2025/06/20
【2025年夏の主戦力】 「涼味×スタミナ」メニューが席巻中!東京とろろそば&すた丼屋の攻めの一手に学ぶ

「涼味×スタミナ系」こそ、蒸し暑い夏の勝ち筋メニュー!
猛暑と食欲不振の狭間で揺れる夏の外食市場。2025年のトレンドキーワードとして浮上しているのが「涼味×スタミナ系」メニューだ。冷たさやさっぱり感で“食べやすさ”を担保しつつ、肉・にんにく・出汁などで“満足感”も追求。
今回、東京とろろそばと伝説のすた丼屋が相次いで打ち出した期間限定商品は、まさにこの“涼×力”を両立するメニュー戦略の好例といえる。
各ブランドの方針と工夫を追いながら、外食業界における勝ち筋を探っていく。
東京とろろそば:『牛焼肉とろろそば』で”するり×ガッツリ”を両立
「東京とろろそば」(アークランドサービスホールディングス株式会社)では、6月25日から夏季限定で『牛焼肉とろろそば』『牛焼肉とろろ麦めし』を販売開始。ポイントは、“滑らかとろろ”と“甘辛牛焼肉”の重層構造。冷たい出汁とろろに温かい肉を合わせることで、涼味と満腹感のバランスを絶妙に調整している。
さらに、そば・平打ちそば・うどんの中から好みの麺を選べる構成で、食感やボリューム感の最適化が可能。価格帯は税込1,188円と手頃で、ランチ需要を意識した設計だ。落ち着いた店舗コンセプトに合致した、涼しくも満たされる一皿である。
伝説のすた丼屋:『とろろぶっかけすた丼』で豪快な”冷×熱パワー飯”を演出
一方、「伝説のすた丼屋」及び「名物すた丼の店」(株式会社アントワークス)では、6月4日から『とろろぶっかけすた丼』を全国展開。秘伝のにんにく醤油ダレで炒めた豚バラ肉のすた丼に、とろろ・青ねぎ・温玉を加えた豪快なぶっかけ仕様。こちらは“スタミナ感”を基軸に、冷要素を追加するという逆アプローチが特徴だ。
とろろは従来比2倍量で圧倒的な粘りと見た目のインパクトを演出。さらに、唐揚げとの合盛りも用意し、ボリューム志向の若年層や食欲旺盛なユーザーの期待に応えている。サイズ展開(腹五分〜元祖盛り)により、ターゲットごとの最適化も抜かりない。
構造・価格・ターゲット比較で見る「涼味×スタミナ系」の設計思想
上で見てきたように「東京とろろそば」と「すた丼屋」同じ“涼×力”をテーマにしながらも、両ブランドのメニューはアプローチが大きく異なる。
このように、“涼味×スタミナ”のバランスをどこに置くか、どの食材で訴求するかによって、顧客体験は大きく変わる。言い換えれば、「同じ方向性でも、店舗の立地・ターゲットによって最適な設計は異なる」ともいえる。
明日から活かせる!”涼味×スタミナ系”メニュー設計の3原則
他の飲食店がこのトレンドから学べるポイントは以下の3つに集約される。
①“食べやすい×満足できる”構造を作ること:
冷たい食材で入口を軽くしつつ、主菜でボリュームと満足感を付加するのが基本設計。
副食材(とろろ・温玉・ネギなど)で味の幅と見た目の変化を加えると効果的。
②客層に合わせた「冷・温・肉」のバランス調整:
スタミナに寄せすぎると重くなるため、食材の組み合わせで味覚の緩急を作る。
とくにファスト系と健康志向系では設計思想が大きく異なる点に注意。
③価格とカスタマイズ性で再訪率を高める:
選べる麺、サイズ、トッピングなどの“調整余地”があることで、リピートの動機が生まれる。
デジタル注文と組み合わせれば、さらに訴求力は増す。
まとめ:「涼味×スタミナ系」はこの夏の勝ち筋!
2025年夏の食シーンにおけるキーワードの1つになるのが「涼味×スタミナ系」だ。気温上昇とともに求められる“食べやすさ”と、“元気をつけたい”という矛盾するニーズを両立させるこのアプローチは、今後の外食産業の夏メニュー開発において欠かせない指針となるだろう。
自店の客層・価格帯・オペレーションに応じた“涼×力”の構成を見直すことは、来店動機の再設計にもつながる。
今こそ、自店なりの「涼味×スタミナ系」メニューで、夏の需要を勝ち取りにいくタイミングだ。

