宇都宮駅の商業施設で52坪、月商3300万円の繁盛餃子居酒屋が茅場町にオープン


 

7月6日、東京・茅場町の飲食ビル「GEMS茅場町」1階に「餃子といえば芭莉龍(バリロン)」がオープンした。餃子のバラエティをメインにした飲食店である、「焼餃子」は5個で858円(税込み、以下同)。ここの本店はJR宇都宮駅と直結した商業施設の1階にあって、筆者はこのお店に格別の想いを抱いている。

 

同店の東京進出は2023年4月で、東京駅八重洲北口の八重北食堂1階に「餃子といえば芭莉龍八重北分店」をオープンしているが、茅場町の場合はオフィス街の路面にあってよく目立ち、同店の東京進出を象徴する存在感がある。39席67席の規模で、店内の中央にオープンキッチンを囲んだカウンター席があり、ダイナミックな構成になっている。

 

同店の経営は㈱チームバリスタ(本社/栃木県宇都宮市、代表/橋本哲也)。同社は16店舗を擁しているが、このうち14店舗を宇都宮市内で展開している。創業者は磯信太郎氏であるが橋本氏が2025年6月に事業承継した。アイキャッチの人物が橋本氏である。

 

2ー茅場町店店頭s

東京・茅場町にある飲食ビル「GEMS」の1階に出店。ビルは10階のフロア構成

 

「お客様に喜んでいただきたい」を全員が体現

筆者の「餃子といえば芭莉龍」に対する格別な想いとはこのようなことだ。

 

筆者は2024年の夏、青森に帰省した帰路に宇都宮に降り立って、同店に偶然巡り合った。夕方17時ごろ大層にぎわっていて、「宇都宮から東京に向かうときに、また来よう」と。市内を一周してから19時に再び訪問。ウエーティングは2時間前よりも長くなっていた。筆者は一人だったので、比較的に早く店内に入ることが出来た。

 

メニューは餃子の存在感が際立っていたが(当時1皿638円)、エスニック風の串料理も個性を放っていた。そして、栃木県産の日本酒を数多く品揃えしていた。

筆者が店内の若い女性スタッフに、「この店名は、何と読むの?」と質問したところ、「バリロンです」と、満面の笑顔で答えてくれた。

 

筆者は楽しくなって、餃子の工房の前に行き、工房のスタッフを背景にしてスマホで自撮りをしようと、スマホを構えた。すると、工房のスタッフ(20代前半の女性4人)が、筆者のスマホに向かって、筆者の背景になって手を振っていた。満面の笑顔であった。

 

3-工房s

宇都宮本店の中にある「餃子工房」の様子。すぐ前がウエーティングスペースになっていて、スタッフがお客に手を振る

 

このようなスタッフの、「働いていることが楽しい」、「お客様に喜んでいただくのが楽しい」といった想いの発露に触れて、この会社のブレのないホスピタリティマインドを感じ取った。

 

この体験の後に、筆者は創業者の磯氏にインタビューをする機会を得た。

磯氏は、東京と地元の栃木で飲食業の経験を重ねて、2010年33歳のときに「ばりきょう」という焼鳥店を起業した。社名の「チームバリスタ」とは、カフェの世界のバリスタのことではなく、「バリバリスタッフ」という、「元気いっぱい」を表現している。経営理念は「喜ばれることに、喜びを。」というもの。社名も経営理念も、スタッフの全員が体現している。

 

宇都宮の町に「新しい外食文化」を植え付ける

2号店以降、バリバリの「バリ」に動物の名前をつけてブランディングをしていこうと考えた。「炉ばた 鹿芭莉」「BARI SAI CAFE」「bari Sheep」という具合に、1年に1店舗のペースで展開してきた。

 

店舗展開は、先に述べた理念の元で「宇都宮の人々に歓んでいただくことを」考えながら店を出店してきた。

 

創業して2店舗目となる「ピッツァ&ラムの店 Bariton」では、ピッツァの相場価格が1品1500円あたりの当時にワンコイン(500円)で提供、宇都宮でラムチョップが知られていなかった中で人気を博して月間3000本を売るようになった。このような形で、宇都宮の町に「新しい外食文化」を植え付けていった。

 

「餃子といえば芭莉龍」が生まれたきっかけは、2019年10月同社が宇都宮市内に「生きている餃子バリス」をオープンしたこと。宇都宮と言えば「餃子の町」であるが、同社の餃子は後発であることから、皮から餡までスクラッチで、餡を肉1:野菜2の構成にして、肉を挽肉にしないで1センチのキューブ状の豚肉を入れて、噛み応えの特徴を出した。

 

