2025/04/25

こどもの日×外食、家族向け施策強化 GW需要に対応

目次

外食チェーン各社がこどもの日を起点にファミリー施策を強化中

外食大手では、2025年のゴールデンウィークおよびこどもの日に向け、家族連れの集客を見据えた施策が相次いで展開されている。その中から、焼肉チェーン「安楽亭」「焼肉の和民」、宅配ピザチェーン「ドミノ・ピザ」の3社による代表的な取り組みを紹介。

小学生向け「食べ放題特価」で客単価アップ狙う焼肉チェーン

焼肉チェーン「安楽亭」は、4月25日~5月7日の13日間、「肉の日感謝祭」を実施。人気の食べ放題コースが最大1,277円引きになるほか、小学生はすべてのコースを1,129円(税込1,242円)で提供するなど、家族単位での来店を意識した価格設計を行う。また、こどもの日にちなんだ「お子様セット」を29円(税込31円)で提供するなど、話題性と来店動機の創出を狙う。

一方、「焼肉の和民」では、5月2日~6日の5日間限定で、小学生低学年(1~3年生)を対象に食べ放題コースを999円(税込1,098円)で提供。通常価格の半額以下となり、高学年も半額、幼児は無料とすることで、子ども連れ世帯への強力なアピールとなっている。

いずれの施策も、「家族全体での外食」をキーワードに据え、子ども向け特価を入口に、同伴する大人の単価向上や滞在時間の延長を狙う設計がうかがえる。

ドミノは「食育」も意識した体験イベントで差別化

ドミノ・ピザは、4月26日~5月6日のGW期間中、「ピザアカデミー こどもの日スペシャル」を全国の店舗(一部除く)で開催。実際のクルーの指導のもと、「こいのぼり型ピザ」を作る本格的な体験プログラムを提供し、参加者には認定証やエプロン・キャップをプレゼントする。

ドミノでは、2025年のGWが「遠出しづらい」カレンダーである点に着目し、近場で楽しめる“お仕事体験型外食”として訴求。体験を通じてブランドとの接点を深めると同時に、SNS投稿など二次的効果も見込まれている。

外食業界全体で進む「家族向け×体験価値」の強化傾向

こうした各社の施策に共通するのは、「家族の思い出作り」をキーワードに、価格訴求だけでなく体験価値やイベント性を高めている点だ。特に焼肉やピザといった“シェア前提のメニュー”は、親子連れにとって参加しやすく、自然な形で滞在時間や追加オーダーにつながりやすい。また、こどもの日施策は単発の来店促進だけでなく、「次世代の顧客層を育てる」ことにもつながる重要な機会と捉えられている。

今回はご紹介した3社以外にも、ファミリー層を意識した施策を打ち出す外食企業は少なくない。来店動機が“価格”から“思い出”へと変化する中で、子どもを起点にしたコミュニケーションのあり方が、今後の外食ブランド戦略を左右するカギとなりそうだ。

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織田 夏海
GーFACTORY株式会社 Promotion Support 飲食店舗のHPやSNS運用、メディア向けリリース業務などを通して「食」の世界に触れてきました。また、これまで飲食店経営者へのインタビューや飲食業界のSDGsに関する特集記事など、飲食業界に特化した記事を執筆してきました。このサイトでは、これらの経験を活かし、飲食業界の皆様に役立つ情報や、日々の業務に役立つヒントを提供していきます。
織田 夏海
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