“サゴる”時代が来る?2026年注目のサゴを飲食店が利益につなげる方法とは?

“サゴる”時代に、飲食店はどう利益を作るべきか?

外食業界ではここ数年、「流行りの食材」が短期間で消費されていくサイクルが加速しています。タピオカ、韓国スイーツ、アサイーなど、話題になった素材は数多くありますが、飲食店経営者にとって重要なのは話題性よりも、安定して利益構造に組み込めるかどうかです。

そうした中で、2026年に注目を集めているのが「サゴ」です。SNSでは「サゴる」という言葉も使われ始め、若年層を中心に「軽く甘いものを楽しむ行為」として定着しつつあります。派手なブームではありませんが、この“静かに広がる感じ”こそ、経営視点では見逃せないポイントです。実際に、Google Trendで見ても、サゴの検索数は過去5年で5倍近く、特に2025年下半期から検索数が伸びています。

サゴが今、選ばれ始めている理由は?

※画像内、白い小さな粒々がサゴです。

 

サゴは東南アジアで長年親しまれてきた、ヤシ科植物由来のデンプン素材で主に、デザートとして親しまれています。日本ではまだ一般的とは言えませんが、近年、若年層を中心に「新しいのに重くない甘味」として注目され始めています。その背景には、単なるトレンドではなく、消費者の食行動そのものが変化しているという構造的な理由があります。

まず大きいのが、「デザートに対する価値観の変化」です。かつては、ボリュームがあり、甘さが強く、満足感の高いデザートが好まれてきました。しかし近年は、食後の満腹状態や健康意識の高まりから、「最後に重たいものは避けたい」「少量でいいから甘いものが欲しい」というニーズが顕著になっています。サゴは粒が小さく、噛み応えはありながらも胃に残りにくいため、“食後でも負担にならないデザート”として選ばれやすい素材です。

次に注目すべきは、タピオカブーム後の反動です。タピオカは一時的に爆発的な人気を集めましたが、「量が多い」「カロリーが高い」「飲みきれない」といった声も増え、日常的な選択肢としては敬遠される場面も出てきました。サゴは見た目や食感に“噛む楽しさ”を残しつつ、満腹感を抑えられるため、「タピオカほど重くない次の選択肢」として自然に受け入れられています。

さらに、健康志向との親和性も無視できません。サゴは植物由来でグルテンを含まず、味にクセがないため、甘さや風味を後から調整しやすい素材です。糖質を極端に抑える素材ではないものの、「ナチュラル」「植物由来」「アジア伝統素材」といったキーワードと結びつけやすく、健康志向と嗜好性のバランスが取りやすい点が、飲食店側にとっても扱いやすい理由となっています。

また、サゴは「非日常すぎない」という点も重要です。海外由来の食材でありながら、ココナッツミルク、黒糖、抹茶、フルーツなど、日本の消費者がすでに慣れ親しんでいる味と組み合わせやすく、“知らないけれど怖くない”ポジションにあります。これは、新メニュー導入時の心理的ハードルを下げる要素であり、注文率を高める要因にもなります。

そして見逃せないのが、消費シーンの変化です。現在の外食では、「デザートを食べるために店を選ぶ」のではなく、「食事の流れの中で、自然に甘いものを足す」ケースが増えています。サゴはその流れに非常によく合い、“ちょっと甘いもの”として日常使いされやすいため、継続的に注文されやすい素材です。

このように、サゴが選ばれ始めている背景には、
・重たいデザートを避けたい心理

・タピオカ後の反動

・健康志向の広がり

・日常消費へのシフト
という複数の要因が重なっています。

サゴの最大の強みは、派手なブームに頼らず、「無理なく、何度も選ばれるポジション」を取れていることです。この特性こそが、飲食店経営においてサゴを“使える素材”にしている理由だと言えるでしょう。

「サゴる」という言葉が示す消費行動とは?

