2025/04/24
焼肉きんぐなどを運営する物語コーポレーション、東南アジアにハンバーグ専門店「肉肉大米」を出店

焼肉きんぐ運営企業、フィリピンで新業態を展開
物語コーポレーションは24日、フィリピン・マニラ市の大型商業施設「Mall of Asia」にて、新業態「肉肉大米(NIKU NIKU OH!! KOME)」を25日にプレオープンすると発表した。運営は現地企業によるフランチャイズ形式で行い、東南アジア市場における新たな一手として位置づけられている。これにより、同社にとってはフィリピン初進出となる。
ハンバーグ×コメ文化でフィリピン現地ニーズに対応
「肉肉大米」は、目の前でハンバーグを焼き上げるライブ感のある店づくりが特徴。メニューには、ハンバーグ2個セットやチーズハンバーグ2個セットなどが並び、価格は599〜799ペソ(約1490〜1980円)となっている。さらに、ガーリックチリオイルなど、フィリピン人の味覚に合わせた調味料を揃えるほか、世界有数のコメ消費国である同国に合わせて、主食との組み合わせにも注力している。
中国30店舗の実績をベースに、東南アジアで多業態展開へ
「肉肉大米」は2022年に中国で1号店を開業し、わずか2年で30店舗に拡大。この急成長の背景には、シンプルながらライブ感のある店舗体験と、ローカライズされた味付け戦略がある。今回のフィリピン進出も、現地の嗜好や消費スタイルを分析したうえでの業態設計がなされており、単なる“国内ブランドの輸出”ではなく、“地域密着型ブランドの再構築”といえる。
物語コーポレーションは今後、同国での実績をもとに、今後の出店を検討している。すでに中国での多店舗展開を経験している同社にとって、フィリピン市場は第二の主戦場ともなり得る。これは、国内市場が頭打ちになりつつある今、多くの飲食企業にとっても重要なヒントを示している。
たとえば、「定番業態のまま出店」ではなく、「地域特性に合わせて業態や提供スタイルを最適化する」発想。さらに、現地資本とのFC提携を前提とした“ローカルと共に育てるブランド戦略”は、海外進出を検討する経営者にとって、リスクとリターンのバランスを取る上でも重要な戦略論点となるだろう。
