特定技能外国人が加入すべき保険について解説!企業側の手続きは何が必要?

特定技能外国人を受け入れたい企業にとって、採用の次に取り組みたい内容が、外国人労働者の保険加入ではないでしょうか。
しかし、どのような保険に加入して貰えばいいのか、企業側でどのような手続きが必要なのかは、特定技能受け入れで皆さんが悩むポイントです。
本記事では、特定技能外国人を受け入れるにあたり、
・どのような保険に加入したらいいのか
・どのような手続きが必要なのか
・加入時の注意事項
を解説します。
弊社G-FACTORY株式会社では、飲食業界の人材不足を解消するため外国人人材の採用支援から就労者の特定技能ビザ取得支援、企業側の受入支援、在留資格の取得更新支援まで外国人人材の採用サポートを一気通貫で行っています。
自社の飲食店で、外国人材雇用による人材不足の解消を図りたい企業様は、以下のページからお気軽にご連絡ください。
特定技能外国人に保険加入は必要?
特定技能外国人を採用する場合には、日本人と同様、社会保険への加入が必要です。
特定技能外国人の受け入れをできる企業の要項には「社会保険に関する法令を遵守していること」という基準が設けられています。
そのため、日本人と同じく社会保険に加入させるとともに、企業負担分の社会保険料を支払う取り組みが必要です。
社会保険に加入することで、労働中に発生した事故やケガに対する補償を受けることができます。
一方で、就業に関係ない場面で母国から家族に来てもらう必要が発生したり、入院通院が必要な大怪我をしてしまった場合、その支出額はとても大きくなってしまいます。
このような社会保険では補償することができない、様々な事象に対して補償が用意されているのが任意保険です。
異国の地である日本で安心して働いてもらうために、必須の保険だけでなく、様々なトラブルにも対応できる任意保険をぜひ検討してもらってください。
次に、外国人が加入すべき社会保険と、任意保険の種類について、解説していきます。
特定技能外国人が必ず加入する保険
特定技能外国人だけでなく、日本で労働をする場合には必ず社会保険に加入する必要があります。
社会保険とは、日本の充実した社会保障制度の一部であり、労働者が抱える様々なリスクに備えるためのものです。
社会保険は以下の5つに分類されます。
・健康保険
・厚生年金保険
・雇用保険
・労災保険
・介護保険
これらは、病気、失業、老後、労災、介護といった異なるリスクを包括的にカバーするためのものです。
以下で解説します。
健康保険
特定技能外国人が日本で働く場合、企業で働く全ての正規・非正規労働者と同様に健康保険に加入します。健康保険は、病気やケガで診療を受ける際に医療費の一部を公費で賄う制度です。加入者は通常、医療費の3割を負担するだけで済みます。
また、被保険者の家族も条件を満たせば被扶養者として保険の適用を受けられます。
外国人労働者にとっても、日本の医療サービスを低負担で利用できる点が大きなメリットです。
厚生年金保険
厚生年金保険は、老齢年金や障害年金、遺族年金などを支給するための保険です。
ケガや病気によって、働けないほどの障害が残ってしまった場合には、傷害保険を受け取れたり、加入者が亡くなった時に遺族が代わりに年金を受け取れる遺族年金などがあります。
また、日本で長期間働く場合は老齢厚生年金も支給されます。
ただし、日本を離れて母国に帰る場合、保険料を一定条件のもとで払い戻す「脱退一時金」の制度も利用可能です。
雇用保険
雇用保険は、失業した際の生活を保障する失業手当や、育児や介護のための休業時に給付を受けられる制度です。
労働時間が週20時間以上で31日以上の雇用が見込まれる場合は、外国人であっても加入対象となります。
特定技能外国人であっても、失業した場合に条件を満たせば失業手当を受け取ることができます。
また、特定技能外国人が会社の倒産等によって、予期せずに失業したとしても、在留期限までは日本に残ることができるとともに、改めて転職活動をすることも可能です。
労災保険
労災保険は、業務中または通勤中の事故や病気に対する補償を提供する制度です。
この保険料は企業が全額負担し、労働者が直接支払うことはありません。
補償内容は、医療費の全額負担、休業時の所得補償、障害補償、死亡時の遺族補償など幅広いものです。
特に危険を伴う業務に従事する可能性のある特定技能外国人にとって、労災保険は重要なセーフティーネットとなります。
労災が発生した場合は迅速に企業を通じて手続きを行うことが求められます。
介護保険
介護保険は、40歳以上の日本国内在住者が対象となる制度で、高齢者が介護を必要とする際に利用できる保険です。
特定技能外国人が40歳以上で、日本で1年以上の在留期間がある場合は、この保険への加入が義務付けられます。
保険料は健康保険料と一緒に徴収され、給与から天引きされます。この保険により、要介護状態になった場合に介護サービスを利用するための費用負担が軽減されます。
日本の高齢者社会に対応した制度ですが、外国人労働者にも公平に適用されます。
特定技能外国人向けの任意保険
社会保険だけでなく、特定技能外国人向けにカスタマイズされた、専門の任意保険もあります。
このような保険では、社会保険では補償しきれない労働時間外のトラブルや、プライベートでの問題に対して対策をすることができます。
