2025/10/21
アルバイトで発生する労働基準法違反とは?外国人アルバイトにも適応される?
「アルバイトを一日に8時間以上働かせても大丈夫なのか?」
「外国人アルバイトに対しても労働基準法は適用されるの?」
こうした疑問を抱える企業担当者や店舗経営者の方は多いのではないでしょうか。アルバイト雇用における労働基準法の遵守は、法的リスクを回避するだけでなく、従業員が安心して働ける環境を整えるためにも重要です。特に、外国人アルバイトを雇用する場合には、在留資格や就労制限といった特有のルールも考慮する必要があります。
本記事では、アルバイトに適用される労働基準法の基本的な内容をはじめ、よくある違反事例や外国人アルバイトに関する注意点、さらに違反時の罰則までをわかりやすく解説します。労働環境の改善と法令遵守を同時に実現するための実践的な情報をお届けします。それでは、詳しく見ていきましょう。
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アルバイトに関わる労働基準法
アルバイトを雇用する際にも、正社員と同様に労働基準法が適用されます。労働基準法は、すべての労働者の働く権利を守るために制定された法律で、アルバイトやパートタイム労働者もその対象です。
労働時間の基本ルール
労働基準法では、以下のような労働時間に関する基本ルールが定められています。
1. 1日の労働時間は8時間以内
アルバイトを含むすべての労働者に適用される原則として、1日の労働時間は8時間以内とされています。これを超えて働かせる場合は、36協定を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。
2. 1週間の労働時間は40時間以内
1週間の合計労働時間も40時間以内に抑えなければなりません。週5日勤務の場合は1日8時間、週6日勤務の場合は1日6.5時間程度に調整する必要があります。
3. 休憩時間の付与
労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を労働時間内に与えることが義務付けられています。
未成年者アルバイトの特別ルール
18歳未満のアルバイトには、さらに厳しい規制が適用されます。
1. 深夜業の禁止
午後10時から午前5時までの時間帯に労働させることは原則禁止です。
2. 労働時間の短縮
1日8時間、週40時間以内の制限に加え、学校がある場合は、学校の授業時間を考慮した短縮労働時間が求められます。
3. 危険業務の制限
18歳未満のアルバイトは、危険を伴う業務(重量物の運搬、化学物質を取り扱う作業など)に従事させることはできません。
アルバイトに適用される休暇のルール
1. 有給休暇
アルバイトにも一定の条件を満たすことで有給休暇が付与されます。例えば、週5日勤務で半年以上勤務している場合、10日間の有給休暇が与えられます。
2. 休日の設定
労働基準法では、少なくとも週1回の休日を設けることが義務付けられています。この休日を確保しない場合、企業は罰則を受ける可能性があります。
時間外労働や休日労働の扱い
1日の労働時間が8時間、または1週間の労働時間が40時間を超える場合、企業は時間外労働(残業)として、25%以上の割増賃金を支払う義務があります。また、法定休日に労働を行った場合は、35%以上の割増賃金が必要です。
よくある労働基準法違反
労働基準法は、アルバイトを含むすべての労働者を保護するために制定された法律ですが、現場ではこの法律が十分に遵守されていないケースも少なくありません。ここでは、アルバイト雇用において発生しがちな労働基準法違反の具体例を挙げ、その対策について解説します。
労働時間に関する違反
1. 長時間労働の強要
労働基準法では、1日8時間、1週間40時間を超える労働を原則禁止しています。しかし、忙しい時期や人手不足を理由に、これを超える労働をさせるケースがあります。
対策:36協定を締結し、労働基準監督署に届出を行うことが必須です。それでも、月45時間を超える時間外労働は禁止されているため、シフト管理を徹底しましょう。
2. 掛け持ちによる労働時間の超過
アルバイトが複数の職場で働いている場合、それぞれの労働時間を合わせて週40間を超えると違法となります。企業が知らずに長時間労働を助長するケースも少なくありません。
従業員の掛け持ち状況をヒアリングし、総労働時間が法定範囲内に収まるよう調整してください。
3. 休憩時間の未付与
労働基準法では、6時間以上の労働で45分、8時間以上で1時間の休憩を与えることが義務付けられています。しかし、忙しさを理由に休憩を取らせないケースもあります。
休憩時間をシフト表に明記し、労働者が確実に休憩を取れる環境を整備しましょう。
4. 深夜労働の違反
午後10時から午前5時の時間帯に18歳未満のアルバイトを働かせることは法律で禁止されています。この規定を知らずに違反してしまうケースもあります。
18歳未満の従業員の労働時間を厳格に管理し、深夜労働を避けましょう。
給与に関する違反
1. 最低賃金未満の給与設定
最低賃金法に違反し、地域で定められた最低賃金を下回る給与を支払っているケースがあります。これにより、企業は労働基準監督署から是正勧告を受けることになります。
雇用する地域の最低賃金を定期的に確認し、給与設定を見直してください。
2. 残業代や深夜手当の未払い
時間外労働や深夜労働を行ったにもかかわらず、割増賃金を支払わない違反も多く見られます。
勤怠記録を正確に管理し、割増賃金の支払いを徹底しましょう。
3. 給与の遅延や未払い
アルバイトの給与を適切なタイミングで支払わないケースも法律違反です。給与支払い期日を守らない場合、労働基準法第24条に違反します。
給与支払日に関するルールを明確にし、従業員に周知しましょう。
外国人アルバイトに労働基準法は適用される?
