飲みニケーションの終焉?2024年の飲酒トレンドはコレ!厚生省も「飲酒ガイドライン」を発表!飲食店で必要な工夫は?

2024年もいよいよ終わりに近づき、忘年会シーズンが始まりました。これに伴い、宴会や飲み会の予約が増える時期です。しかし、コロナ禍以降、多くの職場で「飲み会」の回数が減少しており、忘年会の予約が少なくなっている飲食店も多いようです。また、2024年2月には厚生労働省から初めて「飲酒ガイドライン」が発表され、大手飲料メーカーからは微アルコール飲料の発売が始まるなど、飲酒文化の変化に官民ともに対応している様子が伺えます。今回は、飲食店がこうした飲酒文化の変化にどのように対応すべきか、厚生労働省の「飲酒ガイドライン」や対応事例を参考に考察していきます。

飲みにケーションはいらない?飲酒文化が変化

a person who does not like drinking

社会人の64.5%「飲みにケーション要らない」

近年、飲みニケーションの在り方や飲酒頻度に大きな変化が見られています。調査によれば、社会人の64.5%が「飲みニケーションはいらない」と考えており、これは年代を問わず6割以上が共通している結果です。その理由として「気を遣う」(61.8%)、「業務時間外だから」(47.4%)、「お金がかかるから」(40.7%)といった意見が挙げられています。特にコロナ禍以降、この傾向がさらに顕著になっています。

一方で、飲みニケーションを「必要」と考える人たちは、「職場の親睦が深まる」(60.3%)という理由を挙げており、一定の役割を認める声もあります。しかし、こうした考え方は少数派となりつつあり、職場コミュニケーションの方法が多様化しているのが現状です。

職場での飲み会、約8割が“年に数回程度”

飲酒頻度についても変化が見られ、職場での飲み会が「ほとんどない」(29.1%)、「年に1~2回程度」(30.1%)と回答した人が多く、約8割が“年に数回程度”という結果となっています。かつて職場の結束を高める場として重視されていた飲み会ですが、現在では感染予防や価値観の変化により、その機会が減少し、自由参加のスタイルが一般的になりつつあります。

全体的に見て、飲みニケーションや飲酒の習慣は、時代や社会の変化に伴い、「必須」から「選択肢の一つ」へと移行しています。職場の結束やコミュニケーションを深める手段も、より個人の価値観やライフスタイルに合わせた柔軟な形が求められる時代になったといえるでしょう。

厚労省「飲酒ガイドライン」では何が推奨されている?

a office worker holding a guideline

厚生労働省が発表した「飲酒ガイドライン」の目的は、飲酒による健康リスクを軽減し、国民が健康的な生活を送るための指針を提供することにあります。このガイドラインは、飲酒習慣がもたらす健康被害への理解を深め、適度な飲酒を推奨するとともに、過度の飲酒を抑制することを目指しています。

具体的には、以下のような内容が盛り込まれています。

  1. 適正飲酒の基準: 飲酒量の目安を提示し、健康リスクを最小限に抑える飲み方を推奨。
  2. 過度の飲酒によるリスクの啓発: 肝臓疾患やアルコール依存症、生活習慣病のリスクを明示。
  3. 飲酒に関する社会的課題の解消: 飲酒運転や家庭内暴力などの問題に関する注意喚起。

適切な飲酒量の目安

ガイドラインによると、20歳以上の成人における1日の適切な飲酒量は、純アルコール量で 20g以下 が推奨されています。これを具体的な飲み物で表すと次のようになります。

  • ビール(5%):500ml(中瓶1本)
  • 日本酒(15%):1合(180ml)
  • ワイン(12%):グラス2杯(200ml)
  • ウイスキー(40%):ダブル1杯(60ml)

これらを超える飲酒は、健康リスクを高める可能性があるため注意が必要です。

飲酒が体に及ぼす影響

アルコールが体内でどのように代謝されるか、また飲みすぎが引き起こす影響についても知っておきましょう。

  1. アルコールの分解
    アルコールは肝臓で分解され、最終的に水と二酸化炭素に変わります。ただし、分解酵素の働きには個人差があり、日本人の約41%は酵素が弱く、少量の飲酒でも顔が赤くなるなどの「フラッシング反応」が現れることがあります。

  2. 飲酒によるリスク

    • 疾病リスク
      高血圧や大腸がんなど、特定の疾病リスクが高まります。特に1日20g(週150g)以上の純アルコール量を摂取し続けると、大腸がんの発症可能性が高まるとされています。

    • 行動リスク
      アルコールによる運動機能の低下や判断力の低下は、事故やトラブルにつながります。飲酒後の運転や機械の操作は絶対に避けましょう。

酒類の提供を伴う飲食店はどうするべき?微アルコールやノンアルコールに注目

nonalcohol drink

飲食店は、従来の飲みニケーションに代わる新たなコミュニケーションの場を提供し、健康志向の高まりに対応する必要があります。「飲酒ガイドライン」を参考に適正飲酒の情報を提供しつつ、低カロリーや栄養バランスを考慮したメニュー開発を進めることが重要です。また、居酒屋やバーでは微アルコールやノンアルコールの選択肢を充実させ、飲酒しない顧客も楽しめる環境を整えることが求められます。こうした対応を通じて、多様化する飲酒文化やライフスタイルに応じた柔軟なサービスを提供し、顧客にとって魅力的な存在となることが飲食店の鍵となるでしょう。

微アルコール飲料の普及と新しい飲み会文化の提案

最近、アルコール度数が1.0%未満の「微アルコール」飲料が注目を集めています。これらの飲料は、アルコールに強くない人や、少量のアルコールを楽しみたい人々にとって理想的な選択肢となっており、業界全体で新しい飲み会のスタイルを提案しています。例えば、微アルコール飲料の飲み比べイベントや、食事とのペアリング体験を通じて、新たな楽しみ方を提案する機会が増えてきています。こうしたイベントでは、参加者がアルコールの特性を学びながら、軽い飲み方で楽しめることを実感できるため、リピーターの獲得や新規顧客の開拓に繋がっています。

ノンアルコール飲料専門店の増加と多様な選択肢

また、ノンアルコール専門のバーやカフェが都心部を中心に増えており、飲酒しない人々にも楽しめる飲み物の選択肢を提供しています。これらの店舗では、バジルやヴェチパー、フルーツを使ったオリジナルドリンクなど、独創的なノンアルコールカクテルが楽しめることが特徴です。特に、アルコールの味わいを模倣したノンアルコールカクテルや、食前酒として楽しめるドリンクの人気が高まっています。

微アルコール飲料とノンアルコール飲料は、アルコールを控えたいが社交的な場で楽しみたいというニーズに応え、特に注目を集めています。飲み過ぎを避けながら、気軽に楽しむことができる選択肢として広がりつつあります。多様な飲み物のバリエーションを提供することで、アルコールを飲まない人も社交の場で自分らしく楽しめる、とノンアルコールを選ぶ人が増えています。

まとめ

2024年の忘年会シーズンを迎える中で、コロナ禍以降の飲酒文化の変化が際立っています。厚生労働省の「飲酒ガイドライン」や微アルコール飲料の普及は、健康意識の高まりや多様なライフスタイルに対応した取り組みの象徴です。職場での飲み会は減少傾向にあり、飲みニケーションは「必須」から「選択肢」へ移行しています。飲食店は、適正飲酒を推進するメニュー提案や微アルコール飲料の導入、従業員教育を通じて新しい飲酒文化に対応することが求められています。飲酒文化の変化を機に、飲食店がどのように新しい価値を提供できるかが、今後の鍵となるでしょう。

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