【特定技能2号とは?】飲食店で店長に昇格したベトナム人・フンさんに、現場のリアルをインタビュー!

腕を組んで微笑むフン店長のサムネイル画像

目次

 

↑フンさんのお仕事中の様子はこちらの動画をご覧ください!

日本の外食産業では、特定技能制度を活用して多くの外国人材が活躍しています。その中には、現場の中心を担うリーダーへと成長する人も少なくありません。

本記事では、「特定技能 インタビュー」の視点から、飲食店で店長を務めるベトナム人フンさんにお話を伺いました。技能実習から特定技能へ、そして店長昇格までの軌跡、現場での苦労と学び、将来の夢まで——実体験に基づいたリアルな声をお届けします。

「特定技能 飲食店」での働き方や可能性を知る一例としても、ぜひ参考にしてください。

特定技能人材 フンさんの来日と日本でのキャリア形成

今回取材したのは、日本に来て7年目、現在はなんと特定技能2号を持つベトナム出身のフンさん。
店長として30人以上のスタッフの人材育成に携わり、日本語をはじめとした5ヶ国語も操れる、スーパー特定技能人材です。
そんなフンさんに、これまでの歩みと、今後の目標を伺いました。

 

日本で働く決意|“飲食業との出会いが未来を変えた”

2018年4月に技能実習生として来日したフンさん。どうして日本を選んだのか、なぜ日本へ行こうと思ったのか、当時の心境を伺いました。

 

ーーーなぜ日本を選んだのでしょうか?

「海外で働いてみたいという気持ちが昔からあって。いざどこの国に行こうか考えた時に、自然と日本が候補に上がりました。実際に、日本で働いているベトナム人がいることも知っていたので安心感もありましたし、じゃあ僕も日本に行ってみようかなと決意しました。最初は“たくさん働いてたくさんお金を稼ぐぞ”という思いだけで過ごしていましたが、日本に来て、いざ飲食店で働き始めたら、いつの間にか飲食業が好きになり、仕事にのめり込んでいました。そこから「自分でレストランを経営したい」という夢が生まれたんです。」

 

特定技能1号から2号へ|飲食店での仕事に情熱を傾け、キャリアと資格を積み重ねる

 

ーーー来日後は、どのように過ごしていたのでしょうか?

「まずは日本語学校に2年間通いました。学校で日本語を勉強しながら、鳥貴族やCoCo壱番屋、さくら水産などの飲食店でアルバイトをしていました。これが先ほど話した夢のきっかけです。キッチンやホール業務を行い、覚えたての不慣れな日本語で接客していました。慣れない環境に不安を感じることもありましたが、お客様から"ごちそうさまでした""美味しかったよ"というお礼の言葉をいただいたり、"どこの国から来たの?"と自分のことについて質問されることが多々あり、お客様との会話を通して日本語を学ぶ機会にもなりました。」

 

ーーー日本語学校卒業後は、特定技能1号を取得されたんですよね?

「はい、そうです。日本語学校を卒業後も日本の飲食店で経験を積みたいと考えていたので、すぐに特定技能の試験を受けました。無事に合格し、現在もお世話になっている鰻屋で、特定技能1号のビザを持つ正社員として働き始めました。正社員歴は今年でちょうど5年目です。2024年11月には、特定技能2号の試験に合格しました。現在は店長として、店舗の在庫発注・人件費の管理など経営サイドの仕事や、人材育成にも携わらせていただいています。」

特定技能人材が“特定技能2号”を取得すると……

雇っている特定技能人材が2号を取得すると、雇用側に義務付けられていた生活支援などが不要となり、登録支援機関への委託費が0円に!
飲食店側(雇用側)はコストを抑えつつ、優秀な人材を確保できるため、双方がWin-Winの関係になれるのです。

