「0から育てたスタッフが店長に。今度は、自分が経営者の道へ」—特定技能2号×店長のフンさんが語る将来の夢

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飲食店で働く外国人スタッフの中には、日本で夢を見つけ、成長し続けている人が多くいます。

今回取材したのは、日本に来て7年目、現在はなんと特定技能2号を持つベトナム出身のフンさん。
店長として30人以上のスタッフの人材育成に携わり、日本語をはじめとした5ヶ国語も操れる、スーパー特定技能人材です。
そんなフンさんに、これまでの歩みと、今後の目標を伺いました。

どうして日本で働こうと思ったのですか?

海外で働いてみたいという気持ちがあって、自然と日本が候補に上がりました。実際に日本で働いているベトナム人がいることも知っていたので、じゃあ僕も日本に行ってみようかなと。最初は「働いてお金を稼ぐぞ」という思いだけだったのですが、日本に来て飲食店で働き始めたことで飲食業が好きになり、「自分でレストランを経営したい」という夢が生まれました。


現在に至るまでの7年間はどのように過ごしてきたのでしょうか?

2018年4月に来日し、まずは日本語学校に2年間通いました。学校に通いながら、鳥貴族やCoCo壱番屋、さくら水産などでアルバイトをしていました。これが飲食業に興味を持つきっかけでもあります。

卒業後、すぐに特定技能の試験を受けて無事に合格し、現在もお世話になっている鰻屋で正社員として働き始めました。正社員歴は今年でちょうど5年目です。2024年11月には、特定技能2号の試験に合格しました。現在は店長として、人材育成などにも携わらせていただいています。

 

店長になって、お仕事や意識に変化はありましたか?

丑の日表彰 フン店長

2024年には売り上げランキングでフン店長率いる上野店が1位になり、社内で表彰されました。

そうですね。役職がない一般スタッフの時と違って、お店、スタッフ、お客様の三方に広く意識を向けるようになりました。働き始めたスタッフを育てるには、どのように接客をしていてどこでつまづいているのか、お客様の言動をヒントになにか改善できるところはないかなど、「店」をまるごと自分事のように捉えるようになったと思います。飲食店の経営に興味があるので、日々の売り上げや廃棄率なども意識するようになりました。「お給料がもらえればいいや」という考えではなく、「どうすればもっと売り上げが上がるのか」「どうすればスタッフが楽しく働けるか」という考えを持つようになりましたし、店長として店を引っ張っていかなければという責任を強く感じています!

 


これまで30人以上の人材を育てあげたと聞きましたが…!?

はい、そうなんです。店長として、これまで何人ものスタッフの育成を任せていただきました。僕に一任していただけるのが嬉しかったですし、スタッフがどんどん成長していくのを見るのも大きなやりがいでした。当時はあたふたしていたスタッフが、今は立派に店長を務めていたりして、とても胸があたたかくなります。現在も、ヘルプに行ったら久しぶりに再会した、なんてことがあったりして嬉しくなります。


インバウンド対応もできると聞きましたが、具体的にどんな対応をしていますか?

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調理や接客をはじめ、お店の売上管理やスタッフのマネジメントなど幅広いスキルを持っています。

日本人ではない外国人のお客様には、基本的に英語で接客をし、「ありがとう」「また来てね」などの簡単な挨拶は、お客様の母語でおこなっています。店舗によってインバウンドの割合は変わりますが、僕が長らく働いていた上野店はかなり海外からのお客様が多かったので、毎日様々な言語を使って話していました。韓国語、中国語、英語、ベトナム語、日本語は対応できます。

お客様に「Where are you from?(どこから来たの?)」と英語で聞いて、帰りにはお客様の母国の言葉で「ありがとう」「バイバイ」と挨拶をするのがマイルールです。これがお客様にかなり好評で、すごく喜んでもらえるので僕もとても嬉しくなります。日本語での接客もいいですが、お客様の言語を使うと、寄り添っている感じがしてとても好きです。


フンさんの今後の目標を教えてください

一番の目標は、レストランを経営することです。飲食の世界に経営者として関わっていきたいです。そのためにも、今は若いうちにもっと経験を積みたいです。あと2~3店舗でさらに勉強したいですね。現場だけでなく、経営陣としての視点を持ちたいと考えていて。将来はお店をマネジメントする立場になりたいです。まずは、店長からエリアマネージャーへの昇格を目指しています。

 

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スタッフ達の先頭に立ち、たくさんの後輩たちに背中を見せてきたフンさん。取材中は終始にこやか、なのに話す言葉には自信と覚悟で満ち溢れていて、とてもかっこよかったです。お客様への挨拶をその国の言葉で伝えるエピソードには、「そんな心遣いができるからこそ、お店が愛されるんだなぁ」と感動しました…!私もフンさんを見習って、まずは目の前の仕事に真っ直ぐ向き合っていこうと思いました!スクリーンショット 2025-02-04 14.43.09

青山萌依
G-FACTORY株式会社 Promotion Support 大学在学中より、学科新聞の編集長として企画・編集・デザイン・取材・執筆を一手に担当。インターンシップではウェブライターとして活動し、金融・飲食・マッチングアプリなど多岐にわたる分野で執筆を経験。情報の本質を捉え、読者に伝わるコンテンツづくりを追求してまいります。
青山萌依
G-FACTORY株式会社 Promotion Support 大学在学中より、学科新聞の編集長として企画・編集・デザイン・取材・執筆を一手に担当。インターンシップではウェブライターとして活動し、金融・飲食・マッチングアプリなど多岐にわたる分野で執筆を経験。情報の本質を捉え、読者に伝わるコンテンツづくりを追求してまいります。