2024/07/19
飲食店の初期費用を徹底解説!資金調達から費用内訳まで
飲食店開業に必要な初期費用とは?
飲食店の開業資金の平均額は、約1000万円と言われています。
日本政策金融公庫が発表した「2022年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は“1,077万円”であることが判明しました。
ですが、この調査結果は飲食業界に限ったものではないため、実際の資金が1,000万円を超える場合もあれば、1,000万円を超えない場合もあります。
実際の初期費用の内訳は以下の通りです。
・機械・什器・備品費
・内装工事費
・運転資金
・広告宣伝費
・テナント貸借費
・営業保証金・FC加盟金 etc
「オープンしたぞ!これから忙しくなるなぁ!」と意気込んでいても、実際は思うように利益が上がらないこともあります。赤字になってもフォローできるよう、運転資金には余裕を持ちましょう。
日本政策金融公庫が刊行している「創業の手引き+」によると、初期費用(開業資金)を調達するうえで確認すべき項目は以下の通りです。
<確認すべき項目>
・出店予定地の家賃・保証金は、周辺相場と比べて妥当な水準ですか?
・飲食店の内外装工事の実績がある工事業者を知っていますか?
・2社以上から見積書を取って、工事価格の妥当性や相場観を掴んでいますか?
・出店場所や内外装、厨房機器等のグレードは、自身で調達できる金額を算段したうえで決めていますか?
・創業時の広告宣伝費や人材募集費等の運転資金、事業開始後の運転資金(6か月程度の赤字補てん資金等)の準備はできていますか?
・居抜き物件の場合、譲渡してもらう造作・設備の価格内訳や、価格の妥当性を確認していますか?
(参考:日本政策金融公庫「創業の手引き+」)
飲食店の開業資金はどうやって調達するの?
「自己資金だけでは必要な資金には届かない…」
先程、開業資金の平均額は1,000万円だとお伝えしましたが、自己資金で1,000万円を保有している人はなかなかいません。
開業するにあたって、自己資金以外に頼れる場所があることを知っておきましょう。
金融機関から融資を受ける
起業向けの融資なら、実績がなくても申し込みができます。
例えば、日本政策金融公庫であれば「新規開業資金」として運転資金4,800万円まで融資を受けられます。担保や保証人は不要なので、多くの新規開業者が利用しています。
自治体の融資制度に申請する
各自治体にて、起業・創業を応援するための制度融資を設けている場合があります。
制度融資とは、金融機関・信用保証協会・自治体の3つの機関が連携して実施する融資のことです。
ただし、3つの機関が連携するため手続きが複雑化しやすく、融資までに時間がかかる傾向があります。
保証協会の融資を活用する
信用保証協会とは、中小企業や小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。融資の限度額は3,500万円までです。利息だけでなく“信用保証料”が発生するので注意しましょう。
クラウドファンディングで調達する
クラウドファンディングとは、不特定多数がある人の事業を応援する名目で少額を出資する制度です。多数の起案者の中から選んでもらうためには、飲食店開業への熱意を伝える必要があります。他者に伝えたい熱い思いがあるのなら挑戦してみても良いでしょう。必ず多額の費用が集まるわけではないので注意してください。
飲食店開業の初期費用を抑えるためのポイント
開業費用をできるだけ抑えれば、その後の、店の運転資金に回すことができます。
そのための方法を解説します。
居抜き物件を借りる
居抜き物件とは、以前入っていた店舗の内装設備が残ったままの物件を指します。そのまま自分の店舗として再利用することで、内装設備費を大幅にコストカットすることができます。居抜き物件は簡単に手に入るものではないので、早めに不動産業者へ相談しましょう。
DIYをする
自分で改装できそうなところは、自分で直すのも1つの手です。
業者に依頼すると費用が高くなりがちです。できる限り自分の手でおこなえば、費用を抑えることができます。
飲食店開業の成功例と失敗例
飲食店の生き残りをかけた戦いは激しく、新規参入の飲食店が3年以上営業を続けられる確率は、約30%です。そんな飲食業界で生き残る人の共通点と、失敗に終わる人の共通点を紹介します。
成功者の共通点
飲食業界は競争の激しい業界であり、生き残るのは簡単なことではありません。ですが、長年愛される飲食店があるのも事実です。これらの飲食店はなぜ生き残っているのか、共通点をご紹介します。
<共通点>
・店のコンセプト、ビジョン、目標がはっきりしている
・人材採用と教育を徹底している
・衛生管理を怠らない
・積極的に顧客とコミュニケーションをとる
・他店と差別化できる要素があるか常に研究する
・店の財政管理をしっかりおこなっている
失敗例から学ぶポイント
失敗した飲食店の多くは、資金計画の甘さや経営ノウハウの不足が原因です。特に挙げられる要因は、「初期費用の見積が甘いこと」です。開業後の運転資金が不足し、早期に閉店に追い込まれるケースが多いです。飲食店は参入障壁が低い分、業界生存率が驚くほど低いと言われています。日本政策金融公庫の調査によれば、飲食店の5年後の生存率は約15%~20%という結果が出ています。つまり、開店から5年以内に約80%の飲食店が閉店しているのです。
新しく開業したいと考えるオーナーが注意するべきポイントは以下の通りです。
<注意点>
・資金調達の際は、予定額よりも+20%多く見積もる
→資金不足で廃業に陥るのを防ぐため
・顧客の声を聞き、サービスに反映させること
→リピーターを作りだし、口コミで新規顧客の獲得を目指すため
・SNSマーケティングを積極的におこなう
→キャンペーンやイベント情報を発信し、お客様の興味・関心を引くことで来店を促進するため
まとめ
飲食店の初期費用を把握し、適切な資金調達方法を選ぶことは、成功への第一歩です。居抜き物件の活用や助成金の取得など、様々な方法を駆使して、あなたの夢を実現してください。