飲食店 店長になって芽生えた責任感と仕事のやりがい

丑の日の売り上げランキングで上野店が1位になり、表彰されるフン店長の写真

2024年には各店舗対抗の丑の日売り上げランキングで、フン店長率いる上野店が1位になり社内で表彰されました。

 

店長業務のリアル|売り上げ管理も人材育成も、すべて自分ごと

鰻屋の上野店で店長を務めた後、現在は北千住店で店長を務めているフンさん。業務の幅が広がり、店を守っていかなければというプレッシャーや責任感を感じると同時に、自分の手で繁盛店にしてみせるという闘志も芽生えているそうです。

 

ーーー店長になることが決まった時は、どんなお気持ちでしたか?
「嬉しかったです!ついにここまで来れた…!という喜びを感じました。自分の夢を叶えるには、店長になってからが本格的な学びのスタートだとも感じていたので、やっとスタートラインに立ったような気持ちにもなりました。」



ーーー店長に就任してから、お仕事やフンさん自身の心情に変化はありましたか?

「そうですね。役職がない一般スタッフの時と違って、お店、スタッフ、お客様の三方に広く意識を向けるようになりました。店をまるごと自分事のように捉えるようになったと思います。“お給料がもらえればいいや”という考えではなく、“どうすればもっと売り上げが上がるのか”“どうすればスタッフが楽しく働けるか”という考えを持つようになりましたね。

在庫管理や発注、売上・人件費・廃棄率の管理や人材育成など、店の裏側も管理するようになったことで、これからの店の行く末は自分の手にかかってくるんだというプレッシャーも大きかったです。クレーム対応なども引き受けますし、自分の言動が他のスタッフにも影響を与えます。スタッフのみんなに頼られて、店も守っていける店長になれるかどうか、最初はとても不安でしたが、自分の力が試される時だ!やってやる!というやる気の方が強かった気がします。」


ーーー店長として、これまで30人以上の人材を育成したと伺いましたが…!?

「はい、人材育成も僕の担当なので、新しく入ってきたスタッフ達は僕が指導しています。日本に来たばかりの頃の自分を思い返しながら、どんなことにつまづいていたのか考え、彼らが“飲食業の楽しさ”を感じられるように心がけています。スタッフがどんどん成長していくのを見るのも僕の大きなやりがいです。当時はあたふたしていたスタッフが、今は立派に店長を務めていたりして、とても胸があたたかくなります。現在も、ヘルプに行ったら久しぶりに再会!!なんてことがあったりして嬉しくなります。

 

 

30人以上の人材育成、インバウンドへの多言語接客…広がりゆくホスピタリティ

 

特定技能人材の魅力の1つは、なんといっても「インバウンド」への対応ができること!店舗の国際対応力を大きく底上げし、外国人客に選ばれるお店づくりに貢献してくれます。フンさんもまさにその1人です。

炭火でじっくりと鰻を焼く仕事中のフン店長の写真

マニュアルに沿ってこなすのはもちろん、そこにフンさん流の気配りやおもてなし精神を込めています。

 

ーーーフンさんはインバウンド対応もできるとのことですが、いくつの言語を話せるのでしょうか?

「日本語以外には、英語、母語のベトナム語、中国語、韓国語です。簡単な挨拶であれば他の言語もできます。以前働いていた上野店はとにかく外国人観光客が多く、逆に日本人の方が少ないという環境だったので、いつの間にか言語を習得していたという感じです。基本的には英語を使って接客しています。」

 

ーーーフンさんにとって「心の距離を縮める接客」とは、どんな接客ですか?

