「ミシュランガイド2025年版」全507軒の掲載店を発表!三つ星・二つ星・一つ星の新規店も紹介

10月17日、「ミシュランガイド東京2025」が発表され、進化を続ける東京の食シーンが改めて注目を集めています。今年は、34種類の料理カテゴリーから過去最多の507軒が掲載されました。ミシュランは2007年に日本初進出し、18年で掲載軒数を増やし続け、紹介するレストランの幅を広げています。
『SÉZANNE (セザン)』が評価を上げて初の三つ星に。三つ星12店、二つ星26店
2025年版の「ミシュランガイド東京」が発表され、進化を続ける東京の食シーンが改めて注目を集めています。「ミシュランガイド東京2025」は、三つ星12店、二つ星26店と、輝かしい星の数々が今年も東京の街を彩りました。今回は、フランス料理店『SÉZANNE (セザン)』が初の三つ星を獲得。2022年に一つ星、2023年に二つ星と着実に評価を上げてきた同店。料理長のダニエル・カルバート氏が織りなす、フランス料理の技法と世界各国で培った経験、そして日本の厳選食材が見事に融合した料理の数々は、まさに三つ星にふさわしいと評されています。
近年、三つ星獲得までの年数が短くなっている傾向も。2020年には『Restaurant KEI』の小林圭氏が、わずか3年で二つ星から三つ星へと昇格を果たしました。小林氏は今回、東京・銀座の『エリタージュ バイ ケイ コバヤシ』が新たに一つ星を獲得したほか、『ケイ コレクション パリ』がセレクテッドに選出されるなど、その活躍は東京とパリを繋いでいます。
注目すべきは、デザートレストラン『山』が「クリエイティブ」という新たなカテゴリーで一つ星を獲得したこと。近年、コース全体でデザートを堪能できるレストランが増加していますが、『山』はその先駆け的存在として知られています。産地直送のフルーツを用い、繊細かつ上品に仕上げられたデザートの数々は、五感を刺激する芸術と言えるでしょう。
その他、二つ星には『天ぷら 元吉』が新たに名を連ねました。食材に合わせて衣を調整し、従来の「熱い」という天ぷらの常識を覆す、食材本来の味を引き出す天ぷらは、多くの食通を魅了しています。
持続可能な社会の実現に向けて欠かせない「ミシュラングリーンスター」には、精進料理の『醍醐』を含む12店が選出。また、昨年新設された「セレクテッドレストラン」は41店増の227店となり、東京の食の多様性を物語っています。
三つ星評価(そのために旅行する価値のある卓越した料理)を受けた12店(★★★)
『かんだ』(日本料理・港区)
『麻布 かどわき』(日本料理・港区)
『虎白』(日本料理・新宿区)
『セザン』(フランス料理・千代田区)
『青空』(寿司・中央区)
『ロオジエ』(フランス料理・中央区)
『神楽坂 石かわ』(日本料理・新宿区)
『龍吟』(日本料理・千代田区)
『レフェルヴェソンス』(フランス料理・港区)
『ジョエル・ロブション』(フランス料理・目黒区)
『カンテサンス』(フランス料理・品川区)
『茶禅華』(中国料理・港区)
二つ星評価(遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理)を受けた26店(★★)
『ピエール・ガニェール』(フランス料理・港区)
『明寂』(日本料理・港区)
『プリズマ』(イタリア料理・港区)
『晴山』(日本料理・港区)
『てんぷら 近藤』(天ぷら・中央区)
『アサヒナガストロノーム』(フランス料理・中央区)
『天ぷら 元吉』(天ぷら・渋谷区)
『オマージュ』(フランス料理・台東区)
『マス』(イノベーティブ・千代田区)
『フロリレージュ』(フランス料理・渋谷区)
『銀座 福樹』(日本料理・中央区)
『紀尾井町 福田家』(日本料理・千代田区)
『エスキス』(フランス料理・中央区)
『天ぷら 銀屋』(天ぷら・港区)
『傳』(日本料理・渋谷区)
『銀座 小十』(日本料理・中央区)
『クローニー』(フランス料理・港区)
『すきやばし 次郎 六本木店』(寿司・港区)
『ナリサワ』(イノベーティブ・港区)
『銀座 しのはら』(日本料理・中央区)
『リューズ』(フランス料理・港区)
『久丹』(日本料理・中央区)
『赤坂 菊乃井』(日本料理・港区)
『神宮前 樋口』(日本料理・渋谷区)
『スリオラ』(スペイン料理・中央区)
『鮨 かねさか』(寿司 中央区)
一つ星評価(近くに訪れたら行く価値のある優れた料理)を新たに受けた13店(★)
『エリタージュ バイ ケイ コバヤシ』(フランス料理・港区)
『プリモ パッソ』(イタリア料理・中央区)
『焼鳥 髙はし』(焼鳥・中央区)
『アポテオーズ』(フランス料理・港区)
『オルタンシア』(フランス料理・中央区)
『割烹 室井』(日本料理・港区)
『佐野鮨』(寿司・港区)
『スィークル』(フランス料理・千代田区)
『ソーセ』(フランス料理・渋谷区)
『白寧』(現代風料理・港区)
『東山無垢』(日本料理・目黒区)
『山』(クリエイティブ・港区)
『四ツ谷 みね村』(日本料理・新宿区)
2024年新設、ミシュランガイド “セレクテッド・レストラン”とは
ミシュランガイドには、「星」の評価以外にも魅力的なレストランを掲載するカテゴリーが存在します。それが、2024年版の東京から登場した「セレクテッド」です。「セレクテッド」は、一言で言うと「ミシュランがお薦めする料理を提供するお店」のこと。星のように明確な評価基準ではなく、より広範囲な魅力を持つレストランを発掘し、紹介することを目的としています。
星付きレストランとの違いは?
選定基準
ミシュランガイドの調査員は、星評価の明確な基準に当てはまらなくても、魅力的なレストランに遭遇することでしょう。「本当におすすめできるのに、星はつけられない…」そんなジレンマから生まれたのが「セレクテッド」なのかもしれません。厳しい評価員たちの間でも意見が分かれるほど、個性豊かで魅力的なレストランが名を連ねているのではないでしょうか。
知名度や歴史
星付きレストランは新規開店のお店が多い一方で、「セレクテッド」には歴史や伝統を持つ名店も名を連ねます。例えば、2025年版では京橋のフランス料理店『シェ・イノ』(1984年開業)や銀座のイタリア料理店『ロドラント ミノルナキジン』(2008年開業)などが新たに選出されています。
掲載店舗数
「セレクテッド」は星付きレストランよりも掲載店舗数が多く、ミシュランの幅広い視点を知ることができます。
2025年版の東京では「セレクテッド」は227軒にも及び、星付きレストラン (一つ星から三つ星) の合計170軒を上回っています。
「セレクテッド」は、星とは異なる視点でレストランを紹介する、ミシュランガイドの新たな試みと言えるでしょう。歴史ある名店から話題の新店まで、バラエティ豊かなラインナップとなっています。
まとめ
10月17日に発表された「ミシュランガイド東京2025」では、多彩な料理カテゴリーから過去最多の507軒が掲載されました。今年は「セレクテッドレストラン」が41店増え、227店となり、東京は依然として「世界で最も星が多い都市」としての地位を保っています。初回の2007年と比べると、三つ星、二つ星、一つ星の店舗数に、ビブグルマンやセレクテッドが加わり、東京のミシュランガイドはますます豊かな飲食シーンを提供するセレクションへと進化しています。