2026/04/07
飲食店の二店舗目出店に必要な資金はいくら?【1店舗目との違いと融資・資金計画をチェックリストで完全解説】
一店舗目はなんとか軌道に乗ったけれど、二店舗目の出店を考えたとき、資金の調達で頭を抱えていませんか?
「自己資金だけでは足りない」「融資は通るのだろうか」と不安に感じるオーナーも多いはずです。
本記事では、二店舗目の融資を引くために、一店舗目で押さえておくべき数字の作り方や、日本政策金融公庫(JFC)の融資を活用する方法、さらに補助金や助成金の活用ポイントまで整理して解説します。「どの数字を整えて、どの資金調達方法を組み合わせれば二店舗目が現実的か」が具体的にわかるような内容です。
1. 2店舗目出店でかかる費用 |1店舗目と異なるポイントを整理
一店舗目の経験があっても、二店舗目を出店する際には新たに発生する費用があります。これらは一店舗目と重複しない、新規に必要になるコストです。資金計画を立てるうえで、まずはどの費用が必要かを整理しておきましょう。
1. 出店場所・物件関連費(500〜1,500万円|1号店との立地・設備の違いに注意
二店舗目では一店舗目とは違う立地に出店することが多く、そのため物件取得にかかる費用が発生します。具体的には以下です。
- ・ 賃貸料や敷金・礼金
- ・ 不動産仲介手数料、保証金
- ・ 初期契約費用(保証会社や火災保険料など)
- ・ 立地選定のための市場調査費や広告費
- ・ 内装・設備費
特に飲食店では、厨房設備や排気設備などの工事費が大きな割合を占めるため、物件選びによって初期費用が大きく変わることがあります。
2. 人件費・ 運転資金(200〜600万円)|二店舗目で利益を食いつぶさない工夫
売上が軌道に乗るまで、新規店舗ではスタッフの採用や教育にかかる費用が最初の負担になります。
- ・ 新規スタッフ採用費(求人広告・面接費用)
- ・ 教育・研修期間の給与(売上が安定するまでの固定費)
- ・ 広告宣伝費(オープン告知・集客施策)
また、二店舗目の立ち上げ時期は、新店舗の準備やオープン直後は売上が安定しないことも多く、場合によっては一店舗目の利益を一時的に使う場面も出てきます。そのため、出店資金とは別に数ヶ月分の運転資金や予備費を確保しておくことが重要です。
3. 二店舗目だから発生する追加コスト(50~100万円)|コスト削減のメリットも
一店舗目のノウハウや資源を活かせる部分もありますが、地域や客層が違う場合は新たに費用が発生します。
- ・ 新規マーケティング費用(ブランド構築・集客施策)
- ・ 仕入れルートや運搬費の調整
- ・ 新店舗ならではの販促・広告費
一方で、以下のように二店舗目を出店することでコストが下がるケースもあります。
・ 食材の仕入れ量が増えることで仕入れ単価が下がる
・ 複数店舗で広告や販促を共有できる
・ スタッフの教育ノウハウが活かせる
このように、二店舗目出店では新たにかかるコストと、スケールメリットによって下がるコストの両方を考えながら資金計画を立てることが重要です。
3. 日本政策金融公庫の融資活用法|二店舗目出店で使える制度と準備ステップ
二店舗目の出店資金を調達する際、多くの飲食店オーナーが利用しているのが日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は、国が運営している金融機関で、中小企業や個人事業主を支援するための融資制度を提供しています。
一店舗目の開業時に利用した、あるいは検討したことがあるというオーナーも多いのではないでしょうか。実際に、飲食店の二店舗目出店でも多くの事業者が日本政策金融公庫の融資を活用しています。
二店舗目出店でよく利用される融資制度
- ・ 一般貸付(設備資金・運転資金)
- ・ 中小企業経営力強化資金
- ・ 新規開業・スタートアップ支援資金
これらの制度では、店舗の内装工事や厨房設備などの設備資金だけでなく、仕入れや人件費などの運転資金も含めて融資を受けることができます。
日本政策金融公庫の特徴
飲食店の出店で利用される理由は主に次の3つです。
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個人事業主でも融資を受けやすい
中小事業者向けの制度が多く、創業や店舗出店の相談がしやすいのが特徴です。飲食店のような小規模事業でも、実績や計画があれば融資を検討してもらえます。 -
比較的低金利で借りられる
民間の金融機関と比べて金利が低めに設定されていることが多く、長期の資金調達がしやすい傾向があります。 -
設備資金と運転資金の両方に使える
内装工事や厨房設備だけでなく、仕入れ資金や人件費などの運転資金にも利用できるため、飲食店の出店資金として使いやすい制度です。
こうした特徴から、飲食店の二店舗目出店でも多くのオーナーが利用しています。
融資を受けるための準備ステップ
① 一店舗目の実績を整理して融資審査に備える
まず確認されるのが、一店舗目の経営状況です。
- ・ 売上
- ・ 利益
- ・ 現在の借入状況
これらの数字を整理することで、「この店は安定して経営できている」ということを金融機関に伝えることができます。
