2025/05/10
ロケットナウ、港区・渋谷区・新宿区で本格始動 ― デリバリー市場に「送料無料」の新潮流

目次
韓国Coupang、東京主要エリアで新フードデリバリー「rocket now」開始
韓国EC大手Coupang(クーパン)は2025年1月14日、東京都港区・渋谷区・新宿区において新たなフードデリバリーサービス「rocket now(ロケットナウ)」を本格始動した。配送料・サービス料ともに無料という利用者メリットを強調し、日本のフードデリバリー市場で独自のポジション確立を目指す。
rocket now配送料・サービス料なし、シンプルな料金モデル
Rocket Nowは、配送料・サービス料は一切かからず、購入代金のみで利用できるシンプルな料金体系を採用している。初回利用者には2,000円分の割引クーポンを提供し、友人紹介キャンペーンによる利用者拡大も図っている。
現在のサービス提供エリアは港区・渋谷区・新宿区に限定されているが、今後の需要動向を見据え、エリア拡大も視野に入れている。韓国での成功事例をもとに、高付加価値エリアでのブランド浸透を優先して展開する方針とみられる。
飲食店にとってのrocket nowの導入メリットと留意点
Rocket Nowの導入により、初期費用なしで新規顧客獲得のチャンスを得られる点は大きな魅力だ。積極的なプロモーション展開により、プラットフォーム内での露出機会も高まっている。
特に注目すべきは、Rocket Nowが現在「立ち上げ期」にあることだ。
新規参入店舗は、プラットフォーム内で優先的に露出されやすく、プロモーション強化期間中は集客効果も高い。利用者の関心が集まるこのタイミングで掲載することで、将来的なリピーター獲得にもつながるだろう。
さらに、競合店舗が少ない現状では、ユーザーに発見されやすく、注文獲得のチャンスも大きい。今後、サービスエリアの拡大やユーザー数の増加に伴い、プラットフォーム内での競争は激化する可能性がある。今だからこそ、先行してポジションを確立しておくことが、中長期的な集客戦略として重要と言える。
一方で、サービス提供エリアは限定されているため、対象外エリアの店舗は短期的なメリットを受けにくい。また、現状は「配送料・サービス料無料」を掲げているが、将来的な手数料体系の見直しリスクも考慮すべきだ。導入検討時には、手数料率や契約条件についての十分な確認が求められる。
新興プラットフォーム rocket nowの動向に注視を
Rocket Nowは「配送料・サービス料無料」という革新的なビジネスモデルで、日本のデリバリー市場に新たな選択肢を提示した。特に中小規模の飲食店にとっては、低リスクでデリバリーチャンネルを拡大する好機となる可能性がある。
今後、サービスエリアの拡大が進めば、デリバリー市場の競争環境は大きく変化するだろう。飲食店経営者は、こうした新興サービスの動向を的確に捉え、自店に最適なチャネル戦略を柔軟に構築していくことが、成長の鍵となる。
