飲食店を開業するなら個人事業主がおすすめ!メリットや成功の秘訣を解説!

飲食店を個人事業主として開業する際、どのような準備が必要でしょうか?この記事では、個人事業主としてのメリットや必要な手続き、成功するための戦略について詳しく解説します。自分の店を持ちたいと考えている方や、新たな挑戦を考えている方に役立つ情報をお届けします。

個人事業主として飲食店を開業するメリット

飲食店を開業しようとする場合、「個人事業主」か「法人」のどちらかを選ぶ必要があります。

事業の設立手続きが簡単

個人事業主として飲食店を開業する場合、法人に比べて設立手続きが簡単です。

法人の場合だと、登記申請や役員任命などさまざまな手続きが必要になりますが、個人事業主の場合は、開業届の提出のみです。この書類に費用は発生しません。

経理作業がシンプルで簡単

法人の場合、決算書、申告書、内訳書等の作成が必要になり、税理士に依頼するケースが多いです。この場合は依頼費用も発生しますので、経理作業にお金がかかることになります。

しかし、個人事業主の場合は経理作業用アプリなどを使用して自分でおこないます。法人と比べると比較的簡単&低コストです。

自分の理想を実現しやすい

個人事業主であれば、自分のアイデアや理想を自由に反映させることができるため、自分の目指す店作りをしやすい傾向にあります。「絶対にこういう内装にしたい」「このメニューを提供したい」など強いこだわりがある場合は、個人事業主になるのが最適でしょう。

個人事業主として飲食店を開業するために必要なこと

飲食店を開業するには、資格や届出の申請が必要です。他にも、資金調達や物件探しなど準備しなければならないことはたくさんあります。この章では、開業準備について解説します。

<開業に必要な準備>

①店のコンセプト・業態を決める

②事業計画を立てる

③物件を探す

④開業資金・運転資金を調達する

⑤資格を取得する

⑥届出を申請する

 

STEP1:店のコンセプト、業態を決める

「飲食店」と一口に言っても、営業スタイルは1つではありません。席に座ってゆっくり食べる「実店舗」、席は設けず商品だけ提供する「デリバリー・テイクアウト専門店」、キッチンカーであちこちを回って商品を提供する「移動販売」など、業態の種類は様々です。

営業スタイルによって、準備資金を抑えることもできます。

また、店のコンセプトはその店の「特色」になります。強みや魅力を外部に発信する際に重要ですので、こちらも慎重に決めましょう。

 

STEP2:事業計画を立てる

事業計画は、経営理念、マーケットリサーチ、収支計画、運営スケジュールなどを含みます。特に収支計画は、開業後の資金繰りや経営の安定に直結するため、具体的な数値を定める必要があります。事業計画書は、銀行や投資家からの資金調達の際に必要になるため、慎重に作成しましょう。

 

STEP3:物件を探す

店舗の立地は、飲食店の成功を大きく左右する要素です。飲食店の物件に関する知識がない状態で、1人で物件探しをしようとすると、失敗やトラブルが起こりやすいため、物件紹介サポートをおこなっている会社に依頼するのもおすすめです。

 

STEP4:開業資金・運転資金を調達する

飲食店の開業には多額の資金が必要です。自己資金だけで賄えない場合は、銀行からの融資や政府の助成金を活用しましょう。金銭面で苦しい思いをしないよう、返済計画やリスク管理についても十分に考えておく必要があります。徹底した財政管理が、飲食店を成功に導きます。

(参考:日本政策金融公庫「新規開業資金」

 

STEP5:資格を取得する

飲食店を開業するには、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格が必要です。

どちらも講習を受講する必要がありますので、公式サイトで情報を確認してください。

 

参考:公益社団法人 日本食品衛生協会「全国の食品衛生協会」

参考:一般財団法人日本防火・防災協会「防火・防災管理講習」

 