「サゴる」という言葉が生まれている背景には、「目的として食べに行くデザート」ではなく、「ついでに頼むデザート」という位置づけがあります。これは飲食店側にとって、回転率を落とさずに売上を積み上げられることを意味します。滞在時間を延ばさず、客単価だけを底上げできる商品は、人手不足が続く外食業界において非常に貴重です。サゴはまさに、その条件を満たしています。

 

簡単?サゴの調理方法は?

サゴは乾燥状態で仕入れることができ、調理工程も比較的シンプルです。特別な機材や高度な技術を必要としないため、既存オペレーションに無理なく組み込みやすい素材だと言えます。

基本的な調理は、まずサゴをたっぷりの熱湯で茹でるところから始まります。沸騰したお湯にサゴを入れ、粒の中心が半透明になるまで数分ほど加熱します。完全に透明になる手前で火を止め、余熱で仕上げるのがポイントです。加熱しすぎると粒が崩れやすくなるため、「火を入れすぎないこと」が食感を保つコツになります。

茹で上がったサゴは、ザルにあげて冷水で軽く洗い、表面のぬめりを取ります。その後、水気を切れば下準備は完了です。この状態のサゴはクセがなく、ココナッツミルク、ミルクティー、黒糖シロップ、フルーツソースなど、さまざまなベースと組み合わせることができます。

また、サゴはまとめて下処理しておける点も実務面でのメリットです。茹でたサゴは冷蔵保存が可能で、当日〜翌日程度であれば食感を大きく損なわずに使用できます。そのため、ピークタイムに一から仕込む必要がなく、提供時は盛り付けるだけの状態を作りやすいのも特徴です。

全体としてサゴの調理は、「茹でる・冷やす・合わせる」という3ステップが中心で、タピオカのように長時間の下茹でや頻繁な仕込みを必要としません。手間をかけずにデザートやドリンクの付加価値を高められる素材として、現場負担の少ない選択肢だと言えるでしょう。

 

実際に使いやすいサゴメニュー例

※かき氷の上にトッピングとして

 

サゴの良さは、難しい調理や専用設備が不要な点にもあります。以下は、すでに導入しやすく、かつ利益設計がしやすいメニュー例です。

まず定番なのが、「サゴ×ココナッツミルク×黒糖」の組み合わせです。東南アジア感がありながら、日本人にも馴染みやすく、食後デザートとして出しやすい構成です。グラスや小鉢で提供すれば、380〜480円程度の価格帯でも違和感がなく、原価を抑えながらしっかり粗利を確保できます。

次に、カフェ業態やテイクアウト向けとして相性が良いのが、「サゴ入りミルクティー/抹茶ラテ」です。ドリンクベースにサゴを加えるだけで、「噛めるドリンク」「デザート感のあるドリンク」として訴求できます。トッピングとして+80〜120円で設定すれば、原価増はわずかでも利益が出やすい構成になります。

さらに、季節メニューとして使いやすいのが、「マンゴーサゴ」や「いちごサゴ」といったフルーツ系です。冷凍フルーツを活用すれば仕入れリスクも低く、ビジュアル的にもSNS映えしやすいメニューになります。こちらは500〜650円程度の価格設定でも納得感を出しやすく、若年層の注文率向上が期待できます。

居酒屋やアジア料理店であれば、「食後にちょうどいい甘さのサゴデザート」として、メニューの最後に小さく載せるのも効果的です。「重くない甘味」「油っこい食事の後に合う」といった一言を添えるだけで、追加注文につながりやすくなります。

サゴの原価感と単価の考え方は?