お客様の国の言語を使うことだと思っています。お客様に“Where are you from?(どこから来たの?)”と英語で聞いて、帰りにはお客様の母国の言葉で“ありがとう”“バイバイ”“また来てね”と挨拶をするのがマイルールです。これがお客様にかなり好評で、すごく喜んでもらえるんです。GoogleMapの口コミでそのことを書いてくれたりして、それを読んだ他の観光客が訪れてくれる、という仕組みができている気がします。母語で返されたら、自分がその店に受け入れてもらえている感じがしませんか?すごくおこがましい話かもしれないのですが、おもてなしの一環であると僕は考えています。

特定技能人材は「インバウンド」への対応もできる!
インバウンド客への接客も難なくこなせるため、訪日外国人が年間2500万人を超える今、強力な戦力になります。特に多言語対応ができるスタッフは、店舗の国際対応力を大きく底上げ。単なる労働力ではなく、「文化の橋渡し役」として、外国人客に選ばれるお店づくりに貢献してくれます。

フンさんが思い描く将来のキャリアと夢

日本に来て芽生えた「飲食店」への情熱。フンさんの心遣いは、お客様だけでなくスタッフからも定評を得ています。特定技能を通じて得たスキルや経験を今後どう活かしていくのか。フンさんの夢を伺いました。

 

将来の夢は”飲食店経営者になって、自分の飲食店を経営すること”

 

ーーーフンさんの将来の夢を教えてください。

「一番の目標は、レストランを経営することです。飲食の世界に経営者として関わっていきたいです。そのためにも、今は若いうちにもっと経験を積みたいです。あと2~3店舗でさらに勉強したいですね。現場だけでなく、経営陣としての視点を持ちたいと考えていて、将来はお店をマネジメントする立場になることが目標です。」

 

ーーーフンさんと同じように日本へ行こうと考えている方々へ、メッセージをお願いします!
大きな夢を無理に探そうとしなくてもいい!と伝えたいです。僕自身も当初の目標は「お金をたくさん稼ぐ」ことでした。色々なことに挑戦してみて、新しい世界や新しいやりがいを知った時に、どんどん生まれてくるものだと思います。まずは挑戦してみることが何よりも大切だと思います。日本は安全で親切で素敵な国なので、迷わず飛び込んでみてください!」

(インタビュイー:フンさん / 取材・執筆:青山 )

外国人材の採用・人手不足でお悩みの飲食店経営者様へ

特定技能人材の採用は、今や「人材の穴埋め」ではなく、「未来の戦力」を得るための選択肢です。
私たちGF Worksでは、飲食業に特化した特定技能人材をご紹介しています。

 

  • ・飲食経験3年以上/日本語での接客が可能な人材

  • ・店舗運営や教育経験を持つリーダー候補

  • ・多言語対応可能で、インバウンド客にも強い人材

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書類選考だけでなく、人物像・現場適性まで見極めたうえでご紹介するため、ミスマッチを最小限に抑えることができます。採用後の受け入れ準備、在留資格申請、定着支援までワンストップでサポートいたします!

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編 集 後 記
スタッフ達の先頭に立ち、たくさんの後輩たちに背中を見せてきたフンさん。取材中は終始にこやか、なのに話す言葉には自信と覚悟で満ち溢れていて、とてもかっこよかったです。お客様への挨拶をその国の言葉で伝えるエピソードには、「そんな心遣いができるからこそ、お店が愛されるんだなぁ」と感動しました…!私もフンさんを見習って、まずは目の前の仕事に真っ直ぐ向き合っていこうと思いました!
青山萌依
G-FACTORY株式会社 Promotion Support 大学在学中より、学科新聞の編集長として企画・編集・デザイン・取材・執筆を一手に担当。インターンシップではウェブライターとして活動し、金融・飲食・マッチングアプリなど多岐にわたる分野で執筆を経験。情報の本質を捉え、読者に伝わるコンテンツづくりを追求してまいります。
青山萌依
G-FACTORY株式会社 Promotion Support 大学在学中より、学科新聞の編集長として企画・編集・デザイン・取材・執筆を一手に担当。インターンシップではウェブライターとして活動し、金融・飲食・マッチングアプリなど多岐にわたる分野で執筆を経験。情報の本質を捉え、読者に伝わるコンテンツづくりを追求してまいります。