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- 長期間の赤字が続いている
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- 税金や社会保険料の未納がある
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既存の借入の返済が遅れている
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といった状況がある場合、融資の審査が厳しくなる可能性があります。二店舗目の出店を考える場合は、まず一店舗目の経営を安定させておくことが重要です。
② 二店舗目の出店計画と運営体制を固める
次に必要になるのが、二店舗目の事業計画です。
例えば次のような内容を整理します。
- ・ 出店エリア
- ・ 店舗コンセプト
- ・ 想定売上
- ・ 必要な資金
一店舗目の実績をもとに「この場所ならこれくらい売れる」という根拠を説明できると、融資の説得力が高まります。
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二店舗目の出店では運営体制も重要なポイントになります。
金融機関の担当者が確認することの一つが、
「オーナーが二店舗目に入ったとき、一店舗目は誰が運営するのか」という点です。 -
- 新たな店長候補や右腕のスタッフがいる
-
スタッフが育っていて一店舗目を任せられる体制ができている
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といった体制が整っていると、事業計画の信頼性が高まります。
③ 二店舗目出店に必要な資金を具体化
最後に、出店に必要な資金を整理します。
飲食店の場合は主に次のような費用があります。
- ・ 内装工事
- ・ 厨房設備
- ・ 仕入れ資金
- ・ 人件費
- ・ 広告費
これらを合計して、出店にいくら必要なのかを明確にしておくことが重要です。
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飲食店の二店舗目出店では、日本政策金融公庫から約500万〜2000万円程度の融資を受けるケースが多く見られます。ただし、融資額は店舗の規模や一店舗目の経営状況によって変わります。
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例)小規模店舗(10〜15坪)
500万〜1000万円程度
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中規模店舗(15〜25坪)800万〜1500万円程度
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居酒屋など比較的大きな店舗 1000万〜2000万円程度
また、日本政策金融公庫では出店資金のすべてを融資でまかなうケースは少なく、一般的には次のような資金バランスになります。
- ・ 自己資金:30〜40%
- ・ 融資:50〜60%
- ・ 補助金:10%前後
つまり、例えば1000万円の出店資金が必要な場合、600万円前後を融資で調達するケースが多いというイメージです。
4.二店舗目出店前チェックリスト|飲食店オーナーが今すぐ確認すべきステップ
二店舗目出店の成功には、資金・運営体制・採用・数字の整理が必要です。以下のステップに沿って準備を進めると、融資審査や出店計画の実現性が高まります。
ステップ1
💡 ポイント:ここが不安定だと融資は通りにくいので、まず一店舗目を整える。
ステップ2
💡 ポイント:数字が具体的だと金融機関の審査もスムーズ。
ステップ3
💡 ポイント:融資担当者は「オーナー不在でも1号店が回るか」を重要視する。
ステップ4
💡 ポイント:「応募が来ない」ではなく「競合と比較されている」ことを前提に、採用設計を見直す。
ステップ5
💡 ポイント:感覚ではなく統計に基づき、タイムリーに改善する習慣を作る。
これらのステップを一つ一つ確認していくことで、二店舗目開業に確実に近づくことができます。
5. まとめ|二店舗目出店の資金計画と融資準備を完結
二店舗目の出店を成功させるためには、資金計画を事前に整理しておくことが非常に重要です。特に飲食店の場合、物件取得費や内装工事、運転資金などまとまった資金が必要になるため、自己資金だけでなく融資を組み合わせた資金調達が現実的になります。
多くの飲食店では、日本政策金融公庫の融資を活用しながら出店資金を準備しています。一般的には、自己資金30〜40%、融資50〜60%、補助金10%前後というバランスで資金を組み立てるケースが多く見られます。
まずは次の3つを整理するところから始めてみましょう。
- ・ 一店舗目の売上と利益を確認する
- ・ 二店舗目の出店エリアとコンセプトを決める
- ・ 必要な出店資金を計算する
二店舗目の出店は大きな投資になりますが、一店舗目の数字をしっかり整え、現実的な資金計画を立てることで実現に近づきます。
今回紹介したポイントを参考に、二店舗目出店の準備を進めてみてください。