2024/08/27
農林水産省の調査によると、令和3年度の食品ロス量は523万トン(前年度比+1万トン)に上りました。この523万トンの食品ロスは、単に廃棄されるだけでなく、約1.4兆円もの経済的損失をもたらしています。言い換えれば、私たちは食べ物だけでなく、自分たちの資源やお金も捨てていることになるのです。
この深刻なフードロス問題に対応するため、環境省、消費者庁、農林水産省が連携して「mottECO(モッテコ)」という取り組みを始めました。mottECOは、飲食店で食べきれなかった料理を自己責任で持ち帰る行為を推進する活動です。この取り組みを通じて、「食べ残したものを持ち帰り、ゴミにしない文化」を広めることが目指されています。
さらに、この取り組みの拡大を目指して「mottECO普及コンソーシアム」が結成され、2024年7月26日には、食べ残し持ち帰りの普及を推進する講演会が開催されました。現在、外食業界、ホテル業界、中食業界を含む21の企業・団体がこのコンソーシアムに参加しており、mottECOの普及を支援しています。
外食産業において、フードロスの削減は単なる社会貢献ではなく、ビジネス戦略としても非常に重要です。特に、消費者の環境意識が高まっている今、持続可能なビジネスモデルを採用することは、企業にとって差別化のポイントとなります。mottECOに参画することは、SDGsへの貢献の一環であり、また「mottECO」加盟店としての認知度が高まることで、消費者の選択基準に影響を与え、店舗の集客にもつながる可能性があります。
要するに、フードロス削減の取り組みは、企業にとって単なるコスト削減やCSR活動ではなく、今後の持続可能な成長を支える重要な要素なのです。企業としてこの動きに積極的に関わり、消費者に支持されるブランドを築くことが、外食産業の未来を左右すると言えるでしょう。