STEP6:届出を申請する

飲食店を開業するには、少なくとも以下の届出が必要です。

このほかにも、従業員を雇用する場合や店舗の営業時間・営業スタイルによって、必要な届出が異なります。

書類名

期限

提出先

概要

個人事業の開廃業等届出書

開業後1カ月以内

管轄の税務署

(参考:国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

個人事業税の事業開始等申告書

開業後1カ月以内

都道府県地方税務署

・事業の開始、変更、事業所の設立、廃業時に、個人が知事に対して提出する

・個人事業主の場合、地方税である個人事業税も課税される。そのため、都道府県税事務所への届出が必要

(参考:東京都主税局「個人事業税申請様式」

所得税の青色申告承認申請書

青色申告の承認を受けようとする年の3月15日

管轄の税務署

・青色申告をおこなう承認を受けるための申請書

・「赤字繰り越し」「税務上の優遇措置」「減価償却費の計上」等のメリットがある

(参考:国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申告書

適用を受けるとき

管轄の税務署

・給与から天引きした源泉所得税の納付を年2回まとめておこなうための書類

(参考:国税庁「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」

青色事業専従者給与に関する届出書

・青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで

・上記と同年の1月16日以後に、開業者や新たな専従者がいることになった場合は、いることになった日から2か月以内

管轄の税務署

・家族等の事業従事者に給与を支払う場合、給与を経費に算入するために必要になる


(参考:国税庁「青色事業専従者給与に関する届出手続」

飲食店営業許可

店舗完成の10日前まで

管轄の保健所

飲食店の衛生面を保証するもの。申請書の他、配置図(見取り図)、食品衛生責任者の資格証明書、申請料が必要。

(参考:東京都福祉保険局「営業開始後に必要な手続き」

防火管理者選任届

営業開始まで

(防火管理者講習を受講後、速やかに提出するのが望ましい)

消防署

・店舗の収容人数(従業員+席数)が30人を超える場合に提出が必要

・講習終了後に交付される修了証を提出

(参考:東京消防庁「防火管理者選任届」

新築、用途変更、一時使用等届出

使用開始の7日前まで

管轄の消防庁

・建物やその一部を改修する場合に必要

(参考:東京消防庁「新築、用途変更、一時使用等届出」

火を使用する設備等の設置届

設備設置前

管轄の消防署

・消防署が必要とする防火措置がこう知られているか確認するために必要

(参考:東京消防庁「設備の設置・設備業届出」

 

飲食店個人事業主の年収ってどのくらい?

厚生労働省が発表した、令和4年賃金構造基本統計調査によると、飲食業界の平均年収は257.4万円です。

業界全体の平均年収は311.8万円であり、飲食業界の年収は平均よりも低いと言えます。

(参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」

個人事業主となると、従業員に給料を払わない場合手元に残るお金は増えるため、従業員を雇う飲食店と比べて年収は増加する可能性があります。

店の売り上げによって年収に差があるため、給料が高いのは法人と個人事業主のどちらであるか、をはっきりと明言するのは難しいです。

飲食店の個人事業主が成功するための経営戦略

飲食店を個人事業主として成功させるためには、単に美味しい料理を提供するだけではなく、経営戦略、マーケティング、コスト管理など多岐にわたるスキルが求められます。ここでは、成功のための具体的なポイントを解説します。

事業計画は具体的な数値をもとに決める

飲食店が成功するかどうかは、店舗を開店するまでの準備で左右されます。

立地やターゲットの選定が間違えば、売り上げは伸び悩むでしょう。

開業を成功させたいのであれば、

・出店場所

・ターゲット

・店の強み

などの軸をしっかりと定めましょう。軸がブレブレの店はいつか衰退していきます。

 

SNSマーケティングに注力する

SNSが普及している今、飲食店はSNS運用に力を入れるべきです。

株式会社シンクロフードが2022年に行った調査では、飲食店の82.6%が集客にSNSを活用していることが分かりました。

このような高い使用率の背景には、無料でインストールできることや手軽に発信できる利便性が影響しているようです。

中でも使用率が高いSNSは“Instagram”。画像と文章をセットで投稿できるため、視覚的な魅力をダイレクトに伝えられます。新メニューの投稿も来店促進に効果的です。ユーザーが投稿にアクションできるため、店舗と顧客の双方向コミュニケーションが促進されやすくなります。

(参考:株式会社シンクロフード「飲食店のSNS集客に関する調査」

飲食店の物件にお困りならG-FACTORYへ!

飲食店の成長支援・課題解決を行うソリューションカンパニーとして、独立支援、移転、多店舗展開、海外出店、撤退まで一気通貫でサポートしています。

また、飲食業界のさらなる活性化を目的に、SDGs達成を見据えた事業など、社会貢献性の高い“食”に関わる様々なプロジェクトが進行中です。

自社で運営する飲食事業があるからこそ、そこで蓄積したノウハウを基に、飲食店の成長を力強くサポートします。

まとめ

飲食店を個人事業主として開業する際には、法的手続きや資金調達、経営戦略の構築が鍵となります。成功するためには、情報収集と計画の立て直しが不可欠です。店を存続させるために、リスク管理を徹底しましょう。