飲食塾で学ぶ人・卒業生の声
飲食塾コラム
2025-08-29 03:00:00
寿司屋で使われる「片思い」の意味とは?
「片思い」は寿司の“バランス崩れ”を意味する隠語
寿司職人の世界では、一般の人にはなじみのない独特の隠語が数多く存在します。その一つが「片思い」という言葉です。恋愛にまつわる表現のように聞こえますが、寿司の世界ではまったく別の意味を持っています。
「片思い」とは、シャリ(酢飯)とネタ(魚)がずれてしまっている状態を意味します。大きくネタがずれてしまっていたり、シャリが片側に寄ってしまっている物のことを言います。
ネタとシャリがぴったりと合っていないことを気持ちが一方通行な「片思い」に例えて生まれた言葉です。
熟練の寿司職人の握りは“両思い”
一方、シャリとネタがぴったり合っている状態は「両想い」。
寿司職人にとっては、ほんの数ミリのズレも、妥協できない“差”であり、彼らが握る寿司は見た目にも美しく、口に入れた瞬間にほどけるような一体感のある「両想い」の寿司です。
このような見た目の美しさと食べやすさの両方を備えた寿司には、職人の高い技術と丁寧な心遣いが詰まっているのです。
修業中に言われる「片思い」は愛ある注意
寿司学校や寿司屋での見習い期間中は、先生や先輩から「片思いだね」と言われることもあります。そう言われると「見た目が良くないのか」と落ち込んでしまうかもしれませんが、これは決して責める意味ではなく、「もっと上手くなってね」という激励なのです。
寿司の「片思い」は寿司職人として成長する道の通過点。
そこから「両想い」の美しい寿司を目指して、練習を積んでいくのが寿司職人を目指す人にとって成長の証なのです。
「片思い」という言葉が生まれた背景
寿司の隠語は、江戸時代の寿司屋文化の中で自然に生まれてきました。忙しい店内で職人同士が短い言葉でやり取りをする必要があったこと、そして客に分からないように会話をする必要があったことが理由です。
例えば、しょうゆを「むらさき」、わさびを「さび」、わさびが多すぎる状態を「泣き」、酢飯が足りなくなることを「シャリ切れ」と呼びます。
その中でも「片思い」は特にユーモアのある表現で、厳しい修行の場に少しの温かみを添えてきました。単なる失敗を叱責するのではなく、恋愛になぞらえて軽やかに指摘することで、弟子が前向きに練習できるよう配慮された言葉だとも言えます。
まとめ|「片思い」は寿司職人の感性が生んだ言葉
「片思い」というユーモアあふれる言葉には、繊細な仕事を求められる寿司職人の美学と、遊び心ある日本語文化の豊かさが詰まっているのです。
もし次に寿司を食べるとき、ネタとシャリがぴたりと合っていたら、「これは両思いだな」と寿司職人の目線で見てみてください。
3ヵ月でプロを目指す実践寿司学校「飲食塾」
寿司用語や握り方、ネタの知識をもっと深く学びたい方は、寿司学校「飲食塾」へ。
当校では、圧倒的な練習量と実店舗での営業経験を通じて、短期間でプロの寿司職人を育成しています。
入塾2日目から実際に寿司を握り、3カ月で握る寿司は約2,500貫、捌く魚は30種類以上!
現場経験豊富な講師のもと、初心者でも安心して学べるカリキュラムで、基本から現場での所作まで実践的に習得できます。
卒業後も開業や海外進出までワンストップでサポート。
ミシュラン獲得店を含む40以上の飲食店を経営している当校が全力でサポートいたします。
ご興味のある方は、LINEの友達追加からお気軽に資料請求・ご相談ください。