2025/04/22
8番らーめん、カンボジアに年内初出店へ 日本ラーメンチェーンが東南アジアで拡大

東南アジア展開を加速 「8番らーめん」がカンボジアへ
北陸を中心に国内外でラーメンチェーンを展開する株式会社ハチバン(金沢市)は18日、同社が運営する「8番らーめん」をカンボジアに進出させると発表した。海外出店は1992年のタイ、そしてベトナムに次いで3カ国目となる。年内には首都プノンペンで1号店の開業を予定しており、現地の通信・インターネット事業者「TPLCホールディングス」とのフランチャイズ契約を通じて準備が進められる。
カンボジアは近年、若年層を中心に人口増加と都市化が進む新興市場で、日本食や麺文化に親しみのある土壌もある。これを背景に、ハチバンは自社の海外経験を活かし、現地従業員の教育や商品開発支援を行いながら、段階的な多店舗展開を見据えている。
カンボジアのラーメン市場に期待 8番らーめんが見据える成長性
カンボジア市場は、成長著しい経済環境に加え、日本食に対する高い人気が挙げられる。特にプノンペンでは外食文化の多様化が進んでおり、現地の富裕層や中間層をターゲットとした新業態やブランドの進出も増加傾向にある。「8番らーめん」のような“ジャパンクオリティ”の提供は、現地消費者の信頼を得やすいと考えられている。
カンボジアでは、今回の8番らーめんのように、日本の飲食企業による進出がこの数年で増加している。とりわけ首都プノンペンでは中間層の拡大とともに外食需要が高まり、日本食に対する関心が一層強まっている。例えば、トリドールホールディングスは2015年に「丸亀製麺」を出店し、現地にうどん文化を浸透させているほか、吉野家も現地で店舗を構え、手軽に楽しめる和食として認知を高めている。
日本の飲食企業、カンボジア市場に続々進出——東南アジアの新たな成長拠点
これらの事例に共通するのは、日本ブランドならではの「品質」「清潔さ」「接客」への信頼感だ。麺類や丼物といったシンプルで親しみやすいメニューは、現地の食文化との親和性が高く、導入しやすい業態として注目されている。また、現地パートナーとの強固な連携によって、出店・運営・人材育成などを一体的に行う体制が整いつつある点も、日本食業態の進出加速を後押ししている。
今回の8番らーめんによる進出も、こうした流れの中に位置づけられる。すでに進出実績を持つ企業が現地での成功の布石を打っていることは、後続の飲食企業にとって大きな安心材料となるだろう。今後、国内市場に限界を感じている経営者にとって、カンボジア市場が現実的な選択肢となる可能性は十分にある。
