店舗別損益は見ていますか?会計事務所任せでは気づけない飲食店の本部管理チェック項目
はじめに|飲食店の本部管理では店舗別損益の確認が重要です
飲食店を複数店舗運営していると、毎月会計事務所から試算表や損益計算書を受け取り、「今月も黒字だった」「売上が伸びた」と確認して終わってしまうことはありませんか。
もちろん、会計事務所は正確な会計処理や税務申告を行う専門家であり、経営に欠かせない存在です。しかし、店舗別損益を経営判断に活かし、「どの店舗に課題があるのか」「どの店舗の成功事例を横展開すべきか」を考えることは、本部の重要な役割です。
例えば、売上が同じ500万円の2店舗でも、最終的な利益が大きく異なるケースは珍しくありません。その原因は、原価や人件費、家賃、さらには本部費用の配賦方法にあることもあります。
飲食店の本部管理では、売上だけを見るのではなく、店舗別損益を細かく確認し、店舗ごとの差を見える化することが利益改善への第一歩です。
この記事では、飲食店の本部管理で確認したい店舗別損益のチェック項目や、数字を経営判断に活かすポイントをわかりやすく解説します。

飲食店の本部管理で店舗別損益を確認するのはなぜですか?
店舗全体で利益が出ていても、すべての店舗が順調とは限りません。
例えば5店舗を運営している場合、1店舗が大きく利益を出している一方で、別の店舗は赤字になっていることがあります。全体の損益だけを見ていると、このような店舗ごとの課題を見落としてしまいます。
そのため、本部管理では店舗別損益を確認し、「利益が出ている理由」と「利益が出ていない理由」を分析することが重要です。
会計事務所の資料だけでは経営判断に必要な情報が不足することがあります
会計事務所の役割は、売上や経費を正しく集計し、決算や税務申告を行うことです。
一方、本部が知りたいのは、
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・なぜA店は利益率が高いのか
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・なぜB店は人件費が増えているのか
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・どの店舗を優先して改善すべきか
・といった経営判断に必要な情報です。
つまり、会計事務所が作成した数字を「経営に使える情報」へ変えることが、本部管理の役割といえます。
店舗別損益を確認すると本部はどのような判断ができますか?
店舗別損益を分析すると、次のような判断につなげられます。
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利益率の低い店舗の改善
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人員配置やシフトの見直し
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メニュー価格や原価の見直し
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新規出店・閉店の判断
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設備投資や販促費の優先順位の決定
数字を確認するだけでは利益は増えません。数字から課題を見つけ、改善につなげることが重要です。
飲食店の本部管理では店舗別損益のどこをチェックすればよいですか?
店舗別損益では、最終利益だけではなく、その利益を構成する各項目を確認することが重要です。
ここでは、本部管理で特に確認したい5つのポイントを紹介します。
飲食店の本部管理では店舗別の売上を確認していますか?
売上は最も基本となる数字ですが、金額だけで判断してはいけません。
例えば、
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・前年同月と比較してどう変化したか
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・他店舗と比べて伸びているか
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・客数が増えたのか
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・客単価が上がったのか
まで確認することで、売上が増減した原因を把握できます。
客数は増えているのに客単価が下がっている場合は、価格設定やメニュー構成を見直す必要があるかもしれません。
飲食店の本部管理では原価率は適正ですか?
売上が変わらなくても、原価率が高くなると利益は減少します。
例えば、
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・食材価格の高騰
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・廃棄ロスの増加
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・過剰な仕入れ
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・原価率の高い商品の販売増加
などが原因として考えられます。
仮にA店の原価率が30%、B店が37%だった場合、売上500万円なら35万円もの差が生まれます。
このような差を把握することで、仕入れやメニュー改善につなげられます。
飲食店の本部管理では人件費率を確認していますか?
人件費は飲食店の中でも特に大きなコストです。
チェックしたいポイントは、
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・売上に対して人員が多すぎないか
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・残業が増えていないか
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・シフトに無駄がないか
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・ピーク時間に適切な人数を配置できているか
などです。
例えば、売上が同じ店舗でも、人件費率が25%と32%では利益に大きな差が生まれます。
人件費率が高い店舗では、シフト作成やオペレーションの改善によって利益を増やせる可能性があります。
飲食店の本部管理では家賃負担を確認していますか?
家賃は固定費であるため、毎月必ず発生します。
そのため、
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・売上に対する家賃比率
-
・他店舗との比較
-
・利益を圧迫していないか
を確認することが重要です。
立地が良く売上も高い店舗であれば家賃が高くても問題ありません。しかし、売上が伸び悩んでいる店舗では、家賃負担が利益を大きく減らしている場合があります。
また、家賃負担は出店時の物件選びによって大きく左右されます。立地や賃料だけで判断するのではなく、想定売上や周辺の商圏、席数、固定費とのバランスまで考慮して物件を選ぶことが、長期的に利益を残せる店舗づくりにつながります。
すでに営業している店舗でも、店舗別損益を確認した結果、家賃比率が高い場合は、契約更新のタイミングで条件の見直しを検討したり、新たな出店では収益性を踏まえた物件選びを行ったりすることが重要です。
飲食店専門の物件サポートを活用すれば、賃料だけではなく、売上や収益性も考慮した物件選びについて相談できます。店舗別損益で見えてきた課題を次の出店計画に活かすことで、利益を確保しやすい店舗づくりにつながるでしょう。
飲食店の本部管理では共通費配賦を正しく反映していますか?