サゴは乾燥状態で仕入れができ、1食あたりの使用量も少ないため、サゴ自体の原価は数十円程度に抑えられます。ミルクやフルーツを加えても、1杯あたりの原価は150〜250円前後で収まるケースが多いでしょう。

ここで重要なのは、サゴを「高単価商品」に仕立てようとしないことです。サゴはあくまで、追加注文されることで価値を発揮する素材です。無理に単価を引き上げるよりも、頼みやすい価格帯で設計し、注文数を積み上げる方が結果的に利益につながります。

流行りで終わらせないためのポイント

サゴは、トレンド素材としてのポテンシャルは高い一方で、日本ではまだ一般認知が十分とは言えません。この「知られていない」という事実は、裏を返せばチャンスでもありますが、説明を省いた瞬間に“選ばれないメニュー”になるリスクもはらんでいます。

飲食店でよく起こる失敗は、「流行っているらしいから入れたが、なぜ売れないのか分からない」という状態です。その多くは、メニュー表にサゴという単語だけが置かれ、「それが何なのか」「どんな味なのか」が伝わっていないことに原因があります。消費者は、新しい食材に対して基本的に慎重です。少しでも想像しにくい要素があると、「今回はやめておこう」という判断を下します。だからこそ、サゴを定番化させるためには、メニュー表やPOPでの“一言説明”が極めて重要になります。「東南アジアで親しまれてきた、軽い食感のデザート」「タピオカよりも軽く、食後でも食べやすい」など、比較や具体性を使って想像しやすくすることが、注文率を大きく左右します。

次に重要なのが、ビジュアル設計です。サゴは味にクセがなく、見た目もシンプルな素材だからこそ、盛り付けや器によって印象が大きく変わります。色味のない状態で出してしまうと、「地味」「特徴が分からない」という印象を与えやすくなります。一方で、フルーツやソースで層を作ったり、透明感のあるグラスを使ったりするだけで、“写真を撮りたくなるデザート”に変わります

SNS時代においては、「おいしいかどうか」だけでなく、「撮りたいかどうか」が注文動機になるケースも少なくありません。サゴは、少しの工夫で視覚的な魅力を作りやすい素材であり、ビジュアルを整えることは販促施策の一部だと捉える必要があります。

さらに見落とされがちなのが、メニュー内での置き場所です。サゴを目立たせようとして、主力デザートと同列に扱うと、「選択肢が増えすぎて選ばれない」状況を招くことがあります。サゴは主役ではなく、“ちょうどいい締め”としてのポジションを与えることで力を発揮します。食後デザート欄の最後や、「軽めの甘味」といったカテゴリ分けが効果的です。

また、期間限定の扱いにするかどうかも重要な判断ポイントです。最初は「季節限定」「今だけ」としてテスト導入し、反応を見ながら定番化することで、在庫リスクやオペレーション負荷を抑えられます。最初から定番にしない勇気も、流行りで終わらせないための戦略の一つです。

サゴは、入れただけで売れる素材ではありません。しかし、
「分かりやすく伝える」「見せ方を整える」「適切な位置に置く」
この3点を押さえるだけで、単なる流行素材から“利益を生む定番メニュー”へと変わります。

流行を追うのではなく、
流行を自店の形に翻訳できるかどうか
それが、サゴを一過性で終わらせない最大の分かれ目です。

まとめ:サゴは2026年の“客単価調整メニュー”

サゴは、一気に売上を伸ばすための主役商品ではありません。しかし、原価高・人手不足が続く中で、確実に客単価を積み上げるための調整役として非常に優秀な素材です。

「流行っているから入れる」のではなく、
「利益構造に組み込めるから使う」

その視点でサゴを導入できれば、2026年以降も無理なく使い続けられるメニューになります。

まるっと飲食情報局-1

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柴田彩
大学ではインターナショナルビジネスとマーケティングを専攻しました。多文化な環境で暮らす中で、「言葉で伝えること」の力と難しさ、そして面白さを日々実感してきました。 このサイトでは、日本の飲食業界における外国人材の受け入れや、「特定技能」制度に関する情報を中心に発信しています。制度や手続きといった堅いテーマも、できるだけわかりやすくお届けできたらと思っています。誰かの「なるほど」「知らなかった!」という気づきにつながる、そんな記事を目指しています。
柴田彩
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