2025/01/29
飲食店倒産、過去最多の894件。支援縮小・物価高から2024年は厳しい経営環境続く

2024年の飲食店倒産件数が過去最多の894件に達したことが、帝国データバンク(東京都港区)の調査で明らかになった。前年(768件)と比べて16.4%の増加となり、これまで最多だった2020年(780件)を上回る結果となった。
支援縮小と物価高が影響か
2020年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、多くの飲食店が影響を受けた。しかし、その後はゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)や協力金などの支援策により、一時的に倒産件数は抑えられていた。
ところが、2024年には支援策が縮小し、多くの企業で融資の返済が本格化。加えて、急激な円安による原材料費や光熱費の高騰、人件費の増加が経営を圧迫し、小規模店舗を中心に資金繰りが厳しくなった。
小規模店舗に打撃
負債規模別では、
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1000万~5000万円未満が692件と最多
5000万~1億円未満が92件
1億~5億円未満が93件
と、小規模店舗の倒産が目立つ。
業態別では、「酒場・ビヤホール」が212件で最多。次いで、「中華料理店・その他の東洋料理店」(158件)、「西洋料理店」(123件)と続いた。
今後も高水準の倒産が続く見通し
帝国データバンクの分析によると、飲食業界では原材料費や光熱費の上昇、人手不足による人件費負担の増加が経営を圧迫している。一方で、消費者の節約志向により原価高を価格に反映できず、収益改善が難しい状況が続いているという。
厳しい経営環境が続く今こそ、柔軟な発想と迅速な対応で生き残りを図ることが重要だ。
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