店舗別損益で見落とされやすいのが、「共通費配賦」です。
共通費とは、本部全体で発生している費用のことです。
例えば、
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・本部スタッフの人件費
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・POSレジや予約システムの利用料
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・広告宣伝費
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・本部オフィスの家賃
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・本部で契約しているクラウドサービス
などが該当します。
これらの費用を店舗ごとに配賦しなければ、「店舗単体では黒字に見えていたが、本部コストまで含めると利益がほとんど残っていなかった」というケースも起こり得ます。
例えば、本部全体で毎月100万円の共通費が発生している場合、売上比率や店舗数など一定のルールで各店舗へ配賦することで、より実態に近い店舗利益を把握できます。
共通費配賦後の利益まで確認して初めて、店舗の本当の収益力を公平に比較できるようになります。
飲食店の本部管理では店舗差をどのように見える化しますか?
店舗別損益の目的は、数字を集計することではありません。
本部管理では、店舗ごとの数字を比較し、「どこに差があるのか」「なぜ差が生まれているのか」を見える化することで、改善策を考えられるようになります。
特に、売上・原価・人件費・家賃・共通費配賦後の利益を横並びで比較すると、店舗ごとの課題が見えやすくなります。
売上は同じなのに利益が違う店舗はありませんか?
例えば、次のような2店舗があるとします。
| 項目 | A店 | B店 |
|---|---|---|
| 売上 | 500万円 | 500万円 |
| 原価率 | 30% | 36% |
| 人件費率 | 25% | 31% |
| 家賃 | 40万円 | 55万円 |
| 共通費配賦後の営業利益 | 85万円 | 28万円 |
売上は同じでも、最終的な利益には57万円もの差があります。
このような場合、「売上は同じだから両店舗とも順調」と判断してしまうと、B店の課題を見落としてしまいます。
本部管理では、「なぜ利益に差が生まれたのか」を分析することが重要です。
例えば、
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・原価率が高いなら仕入れや廃棄ロスを確認する
-
・人件費率が高いならシフトやオペレーションを見直す
-
・家賃負担が重いなら売上アップ施策や固定費の見直しを検討する
といったように、数字から具体的な改善策につなげられます。
店舗別損益を比較するとどのような店舗差が見えてきますか?
店舗別損益を比較すると、さまざまな店舗差が見えてきます。
例えば、
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・売上は高いのに利益が残らない店舗
-
・売上は低いが利益率が高い店舗
-
・原価率だけが高い店舗
-
・人件費率だけが高い店舗
-
・家賃負担が重い店舗
-
・共通費配賦後に利益が大きく減る店舗
などです。
このように、利益が出ない原因は店舗によって異なります。
すべての店舗に同じ改善策を実施するのではなく、店舗ごとの課題に合わせた対策を行うことで、より効率的に利益を改善できます。
店舗差を見える化すると本部はどのような改善判断ができますか?
店舗差を見える化することで、本部は次のような経営判断を行えます。
| 見つかった課題 | 本部が取る改善策 |
|---|---|
| 原価率が高い | メニュー構成や仕入れ先を見直す |
| 人件費率が高い | シフトや人員配置を改善する |
| 客単価が低い | セットメニューや価格改定を検討する |
| 家賃比率が高い | 売上向上施策や契約内容を見直す |
| 利益率が高い店舗がある | 成功事例を他店舗へ展開する |
このように、「数字を比較すること」が目的ではなく、「数字を改善につなげること」が店舗別損益を確認する本来の目的です。
飲食店の本部管理では店舗別損益を毎月どのように活用すればよいですか?
店舗別損益は、一度分析して終わりではありません。
毎月同じ項目を確認し、前月や前年同月、他店舗と比較することで、小さな変化にも気付けるようになります。
例えば、
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・原価率が先月より2%上がっている
-
・人件費率が少しずつ増えている
-
・客単価が前年より下がっている
といった変化を早い段階で把握できれば、大きな利益悪化を防ぎやすくなります。
数字は毎月確認してこそ、経営改善に活かせる情報になります。
毎月確認したい店舗別損益のチェックリスト
本部会議では、次のような項目を毎月確認することをおすすめします。
このようなチェックリストを毎月の本部会議で活用することで、店舗ごとの課題を早期に発見し、改善につなげやすくなります。
まとめ|飲食店の本部管理では店舗別損益を経営判断に活かしましょう
店舗別損益は、会計事務所が作成した資料を確認するだけでは十分ではありません。
会計事務所は会計処理や税務申告の専門家ですが、その数字を経営判断へ活かすことは、本部の重要な役割です。
飲食店の本部管理では、売上・原価・人件費・家賃・共通費配賦を店舗ごとに確認し、店舗差を見える化することで、「なぜ利益が出ているのか」「なぜ利益が残らないのか」を把握できます。
また、店舗別損益は毎月継続して確認することが大切です。数字の変化を早く発見できれば、原価の見直しやシフト改善、販促施策などを迅速に実施でき、利益の改善につながります。
店舗別損益は、単なる会計資料ではなく、本部が経営判断を行うための重要な資料です。毎月の本部会議で積極的に活用し、店舗ごとの課題を改善しながら、利益を伸ばせる経営体制を目指しましょう。