任意保険は保険会社ごとにカスタマイズされた内容となっているため、どの保険会社を選ぶかは検討が必要です。
今回は最大手である特定技能外国人総合保険(JITCO保険)をご紹介します。
特定技能外国人総合保険(JITCO保険)
JITCO保険は元々技能実習生向けに設計された任意保険ですが、一部の保険内容は特定技能外国人にも応用可能です。正式な特定技能向け保険は保険会社ごとに提供されているため、目的に応じた適切な商品を選定する必要があります。
この保険は、特定技能外国人が母国を離れて日本で働く際のリスクを軽減するために設計されています。主な補償内容は以下の通りです:
医療補償: 病気やケガによる治療費の補償(自己負担額が軽減)。
死亡補償: 事故や病気で亡くなった場合、遺族への補償金支払い。
賠償責任補償: 日常生活や仕事中に他人に損害を与えた際の補償。
救援者費用: 緊急時に家族が日本に渡航する場合の費用を補償。
技能実習制度を利用する人向けに広く活用されていますが、特定技能外国人の場合も、契約内容に応じて加入が認められるケースがあります。この保険は労働契約や就業環境における万が一のリスクをカバーするため、加入は安心につながります。
特定技能外国人総合保険への加入に義務はありませんが、日本政府は外国人人材の受け入れのための対応策の一つとして加入を推奨しています。
詳しくは、こちらのページを参考にしてください。
外国人技能実習生保護支援・在留支援 | 外国人技能実習制度支援サービス | JITCO - 公益財団法人 国際人材協力機構
保険加入に関する企業の手続き
これまで、特定技能外国人が加入できる保険について解説してきました。
社会保険については企業側で加入の手続きが必要となります。
それぞれの手続き方法について、以下で解説します。
健康保険・厚生年金保険加入の手続き
健康保険・厚生年金保険の加入には、事実発生から5日以内に事務センター、または管轄の年金事務所に「被保険者資格取得届」の提出が必要です。
基本的には日本人の手続きと同じ流れですが、本人確認書類にはパスポートなどが必要になります。
詳細な流れや案内は、以下のページを参考にしてください。
就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構
雇用保険加入の手続き
雇用保険の加入時には、雇用開始から10日以内に管轄のハローワークへ雇用保険被保険者資格取得届の提出が必要です。
それ以外にも、労働契約書もしくは雇用契約書、在留カードのコピーが必要になります。
書類には、外国人労働者の氏名、生年月日、在留資格、在留期間、勤務開始日などの情報を正確に記載する必要があります。
雇用保険加入の手続きの詳しい案内は、下記ページを参考にしてください。
保険に加入する際の注意点
当然ですが、それぞれの保険には保険料の納付が必要になります。
なぜ保険が必要なのか、入らなかった場合どのような大きなリスクが発生するのかを、特定技能外国人に適切に説明し、加入の有無を決める必要があるでしょう。
例えば、何も保険加入がなかった場合、突発的な支出を雇用者が負担してあげるような場面が出てくるかもしれません。任意保険は加入義務がないので、強制することはできませんが、雇用主側の負担軽減という観点でも加入をおすすめする場合があります。
また、保険に加入したといっても、保険金が支払われないケースがあることを理解してもらう必要があります。分かりやすい例としては、妊娠出産に関わる医療費、犯罪行為に関わる賠償などです。雇用された時には保険金が出ると思っていたのに、という別のトラブルに派生してしまう可能性があるため、どのような場合に支払われるのか、日本での生活での注意事項を共有しておくことが大切です。
最後に、任意保険の支払いをどちらが担当するかという点です。
日本に来たばかりの外国人に対して、いきなり毎月保険金の入金をお願いするのは、難しいものがあります。そのため、給料を天引きすることで支払いを企業側で担当してあげたいと思われる方も多いのではないでしょうか。
給与天引きを行う場合は、労働者本人の書面による同意が必要です。任意保険の保険料については、事前に説明し、同意書を取得することを推奨します。
その場合には、1年に一回なのか、年間単位で控除していくのかなど、どのような方法が良いか検討する必要があります。
まとめ
本記事では特定技能外国人が加入すべき、保険について解説しました。
社会保険に合わせて任意保険にも加入してもらうことで、日本での生活を安心して送ってもらえるようになります。
しかし、日本の保険制度を理解している場合はほとんどありません。
そのため、日本の保障制度でどのような補償が受けられるのか、どれほどの保険料を納付する必要があるのかを説明し、理解してもらうことが必要です。
ご自分で完璧に説明できる自信がない場合には、人材紹介会社を仲介する方法もあります。特定技能外国人に精通した紹介会社では、企業が用意すべき人事労務の環境や手続きのサポートをしてくれたり、外国人への説明を代わりに行ってくれることもあります。
弊社G-FACTORY株式会社では、飲食業界の人材不足を解消するため外国人人材の採用支援から就労者の特定技能ビザ取得支援、企業側の受入支援まで外国人人材の採用サポートを一気通貫で行っています。
自社の飲食店で、外国人材による人材不足の解消を図りたい企業様は、以下のページからお気軽にご連絡ください。