このお店はたちまち人気店となり、それを見ていた商業施設のリーシング担当者が、JR宇都宮駅と直結した商業施設への出店を要請した。チームバリスタでは、この52坪の物件に1億2000万円を費やした。膨大なチャレンジであるが、JR宇都宮駅に直結した1階路面で、外からも施設内通路側と2つに面した細長い物件という絶好の条件を活かすべく「宇都宮の顔なろう」という決意で開業にのぞんだという。

 

同店は2020年10月にオープン。コロナ真っただ中であったが、月商3300万円を売り上げるようになった。同社が大勝負に出た「餃子といえば芭莉龍」は、「宇都宮の顔」となった。

 

4-宇都宮店内s

宇都宮本店の店内は、ランチどきから閉店までずっと賑わっている

 

「餃子で一杯」ではなく、「芭莉龍で一杯」のお店

さて、「餃子といえば芭莉龍」の新店がオープンした茅場町は、お勤め人の町である。飲食ビルの1階路面で39坪。宇都宮の本店に対して一回り小さめになっているが、立地する客層を想定した工夫が凝らされている。

 

店内に入ると、オープンキッチンが形成され、丸型のカウンター席がそれを囲んでいる。周りのテーブル席もそのショーアップされた様子を楽しむことが出来る。店内の壁面は、本店と同様に栃木を代表する建材の大谷石で構成して、風格のある雰囲気で構成している。

 

5ー茅場町店内s

店内に入って、すぐの場所にオープンキッチンがありカウンタ―席が囲む

 

メニューは、ランチ帯、ディナー帯ともに、同ブランドの特徴をふんだんにアピールしている。

まず、基本となる餃子メニューはこちら(すべて5個)。

・焼餃子(858円、税込、以下同) ・麻辣焼餃子(968円) ・パクチー焼餃子(1078円) ・水餃子(858円) ・ゆずと生姜の水餃子(968円) ・海老水餃子(968円) ・ホタテ水餃子(968円)

 

6ー餃子s

ベーシックな「焼餃子」(858円)。麻辣、パクチーといったトッピングでバラエティをづける

 

サイドメニューとして「芭莉龍名物 あそび串」をラインアップ。

・ねぎ盛りレバー串(528円) ・やみつきラム串(638円) ・ささみと青しそおろし串(528円) ・牛バラとフォアグラのロッシーニ串(968円) ・豚巻きにら明太串(638円)など

 

ランチメニューの一例はこちら。

・牛だしフォーセット:焼餃子3個(1298円、税込、以下同)、焼餃子6個(1628円)

・旨辛まぜ麺セット:焼餃子3個(1298円)、焼餃子6個(1628円)

・焼・水餃子セット:焼餃子3個(1298円)、焼餃子6個(1628円)

・牛だし太旨麺セット:焼餃子3個(1298円)、焼餃子6個(1628円)

 

アルコール類では一般的な品揃えに加え、栃木県産のクラフト焼酎のハイボールや日本酒のラインアップを充実させて、特徴を打ち出している。宇都宮本店の実績から、お客一人当たりの消費金額は1000円から5000円と広いレンジとなるが、客単価は2300円と想定している。

 

7ーランチs

ランチメニューの一つ「牛だしフォーセット」餃子3個(1298円)

 

チームバリスタの橋本代表は、「お仕事終わりに『餃子で一杯』ではなく、『芭莉龍で一杯』といった店に育てていきたい」と語っている。商品力がはっきりとしていることから、勤め人の町で定着する日は早いのではないだろうか。

 

 

店舗情報

店舗名 / 会社名

餃子といえば芭莉龍
株式会社チームバリスタ

業態

進化系餃子酒場

アクセス

宇都宮駅から40m

住所

〒321-0965栃木県宇都宮市川向町1-23 宇都宮駅ビルパセオ 1F

営業時間

定休日

不定休

電話番号

028-627-8578
千葉 哲幸
千葉哲幸(ちば てつゆき) 外食ジャーナリスト 『月刊食堂』(柴田書店)編集長と、そのライバル誌の『飲食店経営』編集長(商業界、 当時)を歴任するなど、外食産業記者歴40年。2014年7月よりフリーランス。外食産業の 歴史を語り、最新の動向をレポートする。取材、執筆、書籍プロデュース、セミナー活動 を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社、2017年)。 ■メール:chibatetsuyuki@gmail.com
千葉 哲幸
千葉哲幸(ちば てつゆき) 外食ジャーナリスト 『月刊食堂』(柴田書店)編集長と、そのライバル誌の『飲食店経営』編集長(商業界、 当時)を歴任するなど、外食産業記者歴40年。2014年7月よりフリーランス。外食産業の 歴史を語り、最新の動向をレポートする。取材、執筆、書籍プロデュース、セミナー活動 を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社、2017年)。 ■メール:chibatetsuyuki@gmail.com