外国人アルバイトを雇用する際、日本の労働基準法が適用されるのか疑問に思う方も多くいらっしゃるでしょう。結論として、外国人アルバイトも日本人と同様に労働基準法が適用されます。ただし、外国人特有の在留資格や労働時間の制限が加わるため、これらを正しく理解し遵守することが求められます。
外国人アルバイトを雇用する際の基本ルール
1. 在留カードの確認が必須
外国人をアルバイトとして雇用する際には、まず在留カードを確認する必要があります。在留カードにはその人が持つ在留資格が記載されており、アルバイトが許可されているかどうかがわかります。
2.「留学」の在留資格と資格外活動許可
外国人留学生の場合、在留資格自体では原則としてアルバイトは認められていません。ただし、「資格外活動許可」を取得することでアルバイトが可能になります。この許可は、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されます。
3. 学術や文化を学ぶ目的の在留資格
留学生の在留資格は、学術や文化を学ぶためのものであり、本来の目的に支障をきたさない範囲内でのみアルバイトが認められる点に注意が必要です
外国人アルバイトの労働時間は?
外国人留学生がアルバイトを行う場合、労働時間に関する特別な制限があります。これらを超える労働をさせると、雇用者側が罰則の対象になるため注意が必要です。
1. 通常期間中の労働時間
外国人留学生がアルバイトを行う際、資格外活動許可を得ている場合でも、学業に支障をきたさないよう、通常の期間中は週28時間以内の労働が義務付けられています。
2. 長期休暇中の労働時間
長期休暇中は、通常の労働基準法と同様に、1日8時間、週40時間までの労働が認められています。ただし、これを超える場合は違法となります。
就労時間制限を守らなかった時の罰則は?
外国人アルバイトを雇用する際に、就労時間制限を守らない場合、雇用主と本人の双方に重大な罰則が科される可能性があります。
雇用者側に科される罰則:「不法就労助長罪」
不法就労助長罪とは、企業や雇用主が不法滞在者や就労制限のある外国人を違法に働かせた場合に適用される罪です。この罪に問われると以下のような罰則が科されます。
1. 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
法律に違反した外国人労働者を故意に雇用した場合、雇用者には懲役または罰金が科されます。さらに、両方が併せて科されることもあります。
2. 企業としての信用失墜
違反が公に発覚すると、社会的信用が失われ、取引先や顧客からの信頼を損なう可能性があります。
3. 行政指導や監査の対象に
違反が判明した場合、労働基準監督署や出入国在留管理庁による厳しい調査や監査が行われることがあります。その結果、事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。
本人に科される罰則:強制送還と法的処罰
外国人アルバイト自身が就労制限を超えた場合、以下の罰則や措置が適用される可能性があります。
1. 不法入国や無許可資格外活動の罪
⚬ 不法入国の罪:3年以下の懲役または禁錮、または300万円以下の罰金が科されます。
⚬ 無許可資格外活動の罪:1年以下の懲役または禁錮、または200万円以下の罰金が科されます。
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2. 在留資格の取り消し
就労制限を守らなかった場合、本人の在留資格が取り消されることがあります。これにより、日本国内での滞在が不可能になります。
3. 退去強制処分
在留資格の取り消しとともに、退去強制処分の対象となります。この処分を受けた場合、原則として一定期間(通常5年間)日本に再入国することができません。
雇用主が守るべき対策:適切な雇用管理で法令違反を防ぐ
外国人アルバイトを雇用する際には、法令を遵守し、適切な雇用管理を行うことが求められます。不法就労助長罪やその他の罰則を防ぐためには、以下のポイントを徹底する必要があります。
1. 在留カードの確認と記録
外国人アルバイトを雇用する際は、まず在留カードの確認を行い、適切な活動範囲内での雇用であることを確認しましょう。
2. 労働時間の厳格な管理
外国人アルバイトが法定労働時間を超えないよう、特に留学生の場合は週28時間以内の労働時間を徹底的に管理することが重要です。
3. 本人への事前説明
外国人アルバイト自身が、日本の労働基準法や在留資格の制限について十分に理解していない場合があります。違反行為を未然に防ぐためには、雇用前に正確な情報を伝えることが重要です。
適切な管理と事前の確認を行うことで、法令違反を未然に防ぎ、外国人アルバイトが安心して働ける環境を整えることができます。企業の信頼を守るためにも、これらの対策を徹底して行いましょう。
まとめ
外国人アルバイトを雇用する際には、労働基準法や入管法といった関連法令の遵守が欠かせません。在留資格の確認や週28時間以内の労働時間管理、適切な勤怠記録の徹底は、企業としての責務です。これらのルールを守らない場合、雇用者は不法就労助長罪として罰則の対象となり、最大で3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。一方、外国人労働者本人も、資格外活動や不法滞在が発覚した際には強制送還や在留資格の取り消しといった厳しい処分を受けるリスクがあります。
外国人アルバイトの雇用を安全かつ適法に進めるためには、法令の理解と労務管理の強化が必要です。企業として、労働環境を整え、安心して働ける環境を提供することが信頼性向上にも繋がります。
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