2025/06/12

APホールディングス つかだ食堂、夏の名物メニュー今年も登場

目次

つかだ食堂、スパイス香る夏限定新メニュー「和風カレーとん汁」が登場

神奈川県武蔵小杉駅近くの人気定食店「つかだ食堂」(運営:エー・ピーホールディングス)が、2025年も6月11日より夏季限定メニュー「夏の和風カレーとん汁」(税込825円)の販売を開始した。豚汁にカレーのスパイスと魚粉を加え、夏野菜や柔らかく煮込まれた豚バラ肉を贅沢に盛り込んだ一品だ。単なる味噌仕立ての豚汁ではなく、食欲をそそるスパイスの香りと深い旨味が特徴であり、「定食としても、お酒のつまみとしても楽しめる」という、まさに二刀流メニューである。彩り豊かな具材は見た目にもインパクトがあり、夏の暑さで食欲が落ちる時期でも手が伸びやすい工夫がなされている。

飲食業界で進む定番メニューの「季節風味変アレンジ」

このように、つかだ食堂が導入したメニュー戦略は、飲食業界全体に広がりつつある「定番メニューの再構築」と「季節を感じさせる演出」の流れを象徴するものである。特に昨今の外食業界では、気温や行事に合わせた限定商品を導入することで、一定期間内での顧客の来店頻度を高める取り組みが増えている。なかでも、味のベースを変えずにスパイスや素材でアレンジを加える「味変型」メニューは、既存のファンを離さずに、かつ新規顧客を呼び込む手法として注目を集めている。今回の和風カレーとん汁は、まさにその好例といえる。

「定番×ひと工夫」で広げる新メニューの多様性と可能性

つかだ食堂の事例から学べる第一のポイントは、「定番×ひと工夫」のメニュー開発である。豚汁という日本人にとって馴染みのある定食メニューにカレーと魚粉を加えることで、安心感と新しさのバランスを巧みにとっている。

また、「ごはんと一緒に食べたい」「晩酌の一品にもなる」という二面性を打ち出すことで、ランチとディナー双方のニーズに応える設計になっている。こうしたアプローチは、業態を問わず、多くの飲食店で参考にできる部分である。とくに、定食業態と居酒屋を横断するようなメニュー設計は、今後の飲食店経営における重要な差別化ポイントとなるだろう。

満足感◎・映え◎・希少性◎の三位一体

第二のポイントは、「視覚と季節感を重視した商品づくり」である。夏野菜を大きめにカットして盛り付けることで、見た目の満足感と食べごたえを両立させている点が特徴だ。これはSNSを通じた拡散にも効果的であり、”映え”を意識した盛り付けが集客の武器となる。また、税込825円という価格設定は「ちょっと贅沢な定食」としての位置づけを狙っており、季節限定という希少性が購買意欲を後押しする。

このような販売戦略は、原価率と回転率のバランスに悩む飲食店にとって、導入を検討する価値があるアプローチといえるだろう。

まるっと飲食情報局-1

宮原康助
ケムニッツ工科大学院 哲学部大学ではコミュニケーションを専門に学びながら、「どうすれば人の心に届く表現ができるのか?」を考えてきました。記事では、読む人にとって“わかりやすくてタメになる”、そしてほんの少しでも前向きになれるようなコンテンツを目指しています。「食」は誰かにそっと寄り添う力があると信じています。その魅力と可能性を、さまざまな視点から丁寧に発信してまいります。
宮原康助
ケムニッツ工科大学院 哲学部大学ではコミュニケーションを専門に学びながら、「どうすれば人の心に届く表現ができるのか?」を考えてきました。記事では、読む人にとって“わかりやすくてタメになる”、そしてほんの少しでも前向きになれるようなコンテンツを目指しています。「食」は誰かにそっと寄り添う力があると信じています。その魅力と可能性を、さまざまな視点から丁寧に発信してまいります。