援までワンストップで対応しています。
9. よくある質問(FAQ)
Q. 特定技能「外食業」の停止後、外国人採用はできなくなりますか?
A. 完全にできなくなるわけではありません。新規の海外からの呼び寄せ・留学生からの切り替えは停止されましたが、国内在住の外食業分野1号転職者の採用・特定技能2号・育成就労(2027年〜)・身分系在留資格(永住者・定住者等)は引き続き有効な採用ルートです。採用戦略を国内転職者中心にシフトすることが現在最も現実的です(2026年4月停止。ビザマネ, 2026年4月)。
Q.外国人労働者の定着率を上げるために最も重要なことは何ですか?
A. 「5年後のキャリアパスを可視化すること」と「住居サポートの整備」が最も効果的です。特定技能1号は最長5年という期限があるため「5年後はどうなるのか」が最大の不安です。2号への移行計画・昇給・責任あるポジションへの道筋を入社時から示すことで、他店への引き抜きを防ぎ長期定着につながります。
Q. インドネシア人を採用する際に特に注意すべきことは何ですか?
A. ハラル対応(豚肉・アルコールを含む食材を扱わせない)と礼拝時間(1日5回の礼拝)への配慮が必要です。また断食月(ラマダン)は業務への影響が出ることもあります。採用前にこれらへの対応方針を決め、本人と合意した上で採用することがトラブル防止につながります。インドネシアからの労働者は2024年に前年比39.5%増と急増しており、採用競争も活発化しています。
Q. 外国人採用で不法就労を防ぐにはどうすればいいですか?
A. 雇用前に在留カードを確認し、在留資格・就労制限の有無・在留期限を必ず確認してください。留学ビザは週28時間・1日8時間の労働制限があります。在留資格の種類によって就労できる業務範囲が異なるため、不明な点は行政書士や専門の人材紹介会社に相談することを推奨します(moneyforward, 2025年11月)。
Q. 育成就労制度とは何ですか?技能実習と何が違いますか?
A. 育成就労は2024年6月に成立した法律で、2027年施行予定の技能実習の後継制度です。技能実習は「技術移転」を建前とした制度でしたが、育成就労は「人材育成・確保」を明確な目的とします。また技能実習では原則認められなかった転籍(職場の変更)が、育成就労では一定の条件下で認められる予定です。制度移行期間中は最新情報を確認することが重要です。
