2025/06/20

夏の限定バーガー最前線!注目コラボ徹底比較【マクドナルド×ジュラシック・ワールド/TGIフライデーズ×CHUMS】

目次

”夏のバーガー戦争”の主力はコラボにあり!

2025年夏、国内のバーガー市場では大型コラボ企画が相次いで展開されている。

なかでも注目を集めるのが、マクドナルドの『ジュラシック・ワールド バーガーズ』と、TGIフライデーズの『CHUMS × TGI FRIDAYS』コラボメニューだ。どちらもエンタメやファッションと結びつき、単なる「食」にとどまらない体験設計が特徴的である。

飲食業界にとって、季節限定+ブランドコラボは、集客と話題性を両立する強力な打ち手となる。

マクドナルド:恐竜映画の世界観を”食”で再現

マクドナルド(日本マクドナルド株式会社)は、映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』とのコラボ商品として、3種のバーガーと2種のドリンクを期間限定で発売。「恐竜の爪痕をイメージしたバンズ」に、陸・海・空の恐竜をそれぞれモチーフにした食材構成が特徴だ。

 

・『肉厚ビーフ&ガーリックオニオンビーフ』

 :T-REXをイメージ。濃厚なソースとパティのWビーフで満足感重視

・『旨辛ザクザクジューシーチキン』

 :翼竜ケツァルコアトルスを連想させるレモンソース×スパイシー衣

・『チーズアボカドマヨシュリンプ』

 :海の覇者モササウルスをモチーフ。ぷりぷりのエビ×アボカドマヨがアクセント

・『マックフィズ』・『マックフロート』

 :パイナップル×メロンを組み合わせた炭酸系で、見た目も南国風

 

販売価格は470円~540円(単品)、セット価格は840円~で提供されており、X(旧Twitter)での複数のキャンペーン展開と、映画連動の限定パッケージも話題性を後押している。

TGIフライデーズ:アウトドアブランドCHUMSとの異業種融合

一方、TGIフライデーズ(TGI Fridays Japan)はアウトドアブランドCHUMS(株式会社ランドウェル)と手を組み、「食・遊・服」を一体で提案するユニークなキャンペーンを実施中。アメリカンな食文化と遊び心を融合させたメニュー展開が特徴である。

 

・『CHUMS BBQ BACON EGG FRIED ONION BURGER』(2,190円)

 :200gビーフにベーコン・エッグ・オニオンフライを重ねた重厚な構成。CHUMSの甘辛BBQソースが味の軸。

・『SHAKE SHAKE POTATOES』(430円)

 :CHUMSオリジナルスパイスで仕上げたポテト。マイルド/ホットの2種から選択可。

・コラボTシャツ(大人4,950円/子供3,850円)

 :バーガー&ポテトをモチーフにした限定デザインで、物販でも体験を拡張。

 

キャンペーンはInstagram投稿や店内での抽選など、CHUMSファンとの接点を複数展開している。

世界観の作り込みと商品連動の深さが特徴で、アメリカンカルチャーとライフスタイルを訴求する形となっている。

味・価格・世界観で差をつける!マクドナルドvs.フライデーズ、戦略の全貌

マクドナルドとTGIフライデーズの戦略には、明確な違いが見られる。

マクドナルドは映画『ジュラシック・ワールド』とのタイアップで、恐竜をモチーフにした3種のバーガーと2種の炭酸ドリンクを展開。価格帯は単品470円〜540円と手頃で、10〜30代を中心に幅広い層をターゲットにしている。

一方のTGIフライデーズは、アウトドアブランドCHUMSと組み、1,000円台後半〜2,000円超の高価格帯でボリューム重視のバーガーとオリジナルグッズを展開。訴求軸はファッションや遊び心にあり、20〜40代のアクティブ層や家族連れを意識した設計となっている。

両者とも「世界観」を大切にしている点は共通だがマクドナルドはエンタメの物語性で訴求し、TGIフライデーズはライフスタイルへの共感を武器にしている。

商品構成や価格、想定する体験の深度において、異なるアプローチが際立っているのが今回のコラボの特徴だ。

あなたの店も真似できる!話題コラボに学ぶ3つの必勝法

本記事で紹介した2つの事例から、他の飲食店が取り入れられる実践的な要素は以下の通りである。

 

①ブランドやIPとの連携による話題化

  • 飲食単体ではなく、映画やファッションとの異業種コラボによって顧客接点を増やす戦略は有効である。

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  • ②期間限定商品の「物語化」

  • ストーリー性ある設計(例:恐竜/アウトドア体験)は、SNSや広告における拡散を促進する。

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  • ③「食+α」の体験提供

  • Tシャツなどの物販やXキャンペーン、インスタ投稿キャンペーンのように、来店後の満足度を高める設計がリピーターづくりに貢献する。

 

これらの要素を全て導入する必要はないが、1つでも自店舗に合った形で取り入れられれば、夏の繁忙期における集客力や顧客満足度の向上に確実につながるだろう。

重要なのは「ただの限定メニュー」で終わらせず、体験価値としてどう記憶に残すかという視点である。

まとめ:限定メニューは”体験”で差別化する時代へ

2025年夏の限定バーガー戦争は、単なる商品開発ではなく、“体験開発”の領域にまで進化している。

マクドナルドは映画の世界を食に取り入れ、TGIフライデーズはライフスタイル全体を設計した。

今後の飲食業界においても、商品力だけでなく、世界観・物語・体験といった総合的な価値設計が競争力のカギを握るだろう。

夏は「限定メニュー」が試される絶好の機会。真似できる部分から着手し、ブランドの体験価値を最大化していきたい。

まるっと飲食情報局-1

宮原康助
ケムニッツ工科大学院 哲学部大学ではコミュニケーションを専門に学びながら、「どうすれば人の心に届く表現ができるのか?」を考えてきました。記事では、読む人にとって“わかりやすくてタメになる”、そしてほんの少しでも前向きになれるようなコンテンツを目指しています。「食」は誰かにそっと寄り添う力があると信じています。その魅力と可能性を、さまざまな視点から丁寧に発信してまいります。
宮原康助
ケムニッツ工科大学院 哲学部大学ではコミュニケーションを専門に学びながら、「どうすれば人の心に届く表現ができるのか?」を考えてきました。記事では、読む人にとって“わかりやすくてタメになる”、そしてほんの少しでも前向きになれるようなコンテンツを目指しています。「食」は誰かにそっと寄り添う力があると信じています。その魅力と可能性を、さまざまな視点から丁寧に発信してまいります。