2025/05/13
マー活ブーム再燃、外食チェーンが相次ぎシビ辛新メニュー トッピング戦略で客単価アップを狙う

麻辣旋風が再び到来、温野菜と8番らーめんが期間限定商品を投入
外食業界では、「マー活(=麻辣料理活動)」をテーマにしたメニュー展開が再び活発化している。株式会社レインズインターナショナルが展開する「しゃぶしゃぶ温野菜」は、2025年5月21日より、「旨辛 麻辣湯しゃぶ」を期間限定で発売する。
「旨辛 麻辣湯しゃぶ」は、青花椒油の豊かな香りに9種の薬膳スパイスを効かせた本格派。御膳セットは税込2,398円、食べ放題コースは税込4,158円から提供する。さらに、ハバネロとジョロキアをブレンドした「鬼辛ペースト」で辛さを自在に調整でき、トッポギやマロニーなどヘルシー食材を加えることで、満足感の高い一杯に仕上げている。
ラーメンチェーンの株式会社ハチバンは、「8番らーめん」において5月9日から「野菜麻辣らーめん」(税込990円)、5月23日からは「麻辣唐麺(1玉)」(税込957円)を順次販売開始する。
「野菜麻辣らーめん」は、味噌と野菜の旨味をベースに、花椒・青山椒・和山椒の3種をブレンドしたスパイシーな一杯。豊富な野菜と奥深いコクが特徴である。
「麻辣唐麺」は、鰹・昆布・チキンの旨味を効かせた汁なしまぜそば。旨辛の「麻辣辛肉味噌」、シビれる「麻辣オイル」、8種の唐辛子をブレンドした「鬼辛8唐辛子」など、多彩なトッピングで好みの辛さにカスタマイズできる。
トッピングは「カラ増し(鬼辛8唐辛子)」税込66円、「シビ増し(麻辣オイル)」税込66円、「辛肉増し」税込198円と手軽に追加しやすい価格設定となっており、客単価向上に寄与する施策となっている。
マー活人気の背景に「ストレス発散」と「自分へのご褒美」
麻辣料理人気の背景には、若年層女性や働く世代を中心とした“ストレス発散”や“自分へのご褒美”といった消費行動がある。強い刺激や香りは、日常のリフレッシュやSNS映えする外食体験として好まれている。
しゃぶしゃぶ温野菜は、創業25周年を迎える節目に「刺激」と「癒し」の二極化メニューを同時展開。グループ客の多様な嗜好に応え、来店動機の拡大を図る。
8番らーめんは、マー活ファンの“カスタマイズ欲求”に応える豊富なトッピング戦略で差別化を図る。視覚的なインパクトと味覚体験を両立し、リピーターの獲得と単価向上を目指している。
飲食店が取り入れるべき「マー活」トレンド戦略
【メニュー開発】トッピングで客単価アップ
「鬼辛ペースト」や「麻辣オイル」のような追加トッピングは、客単価向上に直結する。100~200円程度で手軽に追加できる価格設計が有効である。
【マーケティング】SNS拡散を狙ったビジュアルとハッシュタグ活用
「#マー活」「#シビ辛」「#ご褒美ランチ」など人気ハッシュタグを活用し、ビジュアル映えする盛り付けでSNS拡散を促す。話題性のある限定メニューは集客効果が高い。
【店内オペレーション】二極化メニューで幅広い層に対応
刺激系とマイルド系の両メニューを用意することで、家族連れやグループ来店時の満足度向上が図れる。結果として、滞在時間延長や追加オーダーの増加が期待できる。
マー活ブームは一過性か、定着する新たな市場か
麻辣料理ブームは、かつてのタピオカやチーズグルメのような一過性の流行で終わるのか、それとも飲食業界に定着する新たな市場となるのか注目されるところである。今後は、単なる「辛さ」だけでなく、薬膳・健康志向などの付加価値をいかに付けられるかが競争のカギとなるだろう。
飲食店にとっては、トレンドを追うだけでなく、自店のブランドや客層に合わせた“独自のマー活”メニューを展開できるかが問われる時代である。高まる「体験型グルメ」への需要に応えることが、今後の成長戦略において重要なポイントとなりそうだ。
